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PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
決別編
25/121

十七話 ロリコンの新たな舞台

 こんにちは。

 杠葉翔太です。

 あれから………………。

 …………。

 伏せていいですよね? え? 言った方がいい?

 ……。

 リリィと婚約してから一カ月。

 杠葉家での生活も新しくなり、毎日が楽しくなった。

 ……でもアパートでの生活も楽しかったな。

 くそう、契約解除さえなければ……。

 まぁしょうがないですよね。

 よし、じゃあ久しぶりに行きますか!


 では!

 十七話……始まります!




 放課後になり、部室のカギを開けた俺は、いつも通り部活の準備を始めた。

 その途中で部室の扉は開かれた。

 芽衣? いや、柊花か?

 そう思い振り返ると先日引退した先輩がいた。

「二千翔先輩は悲しいなぁ……ねぇ、ゆず君?」

 腕を組み、俺を見上げるのは羽衣石二千翔ういしにちか先輩。

 見上げられた。

 身長が一四三cmしかない先輩。

 長い髪が一つに纏められ、腰のあたりまで伸びている。

 因みに、前部長だ。

「はぁ」

 突然の来訪と共に試されるような質問を投げられ、曖昧に返す。

「ロリコンならそうと言ってくれればいいのに」

 羽衣石先輩もロリコンの噂を聞きつけてやってきたのか。

 俺はただ金髪幼女と婚約しただけでロリコンじゃない(って言わないとマズイ)!

