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砂の時人 ー 天使の涙   【エピローグ0ー2】

川村万梨阿さんの、『鉄砲と花』から浮かんだ、『マリア』または、『鉄砲と花』の、シリーズです。

 マリアは、亡くなりました。 

が、まだ、いいたい。と、言うので、再出演をしていただきました。

第1話で、亡くなった、マリアですが、川村万梨阿さんの、唄が、心人間残って、マリアの、世界を作りました。何故、戦争をするのか?人と人々が戦うのか?みんなが思っていることを、自分なりに考えて答えたものです。

   マリア第2章

   砂の時人(たびびと)



(プァ。)

息が出来なかったのか?

大きく咳込んだ。

目が覚めた。

生きている事を確かめるように、息をする。

(目が覚めた?マリア。)

(doctorサカキ。 doctor二ーナ。 doctorコリーンは?)

(ここよ。マリア。)

近づく。

回りを見る、マリア。

(みなさん……良かった。無事で。)

泣きだす、マリア。

(私、夢を見たの。撃たれた、夢を。)

(みなさん。撃たれた私を、守ってくれた。)

(私。叫んだの! 逃げて!)

みんな、黙ってマリアの話を聞いている。

マリアの喜ぶ姿を見て、タメ息をついた。

顔を見合せ、誰が言うか。

doctorコリーンが。

(マリア。夢でないよ。後、見てごらん。)

マリアは、死んでいる、マリアを見て、黙った。

(死んだんだ…私……)

(みなさんの夢。壊して、ごめんなさい。)

誰も、声が出なかった。

マリアは、こんな子だと……。

(ここ、いいかな?)

集まって来る、人々。

若い人が、銃を取ろうとしている。

掴めない。

(やめて!)

マリアが若者をとめた。

(敵だぞ!マリアを殺した敵だぞ!)

(わかっている。)

(でも、この人達も殺されたの。)

(私達が、殺したの。)

沈黙が… 続いた。

(しかし、マリアを殺した。)

心の叫びをあげた……若者。

ひざまついた、マリア。

若者の手を取って。

(殺された私がおねがいするの。)

泣き崩れる、人々。

(すまない。)

すわる、人、人。

「死んだか!」 

作戦が成功して喜ぶ、軍人。

それを見つめる、兵士。

(あいつが指揮官だ。)

ジュンが、立ちあがった。

「それ、誰のこと?」

多くの死者の中のひとりを言う、指揮官にたずねた。

指揮官を見ている、兵士……達。

「知らないのか?」

「マリアだ!『鉄砲と花』を歌った。」

「まだ、子供じゃないですか!」

「明日、我国を離れるんだ。」

「外国で歌われたら、国としてまずいからな。恥じだろう。」

「でも、まだ、子供だぜ。」

「だから、なんだ。あんな反戦歌、歌う奴は、売国奴だ。」

言って、マリアに、ツバを吐いた。

身体が、動いた。走って、銃床で殴る! ジュン。

止める、仲間達。

倒れて、怒り狂う指揮官。

多くの銃口が、指揮官を狙っている。

「なにが、反戦歌だ!」

「少女が、平和を、戦いのない明日を望んで、歌った、小さな、小さな……。」

女の兵士が、水筒の水を、スカーフにしみこませて、マリアの顔を拭いている。

「ごめん…。ごめんなさい…。」

それを、息を引き取る兵士が見ていた。

涙が流れる。

「マリア。」

と、言った。

しかし、出なかった。

「マリアは、戦うことを知らない子供だぜ。」

ジョーが。

「銃より花を取った。平和を願った、子供だぜ。」

「その、マリアを守る為、こんなに多くの人が、命を張って戦ったのよ!」

ジュンが、言った。

「俺達は、傭兵だ。カネさえもらえたら、どんな仕事でもする。」

「でも、この中には、強制できた者もいるらしいな。」

ジョーが。

「ねぇ、指揮官。あんたを守る為の人って、あんたの為に死んでくれる人って、何人いる。」

ジュンは、マリアを見て。

「マリアは、多くの人、人々に愛されたのね。」

指揮官も、目を向けた。

歩きだす、ジュン。

それに続く、仲間達。

あわてて追いかける、指揮官と、政府軍の、隊長、部下たち。(ごめん。ごめんなさい。)

座り込んだ、マリア。

(私がいたから。)

おばさんが、マリアを抱いた。


  鉄砲 もつ人と

  花 もつひとの   

  願いは同じ 

  平和の明日 


(ダメだ。マリアみたいに、歌えんわ。)

おばさんが。

赤くなって。

あちらこちらで、笑いが生まれた。

マリアも、笑う。

(ほら、さっき泣いていた子が、笑っている。)

(マリア。あんたには、笑った顔が似合うよ。)

大きなお腹に、顔を埋めて、涙をこすり付けた。

そして、顔を見て、笑った。

(元気になったね。)

おばさんが言った。

みんなを見て。

(マリア!マリア!)

