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PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
決別編
36/121

二十四話 ロリコンは想いを受けて過去に手を伸ばす

 こんにちは、杠葉翔太です。


 んー……。

 今日は何も話さなくていいや。






 だって、最高に幸せだから。






 それじゃ、二十四話始めます。



 十二月一日、朝九時。

 杠葉家。

 俺とリリィは荷物を持ち、母さんと対面していた。

 荷物、と言っても最小限だ。

 昨日のうちにロペスの子会社の運送会社がある程度運んでいる。

 今日持っていくのは個人的に必要と思ったものだけだ。

 因みに俺は本と枕を持った。

「ところで、ふたりとも寝不足? 楽しみすぎて寝れなかったの?」

 冬の低い光に目を細め、気怠そうにしている俺と、頭を前後に振り、夢と現実を交互に行き来するリリィを見て、母さんはニタニタと笑った。

「まぁ、そんなとこ」

 嘘を誤魔化す。

「ふーん、若いっていいわね」

 あぁ……この反応は誤魔化せてないな?

「ほら、リリィ?」

「はっ! ……はいっ!」

 肩を揺らし現実に引き戻した。

 短くアイコンタクトを行い、杠葉の家を見る。

「行ってきます」

「行って参ります」

 手を繋ぎながら母さんに頭を下げた。

「いつでも帰ってきていいからね」

 母さんは普段見せない優しい笑みを浮かべていた。

 この笑みは憂いの伴ったものである。早すぎる門出が寂しいのだろう。

 予想の範囲は出ないけどね。

 俺とリリィはアパートへ……アムール宝狼二〇三号室へ向かった。


 ◇


 宮代花音は十二月の朝に溜め息を吐いた。

 これからのことを考え、朝食は少なめに摂る。

 土曜日だというのに、両親は何やら忙しそうだ。

 花音は両親の行動の意味を理解しようとすることなく、二階へ上った。

 兄の部屋への足取りは非常に軽かった。

 だが、目の前に立つと途端に重くなる。

 ゆっくり、一歩。

 部屋の中に入った。

 こんな序章で苦しんでいる暇はない。

「今から、会いに行きます」

 冷や汗で全身を濡らし、視界が歪む中、兄の机の上にある鍵を取った。

「……兄さん」

 絶対に離さないように鍵を握り締め、祈りを捧げる。

「行きます」

 家を飛び出す。

 一年前はほぼ毎日通った道。

 兄に会うためのアパートへの道。

 募る想いの中で、川の流れの音が聞こえた。

 瞬間、吐き気を感じて立ち止まったが、すぐに切り替え走り出した。


 ◇


 アムール宝狼に到着し、階段を上る。

 二〇三号室の玄関がもう、そこに。

「「え?」」

 俺とリリィは驚きと共に同じ音を出した。


 二〇二号室の前に花音ちゃんがいたのだから。


「花音ちゃん、どうしてここに?」

 リリィは戸惑いつつも疑問を投げた。

 俺も疑問で仕方なかった。

 住んでる家までバレた?

「……ここは兄の部屋です」

「えっと?」

 俺と間違えた兄?

 というか、お隣さんはあまり外に出ないからどんな人か知らないんだよな。

「昨日のことは本当に申し訳ありませんでした。ところで、リリィちゃんと翔太さんはどのような関係なんですか?」

 俺とリリィの姿を再確認し、花音ちゃんは率直に疑問を投げた。

「あっ……えっと――」

 睡眠不足の弊害か。

 思考が上手く纏まらず、戸惑うリリィ。

 正直に答えるべきとは思いつつも、言い方を考える。

 俺は、そんな心配は必要ないと肩に手を置き、台詞を一つ。

「――リリィは俺の婚約者だよ」

 表情は崩すことはない。

「え、あ。あはは……冗談、ですか?」

「本当だよ。今日から二〇三号室で一緒に住むんだ」

 リリィと視線を一度合わせ、互いの気持ちを共有した後、微笑んだ。

「お隣さんとは知らなかった。今度挨拶しに行くね」

 逸らされた話を元に戻し、礼儀を前に出した。

 そうだ、花音ちゃんは礼儀正しい女の子だ。

 こっちだって丁寧に行こうじゃないか。

「いえいえ。あ、そうだ翔太さん。旦那さんではなく、私の兄になりませんか?」

 えっ。

 右手を伸ばし、甘い誘い。

 花音ちゃんは面白いことを言う子だ。まったく。

 心臓飛び出ちゃう。

「……翔太さん?」

 えっ。

 振り返るとリリィの笑顔。でも見たことのない笑顔。

 リリィはたまにそういう怖い表情をするから堪らないね。まったく。

 いやいや……シャレにならないくらい怖い。

 何その人を殺しそうな目は。マゾだったら興奮して達してたなぁ。

「とっ、とりあえず花音ちゃんのお兄さんに申し訳ないから、お兄ちゃんにはなれないかなぁ……。お隣さんだったら、今度挨拶をさせてもらうね。それじゃ」

 状況を簡単に切り上げ、俺はリリィと二〇三号室に入った。


「……兄さん」


 花音ちゃんは涙を拭いていた。


 ◇


 懐かしい匂いが鼻腔を擽る。

「ただいま帰りました」

 リリィは懐かしい部屋を見つめ、自然と呟いていた。

「ただいま」

 俺もリリィに倣い呟いた。

 不意に隣の部屋の方向に視線を移した。

 もう一つの生活があるのだろう。


「翔太さん、実はお話したいことがあります」

 靴を脱いで部屋の中に入った俺にリリィは真剣に切り出した。

「ん?」

 空気の変化に順応できず、いつも通りの返事をする。

振り返り、リリィの顔を見て後悔をした。

浮かない表情……という優しい表現は十分ではない。

思考を巡らせ、考え、悩み、自分の無力さをまざまざと叩き付けられてしまった表情。

「花音ちゃんのお兄さんは既に亡くなっているんです。翔太さん。花音ちゃんの気持ち、わかりますか? 私は知りたいんです。花音ちゃんが何を想って翔太さんに迫っているのか、何のために兄の死を隠しているのか……私は聞くべきでしょうか?」

 押し寄せるように流れた情報を整理して、言葉を探す。

 リリィの願い。

 自分の持つ情報と照合し、解決策を導く。


 一つだけ思い出した。


「花音ちゃんは大切な友達だよね?」

「はい、勿論です!」

「そしたら、少し待っててくれ」

「……はい、一体何を?」

「花音ちゃんのお兄さんを知ってる人がいるんだ」

「そんな人が?」

「あぁ、羽衣石先輩と天国先輩は知っていると思うんだ」

 俺が入学する前に書かれた台本の作者の名前が『宮代』だったことを思い出し、僅かに見えた手掛かりに全てを託した。


こんにちは、

下野枯葉です。


最近、題名を考えるのを悩み始めました。

縛り大変だなーって。

がんばおー。


さて、刻みます。

今後の展開を紙に書き出して、整理しつつ文字にしているんですが……。

物語上では十二月に入りましたが、二月まで予定がパンパンです。

刻みます。

マジで、三年生の卒業がヤバい。

台本の内容と物語の進行を絡めようとしてるんです。

キツイ。頑張るしかないね!

刻みます。

四展開って……書籍化してる人たち、やべー……。

どういう脳みそしてんの?

管理できねえってばよ。

刻みます。

まぁ、頑張るしかないですよね?

細かくする関係上、投稿頻度が下がると思いますが、読み続けて頂ければと思います。


では、今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。

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