十二・五話 金髪幼女はあの日の決意を取り戻す
数年前の話です。
あれは幼稚園生の運動会でしょうか? それとも小学生の時の授業参観だったでしょうか?
その両方でした。
いえ、それ以外の全てもそうでした。
私、リリィ・ロペスの十年にも満たない人生は少しだけ歪でした。
あの時も、あの時も。
周りの皆は両親、事情があれば祖父母や親戚がそばにいるのです。
でも私の隣には……それがなかったのです。
いつもいるのはクリスだけ。
クリスはとても優しく、気を遣ってくれます。
その優しさはとても嬉しくて、嬉しくて……。
…………。
でも、お母様が良かった……。
そんな心の叫び声は聞こえることなく、私は生きてきたのです。
だから、お母様の顔を……思い出せないのです。
「お嬢様。外出なさいませんか?」
土曜日の昼過ぎ。
クリスがリリィにそう声をかけた。
「外出……ですか? 一体どこへ?」
「お嬢様のお気に入りの場所です」
「私のお気に入りの場所?」
そう言われた本人は何一つ思い当たる節がない。
「きっと喜んでくださいますよ」
疑問を抱えながらもリリィはクリスの用意した車に乗り込んだ。
いつもの変わらない街並み。
この街で新しい生活が始まり、希望も増えるのだと期待していた。
翔太との出会いが――
「――この道は?」
クリスの得意げな笑み。
窓の外の景色にリリィは息を呑む。
知っている。
知っているとも。
忘れるはずがない。
あの日、ネコを追いかけていた。
呼ばれた気がした。
本屋の前にいたネコが私を呼んだ。
走った。
走って走った。
右に曲がり、ネコは――
――公園に入った。
ネコは私を一瞥し、木に登り声を出した。
「……助けなきゃ」
違う。
ネコの身体能力なら自分で降りられるだろう。
でも、
私は助けを求められた気がした。
違う。
寂しい気持ちを紛らわすために、そう思い込んだのだ。
だって、
それに縋らないと私は酷く一人だから。
「クリス……私っ! 私はっ!」
感情が込み上げる。
「私は一人になりたくないっ! 一人は嫌だよ!」
辛い。
一人が辛い。
孤独は嫌いだから。
「……翔太さんに会いたい」
小さな声を聞いたクリスは、安心した。
「では、賭けをしましょう」
覚悟を決めたクリスは、久しく感じたことのなかった高揚感を噛み締めていた。
「賭け?」
「えぇ、翔太様に全てを告げ、任せるのです」
リリィはクリスの言葉を理解し、停車した車から降りる。
公園の中央にある大きな木の下で、考えを巡らせる。
そう、あの日の一目惚れの時のように。
こんにちは、下野枯葉です。
アニメを見ていたら、漫画まで購入し、休日を潰していて
……あぁ、オタクなのかなぁ? と思っている下野枯葉です。
今回の裏のお話はこのお話を書こうと思った時から、書きたかったお話です。
まぁ、厳密にはその為の準備なんですけどね。
このワクワクを読んでくださっている皆さんに伝えられているでしょうか?
多分、文章が下手過ぎて伝えられていないのでは……。
うん、次回で勢いで駆け抜けて伝えていきたいなぁ。
ちょっとリアルが忙しいので、早足になりそうです。
では、
今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。