言う、おばさん。

(マリア!マリア!)

(マリア!マリア!)

多くの人がいてマリアを呼ぶ。

敵も、味方も、一緒に。

マリアを、ステージに上げた。


  鉄砲 もつ人と

  花 もつひとの

  願いは同じ

  平和の 明日


「マリアが、歌っている。」

ジュンが、言った。

他の人には、風の音、砂の音しか聞こえない。

「姉貴。花屋がある。」

女主人は、死んでいた。

「この花、もらうね。」

ジュンは、カウンターに、金を置くと、引き返した。

「俺も。」

「私も。」

「僕も。」

………花が無くなった。

マリア達の所に走ってきた、ジュン。

ジョーをはじめ、仲間がきた。

「姉貴。マリアに。」

「マリアと仲間達に。」

「この花も。」

「これも。」

マリアの死を悼むように。

マリアを守って、戦った人々に讃えるように花が置かれた。


(すこい!)

(これだけ、マリアを愛する人がいるんだ。)

(マリアの歌に、夢を、希望を、願いを。)


「戦い終わったら、みんなで、会いにいこうって…。」

ジュンが、マリアの手を握りしめた。

「言ってたんだ……。」

「ごめんなさい。約束。守れなくて………。」

マリアは、ジュンの手に手を重ねた。

(ありがとう……。)

ジュンを抱いた、マリア。


(いい歌だ。)

(俺達の心に響く歌だ。)

(寝ている者を起こす歌だ。)

周りを見渡す、マリア達。

人、人、人だった。

doctorが、一歩前に出た。

(私は、doctorコリーン。あなた達は?)

女の人が、近いた。

マリアの知らない言葉で、話をしている。

しかし、話は理解できた。

(私は、リーダ。)

(ラクダで、旅する、商人だった。)

(私は。)

指さす。

(ラクダで旅して、月が丸い時から丸い時までかかる地で、生まれた。)

ロープを、フードをしている。

(俺は、ラムハダ。)

(この地で生まれた。大きい河を見て、育つた。)

回りを見た、マリア、doctor二ーナの服を引っ張った。

(どうしたの? マリア。)

マリアが見ている。

(スゴい、人だ。)

マリアを、守った人々や、戦った人達が、見ている。

数多くの人々が、マリア達の回りにいる。

黒い肌の人や、白い人。赤い人。

服も、さまざまで、白い服の人、ハデな服の人。迷彩服の人が。数多くの人達が、色んなんな服を着ている。

(こんなに多くの人、どこにいたの?)

(ここに。ここで、死んで、砂に埋もれた。)

言う人が。遠い大空を見ている。

(国に帰ることもできずに、ここで眠った、人、人、人だ。)

老人が。哀しみの顔で、話をした。

(なぜ? ここで…。)

マリアが聞いた。

ラムハダで、口をきった。

(私の父の、その父。その前の、父から、この地で住んでいた。)(父の父の話では、昔は、木が多かった。)

(私には、多くの兄弟がいた。父は石工で、兄弟は、父の仕事を見て、教わった。

(生まれた時は、水がたくさんあって、魚を捕って、米を、野菜を作った。)

(多くの人々が、来ては、旅だった。)

(そして、この地に、いる人も、いた。)

(多くの時が流れた。)

みんなは、ラムハダの話を聞いている。

(人が増えて、俺の生まれた時は、多くの人々が、住んでいた。)


(妻が、来た。子供たちが生まれた。)

(しあわせな日が、続いた。)

(その日も、俺は、石の塔で、働いた。)

(大風が来て、地響が。砂の悪魔が来たと、誰かが、叫んだ。)(石の塔に、響いた。)

(私達は、塔の奥に、逃げた。)

(石が崩れ、多くの仲間が、死んだ。)

(生きている、俺達は、塔を出た。)

(石の塔は壊れて、住んでいた家は、砂の中に。)

(仲間は、歩いて、河を捜しに歩いて行った。)

(俺は、立てなかった。立つことができなかった。)

(この下に、俺の妻が、子供たちが、いると……。)

(砂が、俺の上を、走った。)


(私は。)

リーダが話を。

(ラクダをつかって、村から村に、町へ街に、都市に旅をしていた。)

(子供の時から、旅をしていた。親や、大人のすることを見て、学んだ。)

