十七・五話 金髪幼女は悩める小学生
えっと、こんにちは。
リリィ・ロペスです。
翔太さんの家での生活……とーっても楽しいです。
お義姉さんもお義母さんも優しくて、賑やかで……まだ慣れません。
でも……でも。
アパートでふたりっきりも良かったな。
あっ、いや! なんでもないですよ!
えーっと、うん。なんでもないです。
久しぶりにやります!
よーし!
十七話の裏側……。
十七・五話、始まります!
山城小学校、四年三組の教室。
リリィはいつものようにランドセルから教科書と筆箱を取り出し、机の中に授業の順番通りにしまっていた。
「リリィちゃん、おはようございます」
前の席にランドセルを置き挨拶したのは花音。
今日も変わらない上品さを身に纏う。
一つ一つの動きに見惚れてしまう。
「おはよう、花音ちゃん」
リリィは挨拶を返し、花音の動きを真似できないものか……と考える。
そこへ、駆ける足音が近づいてきた。
「花音ちゃん、リリィちゃん、おっはよー!」
咲菜はふたり目がけ駆け寄り、直前で急ブレーキ。
「おはようございます」
「おはよう、咲菜ちゃん。走って怒られなかった?」
廊下は走らない。
先生の言葉を思い出させるようリリィは咲菜に聞いた。
「あっ……まぁ今日だけだから!」
((いつも走っているような))
リリィと花音の思考の一致。
否、クラス全員の思考は一致した。
「そんなことより、図工だよ!」
咲菜は話したかったことを思い出し、人差し指を立てながら声を上げる。
「図工がどうかしましたか?」
「今日から景色の絵を描くって先生言ってたよね?」
「うん、確か先週で粘土の作品が皆終わったから」
リリィは先週の図工の授業の進み具合を思い出し、補足をする。
「絵だよ! 楽しみだなー……。リリィちゃんは絵、得意?」
「うーん、ちょっと苦手……かな?」
絵を描くことは好きだが、誰かに見せて自慢できる程上手ではない為『苦手』という表現をした。
「そっかー、じゃあ一緒に花音ちゃんに教えてもらわない?」
「花音ちゃんに?」
突然の提案に疑問を一つ。
「そう! とーっても上手なんだよ!」
「教えられるほど上手ではないですよ」
「去年は『しちょうしょう』? っていうのに選ばれたんだよ」
「しっ……市長賞?!」
驚愕。
ついつい声が大きくなってしまい、口を両手で塞ぐ。
「たまたま上手に描けただけですよ」
「すごいね花音ちゃん……是非、教えてください」
「私も!」
「教えられるかどうかはわかりませんが、一緒に描きましょう」
「うんっ!」
「賞が取れるなんて……絵も習ってるの?」
率直な疑問を投げた。
「いいえ、兄に教えてもらって」
「お兄さんがいるんだ? どんなお兄さんなの?」
「リリィちゃん――」
「――優しい兄です……もう会えません」
花音の焦がれる想いを宿した笑みがリリィの心に強く焼き付いた。
チャイムが鳴り響き、児童達は各々の席に着いた。
何か聞いてはいけないことを聞いてしまったのだろうか?
そう言った思考がリリィの頭の中を埋め、不安が顔に現れた。
それを見た花音は静かに覚悟を決める。
昼食も過ぎ、五時間目の図工の授業が始まった。
今日はどんな風景を描くのか、下書きを含め考える時間であった。
「リリィちゃんは何を書くの?」
「うーん……好きな風景……お家の光景にしようかなー。花音ちゃんは?」
「兄の部屋です」
憂いの表情。
花音の瞳には教室の光景は映らず、どこか遠くが映っていた。
「あのっ……花音ちゃんのお兄さんって」
「リリィちゃんには紹介したことはなかったですよね。今度紹介しますね」
「は、はい。楽しみです」
もう会えない。
そう言っていたこととの矛盾を感じつつも、リリィはそう答えることしかできなかった。
咲菜はそのふたりを見ながらただ黙ることしかできなかった。
下校の時間になり、児童達は明日から始まる週末の二連休、どこで遊ぼうか、何をして遊ぼうかと相談しながら家路に就いていた。
そんな中、リリィは今晩の食事会について考えていた。
どういった話題をしようか、何を着て行こうか。
考えを纏めつつ、杠葉家に到着した。
玄関の鍵を開け、深呼吸。
「……ただいま」
誰もいない家に向かい小さく呟く。
恥ずかしい。いいや、照れだろう。
次はもっと自然に言えるようになりたいと思っている。
と、そんなことを考えつつ急いで支度を始める。
十一月も終わりに近付き、肌寒くなったことを考えトレンチコートを取り出した。
「よしっ」
勇気を振り絞り、翔太を迎えに行く。
小学生にとっては高校という場所は、とても緊張する場所なのだ。
そして、その後の食事会はもっと緊張する場所なのである。
こんにちは。
下野枯葉です。
えぇ、実は……このお話、後から投稿してるんですよ。
びっくり。
十八話の冒頭で書いたことを書いてないなーって。
うん。
忘れてた。
今回は話すネタがありません。
おしまい!!!
それじゃあ、今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。




