八十五話 金髪美少女は愉快に揺れる
『グスタフ』
宮代翔太の遺したこの物語は雲のお話。
雲を自在に動かす少年と、それを知る少女のお話。
それ即ち好きな時に天気を操り、天気を理由に逃げて生きてきたということ。
運動が嫌いだからと体育祭の日を雨にして。
傘を忘れたからと晴れにして。
そんな我儘なことをし続けるお話。
しかし、少女がそれを止めようと動き、涙を流しながら青い青い空を睨み付ける。
「――桂。ここはどうして……」
「アンナ。あのさ……そろそろ帰らない?」
部活が終わり、校門前でアンナは桂に質問をしていた。
主にグスタフのことだが、劇についても真剣に聞いていた。
しかも一時間前からだ。
七時を回り、疲れが見えてきた桂はそう切り出した。
「あら? 何か用事でもあるの?」
「ないけど……立ち話が疲れてきた」
「それじゃあ歩くわよ」
堪え性がない。と、眉間にシワを寄せ考えたアンナは溜め息を一つ。
そして、帰路に就いた。
「ん? どこに?」
桂は追いかけながら行き先を尋ねる。
背中だけを見ながら、背中だけを追いかける。
「私の家に行くわよ」
立ち止まり、半身だけ振り返ったアンナはしっかりと瞳を瞳で捉えた。
雲に遮られることのない月光がアンナを照らす。
妖艶。
桂は一度唾を飲み込み、深呼吸をした。
惹かれてしまい、言葉が見当たらない。
否定することを体が、脳が許さない。
「はい」
短く肯定し、背中を追う。
「立つのが嫌なら座ればいいでしょう?」
そう言って再び歩き始めたアンナを夜風が撫でて金色の髪が揺れる。
口角を上げて嬉しそうな表情を浮かべたアンナは少しだけ足取りが軽やかになっていた。
桂が家に来る。
それだけでアンナは嬉しくて嬉しくて堪らないのだ。
こんにちは、
下野枯葉です。
さて。
リアルの事情で体がバキバキな私ですが、書くのはできたので書いていきます。
今回はあまり長くありません。続きをここに合わせようかなとも思ったんですが……。
この続きが結構長いし、濃い内容なので分けることにしました。
さぁ、次回をお楽しみに。
では、
今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。