(旅をするうちに、金が溜まり、ラクダを持つことが、できた。)(何頭ものラクダをもって、キャラバンの隊長のひとつを、任されるように、なった。)

(旅は、楽しかった。)

(でも、病に倒れた。)

(街のdoctorに、見てもらった。)

(旅を止めろと。)

(しかし、私から、ラクダを取り上げたら、なにも残らない。)(旅を続けた。)

(クスリを買うために、ラクダを1頭、また1頭と、手離したが、ダメだった。)

(金もなくなり、私は、この地に埋めらた。)

(旅の仲間は、帰りに、私を捜してくれたが、見えなかった。)(私を置いて、旅に出た。)


(そんな、哀しすぎます。)

マリアが。

(いいさ。キャラバンの掟だ。)

(私も、多くの仲間を、そうして来た。)

(仲間には、捜してくれたことに感謝している。)

リーダは、空を見た。


(私は、カルパス。メシア教、聖戦士団の、百人隊長をしていた。)

(私達は、生まれた時から、メシア教で、天上の父上の教えがすべてだ! 正しい。 と教わった。)

(天上の父上の教えをひろめる為に、多くの聖戦士が、この地に降り立った。)

(聖牧師は、教会から派遣された、牧師達は、この地の神を、邪神だと、言って、地の神を信じる者は、邪神を信じる者として、その者共を殺し、村を、街を、壊して、金品を略奪して、メシア様に、差し出した。)

マリアが声をあげた。

doctorコリーンが、止める。

横の兵士達が、

(我々も、している。)

マリアは、その人達を見た。

マリアを守った人達を。

(それが聖義だと、聖戦だと、牧師は、聖牧師は、教えてくれた。)

(邪神の戦士は、いつも遠くから、見ていた。)

(戦いを挑んだが、逃げた。)

(村についても、町に着いても、町人はいなくて、食べものは、隊長に、牧師に、とられた。)

(我々、聖戦士団は、体力も、気力も、無くなって、戦士が倒れた頃、地の神の怒りが、襲った。)

(空は、暗黒に成り、稲妻が、多く走り、大地が、叫んで、砂が、我々を、食べた。)

カルパスは、震えて言った。

(地の神が去った後、戦士団はいなかった。)

(牧師のひとりが、震えている。)

(神の怒りだと。)

(神は、ひとりだけだと、牧師に詰めよる者もいたが、牧師は、話もできなかった。)

(数百人いた、聖戦士団は、数人に、なった。)

(牧師が、おかしくなるのも、解った。)

(夜、砂の民が、来て、食べ物と、水を、くれた。)

(翌朝、砂の民は、砂船で、聖牧師団の本陣近くまで、送ってくれた。)

(もう、来るな! と言って。)

(しかし、聖牧師団牧師は、私達が、牧師を、戦士団を、置き去りにしたと、言って、死刑になった。)

人々は、言葉を失った。


doctorサカキは、doctor二ーナ、村長、大学の先生達と、話している。

他の人は、人が、話しをしている。

(もう、いいジャン。)

言う、若者。

(お前も、俺も、明日は、こないだせ。)

言う、人が。

(聞いてあげなよ。昨日の話を。生きていた、証を。)

nurseが、若者の横に座った。

泣き声が、若者から。

(戦い、終ったら、結婚するつもりだったんだ!)

(今だけだよ。優しくするのは。)

言う、nurse。

nurseは、空を見て、涙を。

(あの人と、子供たちに、何て言おう。)

言った、地球軍の、NGO の女の人。

抱きつく、NGO の人。

(言わなくていいよ。)

(もう…。言えないし。)

哀しみのなかで、言う、人が。


話をしている、doctorコリーンの服を引っ張った、マリアは。(リーダさんのことだけど。)

と、doctorコリーンを引っ張ってリーダの所に。

(リーダさん。なんで、月が、丸い時から丸い時まで?と、言ったの。)

マリアの好奇心に、火が着いた。

doctorコリーンは、学校の先生は、大人達は、マリアの、なぜが、始まった。と、思った。

笑う、doctor二ーナ。doctorサカキ。村長。

(じゃ、教えて。doctor二ーナ。)

怒って言う、マリア。

(それは。なぜ?)

doctorサカキを見た。

(えっ、俺?)

みんなが、doctorサカキを、見ている。

(なぜ、当たり前のことを聞くの。)

リーダが、言った。

リーダの話にうなずいた、多くの人々。

首を傾けて、言う、マリア。

(そうなの? 先生。距離はメートル。時間は、24時間。一年は365日だよね。)

先生が、doctorコリーンを見た。

(マリア。それが決まったのは、200年から、300年前よ。)

(この地が、地球地区に書かれたのも、この星が、丸いのも、300年から、400年前に、解ったことなんだ。)

(リーダさんは、昔の話をしてくれたの。)

(昔の、リーダさんの生まれた時代の表し方で、教えてくれたの。)

リーダの手を握って。

(本当?)