「いや――」

「――こんなにも可愛い幼女の先輩がいるんだぞ! 手を出さないのか?」

「……」

 あー……自分で幼女って言っちゃったよ。

 自信満々に手を出せと言う。

「ほらほら、なんでもしちゃうぞ? 触っていいんだぞ? ほら?」

 身体を何度も捻りながら、視線を飛ばし続ける。

「あ、なんか痴女っぽい」

「なっ……えぇぇぇぇっ!」

 赤面。

 口をパクパクと動かし、体の動きを止める。

 変わらない。

 引退する前からこういった下卑た言葉に弱い。

「それで御用件は?」

 一通りからかい終えた俺は来訪の理由を聞いた。

「三送会だよ! 手伝いに来たのよ! このスーパー美少女がいれば百人力、千人力、万馬券だよ!」

 自信満々の宣言。

「いやダメでしょ、送られる人が送るイベント考えちゃ」

 突っ込みどころ満載の宣言であったが核に触れ、指摘する。

「ゆず君……天才」

 驚き……最早、狼狽……膝を震わせている。

 この世の心理を知ってしまった……といった表情で俺を崇め始めた。

「羽衣石先輩……本当に内定貰えたんですか?」

 こんな状況の人ではあるが、九月の時点で就職先から内定を貰っているのです。

 雇う会社は大変なんだろうな。

「あっ、信じてないな! 私だって――」

 腰に手を当て、怒り始めようとした刹那。

「――何してる二千翔」

 男子生徒が入ってきた。

「ひゃっ!」

「どこまで纏まったんだ?」

 低い声。

 聞いたことのある声が部室に響く。

「紫雲!」

「あ……天国先輩! 何故ここへ」

 入ってきたのは天国紫雲あまくにしうん先輩。前副部長だ。

 平均を大きく超えた身長に、世事抜きのイケメン。

 羽衣石先輩との舞台は俺が最も惹かれたと言っても過言ではない。

「二千翔だけじゃ心配だろう? それとロリコンを見に来た」

「生憎ここにロリコンはいませんよ」

「それじゃあ、近状報告してみようか」

「婚約しました」

「誰とだい?」

「金髪幼女」

「QED」

「あれっ? 俺、ロリコンじゃん」

 頭を抱え、状況判断。

 どうしようもないことを再確認し、笑うことしかできなかった。

 天国先輩は久方振りの部活の雰囲気を噛み締め、満足そうに何度も頷いた。

「良い自己紹介だった。さて三送会の準備をしよう」

 両手を広げ、その場にいる全員を導くように振る舞う。

「先輩、その台詞は部長である俺の……」

 立場を奪われた俺は悲しく手を伸ばす。

「それはそうと、メンバーの集まりが悪いな?」

「集まりが悪いも何も、まだ集合まで十分もありますから……そろそろ柊花が」

「翔太君に呼ばれ馳せ参じた」

 噂をすれば何とやら。

 柊花は部室内の状況を判断し、見得を切った。

 天国先輩と俺は瞬時にアイコンタクトをし、エチュードを開始する。

「よくぞ来た! ならば先輩を打倒せよ!」

 右手を大きく前に出し、天国先輩を睨みながら命令を一つ。

「甘いっ!」

 堪らず天国先輩は叫んだ。

「なっ!」

「星奈は手の内だ」

 肩を震わせながらの下衆な笑み。

「翔太君、すまない。私は……君の敵だ!」

 申し訳なさそうに天国先輩の近くへ寄った柊花は苦悶の表情と共に強く拳を握った。

「三対一……だとっ! ギリギリ勝て……いいや、無理だ!」

 絶体絶命。

 片膝を付き、思考を繰り返す。

 何度も何度も首を振り突破法を導こうとする。

「四対一よ!」

 その刹那。

 突然現れた者が声を上げる。

「芽衣?!」

 救世主は存在しなかった。

 敵は増え、四方を囲まれる。

 如何なる将軍でさえこの状況を打破することは不可能だ。

「本当の絶望を与えてくれよう」

 彼の独裁者を想起させるプレッシャー。

「ぐぬぬ……」

 指一本動かせない絶望と恐怖……真に迫るそれは流石としか言いようがない。

「…………んー」

 そこで劇団は羽衣石先輩に注目した。

 顎に手を当て、唸る。

「あれ? 二千翔先輩、静かですね」

 いつもなら奇跡を司る救世主として現れ、舞台を一変させる役を担っていたはずだ。

 それを不思議に思った芽衣は周りに確認するように尋ねた。

「いや、とーちゃんが変わったなーって」

 とーちゃん。

 羽衣石先輩は柊花のことをそう呼ぶ。

「だから、とーちゃんは……」

 柊花はその音が『父』を呼ぶ際のものと酷似していることから、呼ばれる度に渋い表情を浮かべる。

「とーちゃんが可愛くなった!」

「その呼び方はやっぱり」

「どうしたのさとーちゃん、ねぇ? ねぇねぇ?」

「二千翔先輩……ちょっと……」

 グイグイと柊花に詰め寄るがその途中で宙に浮いた。

 天国先輩が後ろから抱え持ち上げたのだ。

「全員揃ったなら始めようか」

「ちょっとー! 紫雲! 離してよー!」

 そうだ。

 そうだそうだ。

 少し前まではこれが当たり前の光景だったのだ。

 部長である羽衣石先輩ではなく、天国先輩が仕切る。

 何とも懐かしい光景だ。

「それで三送会は何をする気だったんだ?」

 一通り羽衣石先輩を振り回し、お手玉のように投げ、髪型が崩れるまで撫で回した天国先輩は、満足そうに椅子に座らせて、髪型を丁寧に直した後にそんなことを聞いてきた。

「先生に去年のことを聞いて、まぁ例年通りお菓子パーティーをしようかと」

 柊花に目配せしながら状況を説明。

「「面白くない」」

 羽衣石先輩は不服そうに口を尖らせながら、天国先輩は呆れたように肩を落としながら呟く。

「そんなこと言われましても」

 視線を逸らしながら芽衣が一言。

「別れを惜しんで、新たな門出を祝う的な会ですから……面白さを求められるとは、此れ如何に」

「私は三人の演技が見たーい!」

「俺も見たいな」

 ふたりの先輩からの熱い要望。

「えぇー……」

 つい最近脚本を書き、一つの劇を終えた俺にとって少々面倒な要望であった為、渋い声を出した。

「台本書くから……」

 羽衣石先輩は一度俯き、肩を震わせつ俺を見上げた。

 涙が目に溜まり守って上げたくなるようなそんな表情。

 この手を伸ばして……この腕で包んで……。

「いや、書いたから」

 一転。

 片方の頬だけを上げ、笑みを浮かべる。

 流石の演技力であった。

「書いてもらったのなら……やるしか?」

 感服と敬意を抱きながら、芽衣は部員にアイコンタクト。

「やるぞぉぉぉ!」

 受け取った俺は一笑。

 拳を突き上げ、部員を鼓舞する。

 まさかまさかの劇決定。

 この短期間でやることになるとは……。


 いいや、やるしかない!


こんにちは、下野枯葉です。


この時世、外出ができず引きこもっています。

元々、引きこもり気質だった私にとって別に問題は無いですけどねー。

ただ、あれですよね。

外に誰もいないと外に出たくなりますよね?

わかりますよね?

わかりませんか?


さて、今回はロリコンの新しい舞台です。

この題って何も知らずに聞くとアレですよね。

ロリコンのその先、犯罪へと……。

おっとこれ以上は。

まぁ、このまま翔太君にはロリコンのその先、罪を犯さない程度に極めてほしいですね!

いいや! 極めさせてあげよう!


あれれ……本題に入れないぞ。

しょうがない。

ロリコンが新しいメンバーで舞台を作る。

そして金髪幼女との生活を楽しむ。

そんなムッフフな物語!!!


疲れた。



では今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。

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