七話 ロリコンの幸福と試練
こんにちは!
リリィ・ロペスです!
えへへ、慣れてきました。
ついさっきまでお買い物をしていました。
翔太さんのおかげで、沢山買うことができて大助かりです。
……。
弱気なことを言ってしまいました。
家を離れ、この生活に慣れてきて……弱い自分は絶対に見せたくなかったのに。
翔太さんにはどう映っていたのでしょうか?
忘れていただけると嬉しいのですが。
えっと、七話始まります!
大量の買い物を終え、帰宅した俺とリリィ。
冷蔵庫が久しぶりに満タンになった今、一緒にお昼ご飯を食べていた。
「どこか行きたいところはある?」
しっかりと味付けのされたチキンライスにふわふわに焼かれた卵が乗せられたオムライス。
お昼にしては少々豪華ではと思ってしまう程、手の込んだ料理だ。
「そうですね……近所の山城通りに行ってみたいです」
少々の思索の後、リリィの口からその言葉が出た。
山城通り。
東西に一キロ強伸びる商店街。
数十年前は老若男女問わず訪れた商店街であった。
しかし数年後、店々はその営みを終えシャッター街へと姿を変えた。
今は、ファッションショップやファストフード店、ゲームセンター等が建ち並び、若者を中心に人気の通りとなっている。
「何でまたそんなところに?」
「一度……行ってみたかったんです」
「ふーん、オッケーわかった。行ってみるか」
財布の中にある現金の量を思い出し、どういったルートで通りを巡るかを考えた俺は、綺麗に完食したオムライスの皿を台所へもっていくのであった。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
笑顔で答えたリリィも皿を持ち、洗い物を始めた。
ふと、その後姿を見た。
呆然と見つめた。
とても……とても安心した。
山城通り、西端。
白いTシャツに水色のシャツ、チノパンと言った無難な格好で外へ出た。
平凡。
平々凡々。
リリィもセーラー服を模したワンピースを着ていた。
だが、素材がいいのだろう。
若者が集うこの状況で一際目立っていた。
なんだろう。
ドキドキする。
「翔太さん? どうかなさいましたか?」
「大したことではないんだけどね……リリィの隣にいると、俺でいいのかなって」
「……」
「いや、なんでもないさ……行こうか」
「……はい」
身に余る幸福なのだろう。
神が与えてくれたのだ。
感謝するしかないだろう。
この気持ちを忘れないようにと、自分に念を押し商店街に入る。
そういえば、久しくここには来ていなかったな。
以前来た時とは装飾も大きく変わっていた。
「「ほぉー……」」
二人揃って感嘆の声を漏らした。
「おぉん!?」
俺は反射的に声を荒げた。
とある広告が目に入ったのだ。
「どうかしましたか?」
「いいい、いやっ! なんでもないさぁ!」
動揺している。
隠せ、隠せ、隠せ。
広告から目を離そうとするが、引き寄せられる。
「翔太さん……アレですか?」
俺の視線の先にあるものを、リリィは認識する。
『すみ☆ロリ』アニメ化決定!
「……なんっ…………だとっ!」
新生活が始まり、すみ☆ロリに関する情報……最早、ラノベ、漫画、アニメに関する情報は完全に遮断していた。
その結果がこの事態だ。
「ビッグウェーブに……乗り遅れたっ!」
声を堪えることはできない。
もう、隠せねぇよぉ!
「あの……」
心配そうに顔を覗き込んだリリィ。
話すしかあるまい。
「リリィに隠していたことがある」
「……えっ」
「俺は……オタクなんだ。キモイと罵るか? あの『すみ☆ロリ』が俺のバイブルだ」
全てを打ち明ける。
これで関係は悪化するか、終わるだろう。
あぁ。
楽しかった。
オタクという存在は淘汰されがちであり、反社会的である……なんて偏見を持たれてしまうこともあるのだ。
実際に、中学生時代ではそんな風に見られていた。
だから隠していた。
高校生になってから多少そう言った目は少なくなり、隠すこともしなくなっていた。
だけど。
リリィには隠したかった。
そんな目で見られたくないんだ。
嫌だ。
軽蔑されたくない。
そこいらの有象無象に笑われるのは構わない。
でも、リリィにそんなことはされたくない。
「罵りなんてしません。オタクだから嫌いになるなんて、そんな可笑しな話はありません」
当然のようにそう言ったリリィは、そっと右手を伸ばす。
「……神か」
小さな右手、白く眩しい右腕。
触れれば壊れてしまいそう。
握れば折れてしまいそう。
しかし、この手を取らないなんてできない。
「私は、翔太さんが好きなんです」
その笑顔をずっと見ていたい。
「あぁ、俺も好きだ」
絶対に離さないように、手を取る。
この手は離さない。
甘美な時間は長く長く引き伸ばされた。
二人は強く強く結ばれる。
「愛し――」
リリィが強く唇を引き結び、俺の言葉を受け入れようとした。
その刹那。
「――部長」
聞いたことのある声が耳に届いた。
「ふへ?」
素っ頓狂な声が出た。
「翔太、最高ね!」
振り向いた先には見慣れた二人がいた。
柊花と芽衣だ。
俺は金髪幼女(婚約済み)の手を取り、愛を告げようとしていた。
「なん……で?」
私服姿の二人。
常識的に考えればただ買い物を楽しんでいただけだろう。
「言い訳くらい聞いて差し上げようじゃないか? えぇ?」
芽衣の威圧的な言葉。
涙が……零れそうだ。
問題は次から次へと襲ってくる。
逃げられない。
神は幸福のみを与えるのではない。
試練だって与えるんだ。
皆さんこんにちは、
下野枯葉です。
最近のマイブームがお風呂でゆっくりすることに更新されました。
どうでもいいですね。
今回のお話は、ロリコンの幸福を描き、
乗り越えるべき試練を与えてみました。
まぁ、そんな大層なものを描けているかなんて不安でしかないですけどね!
そろそろ、一つの結末に向けて話が纏まってきました。
しかし、時間がなくて困っています。
オラに時間を分けてくれぇ!
皆に平等に与えられてるので、そんな傲慢なことは言えないですけど……。
書きたい。
翔太のかっこいいシーンを。
書きたい。
リリィの可愛い!!! シーンを。
焦らずゆっくり書いていきたいと思います。
お付き合いいただければと思います。
では、今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。