うなずいた、リーダ。

(そんなに前からいたんだ。ひとりで!)

リーダに抱きついた、マリア。

リーダは、doctorコリーンを見た。

笑う、doctorコリーン。

リーダから、離れない、マリア。

みんなが、マリアを見ている。

太陽が、昇った。

(これから、どうなるの?)

doctor二ーナに聞いた、マリア。

doctorコリーンは、トラックの前の、身体から、離れない。doctorサカキが、ついている。

(結婚前だったのに。)

doctor二ーナが。

マリアが、リーダが、多くの人々が、見ている。

マリアを掴まえた、nurseのお姉さん達。

(ふたりにしてあげて。)

マリアを揺らしながら、言った、お姉さん。

何年もいて、後、何月で、交代の人々がくることになっていた、NGO のお兄さん。お姉さん。

砂の向こうを見ている。


ヘリコプターが飛んで来た。

編隊を組んで。

砂を巻き上げて、シープも何台も、走ってくる。

ヘリのカメラが、シープのモニターに、映し出された。

「なんと言うことだ!」

「子供や女しかいないキャンプを。」

言う人達。

燃え尽きた、テント。死者が。

「トラックを、呼んでくれ。」

言う人も。

(あれはなんだ?)

聞く人々。

(ヘリコプターだ。)

(ヘリコプター?)

(そう、ヘリコプター。あれが、シープ。)

(人や物を、多く運ぶために、人が作った。)

ヘリからロープが落とされた。 

ロープをつかって、人々が降りて来た。

「マリアさんを探せ!」

走り回る、地球軍の兵士達。

(危ない!)

手で、顔を被う人々や、踏んばる人々が。

人々は走り回る兵士に、ぶつかって、……、倒れなかった。

すり抜ける兵士達。

見えてない。

マリアに手を置いた、doctorコリーン。

(私達、死んだのね。)

doctorの涙が。

走り回る、人々。

テレビ局の人達もいる。

マリアが話をして、マリアを撮った、人も。

多くの人を確認する、地球軍のdoctor。

「どうした?」

nurseに聞く、doctorが。

焼けたトラックの処にある、死体を見た。

「doctorコリーンです。」

言うnurse。

手を組んだ、doctorコリーン。

「おい!」

呼ぶ声が。

「花屋の花が、全部無くなっている。」

言う、地球軍の兵士が。

「この、コインの山は?」

カメラが回っている。

「いた!」

みんなが、集まる。

亡くなった人々をすり抜けて。

マリアのいる処に。

「なんと言うことだ。」

マリアにさわろうとする人が。

「まって!触らないで!」

「カメラで撮って。」

「おい、死者を冒涜する行為だそ!」

マリアも、doctor達も、キャンプの人々も、砂に眠る人々も、集まって来た。

「私は、こんな美しい、死者を見たことはない。」

テレビ局のアナウンサーが、女の人が、泣きながら言った。

「私が、責任を執ります。」

「だから、カメラを回して。マリアを、撮って、おねがい。」「解った。」

カメラが回った。

「この、テレビを見ている、地球全土の皆様。私達は難民キャンプに来ています。」

デレクターが、ヘリから撮った、難民キャンプを流した。

アナウンサーが、モニターを見ている。

「今日、朝、難民キャンプが襲撃されたとの、情報をもらって、私達は、地球軍と、行動を共に、キャンプに急行しました。」「このキャンプには、子供たちと女の人達が、しかいませんでした。」

