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PRIDE or BRIDE  作者: 下野枯葉
選択編
13/121

九話 ロリコンの瞳は舞台の少女を捉える

 どうもこんにちは、星奈柊花です。

 先日芽衣と一緒に山城通りを歩いていたら、部長に会いました。

 正確には、部長と金髪の女の子でした。

 跪いて手を取る部長の姿は、劇のワンシーンみたいでした。

 でも公衆の面前では……。

 それに、一緒に暮らしていました。

 事情を聴いて驚きましたが、そっと見守ってあげたいと思います。

 部長は悪い人じゃないから。


 そういえば、部長の雰囲気が変わったところでしたね。

 きっと部長は、翔太君は私達を導いてくれます。

 だって、私が変わるきっかけをくれた人だから。


 では、九話始まります。




「ちょっと翔太、台詞が違うわよ」

 芽衣が台本との違いに対し、文句を言った。

 スマホを置き、紙とペンを取り出す。

 咄嗟に取り出したため赤ペンであったが気にしてなどいられない。

 書け、書け!

 描けっ!

「部長?」

 柊花は俺が赤ペンで文字を書いているのを見て、疑問を膨らませる。

「リリィ、キーボードお願い」

「はいっ!」

 俺はスマホの画面をメモに切り替え、リリィの持ってきたキーボードを接続する。

 メモを乱雑に机の上に広げる。

 しかし、順番は守り、絶対に入れたい台詞、情景は丸で囲う。

「芽衣、体育館の舞台の奥行きはどのくらい?」

「えーっと、三間半はあったはず」

 一間は一八〇㎝程である。

 体育館のステージはそこそこに大きいため、奥行きも重要になる。

「間口は四間半でいいだろ……緞帳は両脇からだよね?」

「うん」

 緞帳。

 舞台の最前の幕……カーテンのようなものだ。

 この開閉によって劇の開始と終わりに動くものである。

 まぁ、緞帳を開けずに始まる劇もあるんだけどね。

「ホリは使わず大黒幕だな。ピンスポットは二本?」

「えーっと、多分?」

 顎に手を当て一度唸った芽衣は首を傾げながらそう言った。

「ううん、四本だよ」

 柊花がすかさず訂正を入れる。

「サス」

 サスペンションライト。

 舞台の上についているライト。

 舞台の明るさを調整してくれるものと考えてよいだろう。

「二本、上手下手中央に二個ずつライト。それと蛍光灯が三本ついてるよ」

「調光卓は下手?」

「そう、二階にある。音響卓も同じ場所」

 調光卓はライトの明るさを調整する場所である。

 音響卓は音バージョンと考えればよい。

「音響も、か……使うのは難しいな」

 舞台設備に関して質問をしながら、俺は台本を書き進める。

 登場人物は一人だけ。

 柊花の持つ個性を最大限に生かし、真っ暗な舞台に華を咲かせる。

 一度、柊花に視線を送る。

 柊花と目が合う。不思議そうに俺を見た柊花は優しく笑った。

「柊花、それだ」

「え?」

「その笑顔だ。最後にシーンはそれだ」

「……わかった」

 台本が纏まる。

 このまま作れる。

 俺達の劇を。

「……翔太さん、すごい」

 リリィの呟き。

「そうだよね、翔太はこれがあるから」

「芽衣さん?」

「見てるといいよ、翔太の作る劇を」

 芽衣とリリィは何やら会話をしている。

 気にはなるが、今は台本だ。

 スマホは文書アプリが開かれて、文字が並ぶ。

 台詞の一つ一つにイメージを乗せて、確実に流れを守る。

 数十分キーボードの叩く音が響く。

 誰もが静かにそれを見ている。


「……できた」


 囁いた言葉は全員の耳に届き、歓喜の声を漏れさせた。

「翔太、お疲れ様! これで本格的に動けるわ!」

「お疲れ様。部長、私、これから頑張るから」

「あぁ、頼んだよ。俺も芽衣も全力でサポートするからさ」

「ありがとう」

「翔太さん、お疲れ様です」

 リリィは緑茶を淹れ直してくれた。

「悪いね、リリィ。暇だったよな?」

「いいえ、なんだか圧倒されました。翔太さんの真剣な姿はとてもカッコよかったです」

「おう、ありがと」

 そんなこんなで、完成した台本を保存し、次回の部活で製本することになった。

 芽衣と柊花は帰宅し、家にはリリィと俺の二人になった。

「なんだか騒がしかったなぁ」

「ふふっ、とても楽しかったです」

「あぁ、これから頑張らないとだな。リリィも暇だったら見に来てくれよ」

「……学校祭、ですか?」

「うん、一般公開の日にやるからさ。クリスさんと来てもいいし」

「……はい、行けたら行きますね」

 リリィの笑顔は脳に焼き付いて離れない。

 悲しそうな笑顔だ。




 その三日後、リリィは母親と暮らすことになり、俺は一人になった。


こんにちは、下野枯葉です。


先週はリアル事情で投稿できませんでした。

本当にリアルはクソくらえですね。


さて、今回のお話では翔太の世界を再び皆さんにも見ていただきます。

そして、急展開を以って次話に続かせるというものです。

やっとゴールが見えたなぁと思っています。

因みに、次から裏のお話を書いていくのでお楽しみに。


うん。

アニメ見たいので後書きはこんなもんでいいかな。

今期は豊作です。


では、

今回はこの辺で。




最後に、

金髪幼女は最強です。

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