傾国の美女
モノローグ
〜こんなに不安定な価値を支えては
どんなに不確かな傷を嘗めては
こんな果てしのない海が どこに続くのさえ
わからずにいるけど
途切れた昨日と 確かな夢と
何度逸れても きっと言える
こんな足でも歩けないはずはないと
こんな私でも走れないはずはないと
きっと きっと きっと〜
「逃げるな!!!
人生を過大評価するな………
人生は、足しても引いてもゼロにもならなければ、
止まない雨だってある、
苦しい時、厳しい時、悲しい時……
どうしようもないときは、
いくらだって、どこへだって逃げていいんや!!
誰にも見つからないように逃げ続けろ!!
ただ…、 唯一………
お前ができることは、
『今』をかろうじて生きつづけることや!!!
だから……
………だから人生から逃げるな!!!」
そっと目を閉じ微笑むペルセウス。
そこには、一切の不安も焦燥も消え失せている。
「…支離滅裂です……。
……矛盾してます………。
…………意味もわかりません……………。
でも………
……いえ…、だから
私を助けてください!!!」
その瞬間、緑の閃光がティアマトの体を通り抜け、
崩れ落ちる。
「え? 何!?」
誰もの頭に疑問符が浮かぶ。
「フリ△ザ様の技や!!!
あの、指から出るやつ。
ピッてするやつ。 ピッて!」
人差し指を指しながらジェスチャーをしてみせるメデューサ。
「通信教育で習ったんや!!!
ちなみに俺の戦闘力1000兆な!」
「強っ!!!
っていうか名前もわからない技を学ぼうとしないで!!!」
「さぁ!行こう!!
全ての道がローマに続くならローマからの道だってどこへでも繋がるはずや。」
メデューサは、優しくも少し強引にペルセウスの手を取り駆けて行く。
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目を覚ますケフィウス、
目の前には、コンビニ袋が置いてある。
おもむろにコンビニ袋を開けるケフィウス。
その中にはおそらく、
遺書と思われるものがある。
開封するケフィウス。
その筆跡には、見覚えがあった。
見覚えがあるどろこではない、
それは、確かに愛しい愛娘の丸みを帯びた不器用な字だった。
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