デレクターが、マリアのジャケットを、モニターに。

「皆さま、この娘を、覚えていますでしょうか?」

「『鉄砲と花』を歌った、マリアさんです。」

スピーカーから、『鉄砲と花』が、流れた。

多くの兵士が、NGO の人々が、見ている。兵士の人々には、帽子を脱いで、手で持っている。

マリア達も見ている。

「明日、この国を出国して、多くの国で、多くの人達と、話を、会うことが、できるはずでした。」

カメラを見る、アナウンサー。

「しかし、その夢は、永遠に、叶わなくなりました。」

「襲撃で、マリアさんは、亡くなりました。」

マリアの死体を撮る、カメラマン。

「マリアさんを守るために、集まった人々。」

「10歳の少女の為に、多くの夢を、彼女に託す為に、これだけの人々が、マリアさんを守って、マリアさんの為に戦ったのです。」

モニターに、花屋が、映った。

「先ほど、キャップの花屋を見ました。花は全て無くなって、カウンターには、花代が、置かれていました。」

カメラが、ズームインする。

マリアと花を映している。

「マリアさんの顔を、見て下さい。」

「砂埃も血も、拭かれています。」

「キレイな、美しい顔です。」

「マリアさんの回りには、美しい花が、花が、こんなに多く置かれています。」

「このキャンプを襲った、人々も、マリアさんを、愛しているのです。」

「マリアさんの歌を、聞いて、平和を、望んでいるのです。」「……、……。」

アナウンサーが、深く、頭を、下げた。

アナウンサーの、足もと、砂が、ひとつ、ひとつと、水が、落ちていく。


マリアは、アナウンサーの手をとって、(ありがとう。)と。

泣き崩れた、アナウンサー。

「こんな、こんな、映像! 流したくない。」

カメラが、見ている。

カメラをとうして、多くの人々が、テレビの前で。

地球軍の、NGO の人々が、アナウンサーを、見ている。

亡くなった人達も。


マリアが、聞いた。

(なぜ、私達は戦うの?)

人々は、マリアを見た。

(一番、むずかしい質問をする、お嬢さんだ。)

言う人が。

マリアは、赤くなった。

(ご、ご免なさい。)

(いいさ。みんなが、考えていることだ。)

(みんなが、仲良く、平和に、生活したい。暮らしたい。と、思っている。)

大人達が、言った。

(私達が、考えていることを、マリアは、言っただけよ。)

リーダが言った。

カルバスと、牧師が、話し始めた。

(私達は、天上の父上を、天上の母上を、利用したに過ぎない。)(天上の父上より、人間の本当の姿を、見ていなかった。)

(本当の姿?)

(そう、人と人が愛して、交わり、人が生まれると、言うことを。)

マリアは、なぜそんな話をするの? と、顔に出ている。

 (敵になったふたりも、愛して、子供が、生まれる。)

(それじゃ、天上の父上が、悪いの?)

マリアの質問に、人々から笑う声が。

(イヤ。天上の父上。母上の教えは、正しい。)

(天上の父上の、母上の教えを、私達、人が都合のいい方に、書きかえたんだ。)

(神はひとりで、天上の父上、母上こそが、唯一無二の、神であると。)

(土地神、けもの神は、邪神だと、神の国を作るのに。 と、教会は、教えた。)

(私達は、私達には、天上の父上が、守ってくれる。)

(私は、傷つかない。死なない。)

(天上の父上の話を、伝え、人々を導くのだと、教えられた。)  

(私達は、土地神を、邪神として、破壊して、信者を殺して、街を攻めて、金品を略奪して、牧師に戦利品を、差し出した。)

(そうすれば、私は、天上の父上に愛されて、傷つかない。死なない。と、教えをもらった。)

(でも、私は死んだ。)

(私達は、死んだ。)

静まりかえる、人。人。時人。時人達。

砂が、音をたてて流れる。 

サラ、サラ、サララ、サラ。多くの時人を、眠りにつけようと、している。

地球軍の兵士達は、NGO の人々は、遺体を、黒い袋に入れて、トラックに運んでいる。

(じゃ、私達は?)

(これから、どうなるの?)

マリアが、聞いた。

(眠りに入るの。)

リーダが、言った。

(じゃ、私達は、もうなにもできないの?)

doctorサカキが、言った。

(そうだな。私達は、見守ることだけかも。)

哀しみの中で、うなずいた、人達。


マリアは、大空を見た。

(鳥が飛んでいる。)

見る、人も、いる。

トラックに遺体を積んでいくのを、見ている人達。

マリアがdoctorコリーンの服を引っ張る。

(どうしたの? マリア。)

(鳥って、羽根、6枚なんだ。)

笑っていう、マリア。

(えっ?)

(バカな!)

鳥を見る人々。太陽で、見えない。

近ずく、鳥。

(えっ!)

(鳥でない。)

(天使だ!)

マリアの前にきた。

(私は、エリカ。)

(マリア。天上の母上の命で、きました。)

エリカは、マリアに手を伸ばした。





今回は、SF 物語です。タイムトラベルです。

タイムトラベラーって、ヒーローが、ヒロインが、時を飛ぶので、話が出ています。 

が、(過去)の人々が、現れて、話をする。 

今、(現代)の人(マリア達)が、いる。でも、明日は、ない、人達。 

マリアを失った人達は?

(未来) マリアを殺せ!と、命令した人。 命令にしたがった、人。マリアに、未来を求めた、人。 『鉄砲と花』『マリア』は、まだ、続きます。  

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