2話:妹と自分の力
遅いですけど、あけましておめでとうございます。
まだヤンデレはありません。
んん……。
確か事故にあって俺は死んだ………?
死んで……長い時間、白い空間でずっと漂っていたら、男が何か言って…………!
転生か……という事は今の俺、赤ん坊だったりするのか……?
赤ん坊ってご飯は……母にゅーーーッッ!や、やばい鼻血でそう……。
はっ!こんな事を考えてしまってま悠子が母親を殺してしまう!!煩悩退散煩悩退散。
…………………。
……あれ?そういえば悠子ってどうなったんだろう。最後の記憶は悠子が自殺した場面だ。
悠子め、俺が死んだら自殺するとか言ってたけど、本当に実行するとは……
まぁ、悠子なら天界とやらで大暴れして神達を半殺しにしてから従えて、俺と自分を生き返らせそうだ…………。
…………………。
はははハハハハははハハ……。
もしかして神に俺を転生させるよう命令した、あのお方ってまさか……
ははっ、まさかねぇ、いくら悠子でも神には勝てない……よね?
…………………。
……………。
………。
…。
さて、俺が転生したって事は悠子も転生した可能性もあるし、今は置いておこう。
まずはこの体の事だな。手足が思うように動かないし目も開かない。
と言う事で、まずは目を開ける事から始めようか、、
………。
っ!来た!瞼の筋肉を少し動かす事に成功した。やっぱり自分の体じゃないとやりにくいな………。
眼球に入ってくる光を調整するため瞬を4、5回する。
光源は電球では無く、ふわふわと3メートルくらいの高さに浮かんでいる光の玉。
何かあれ、前に悠子が使っていた超能力、光球みたいだな。
悠子の光球はもっとギンギラギンに輝いていて直視しようものなら網膜が焼けてしまうぐらい光量が多かったけど……。
………。
嗚呼、悠子のおかげでファンタジーの驚きが消えていく………。はぁ。
そして、頭を横に傾けるとそこには金髪の美少女が………。
まだ少し顔がクチャっとしているが、そこにいるのはまぎれもなく美少女だ。
ん~~、この顔、誰かに似てるな。これを黒髪にしたら…………ゆ、悠子だ………。
…………少し外国っぽい顔つきになっているけど、どう見ても悠子だ。
ははっ!いるとは思ったよ?いるとは思ったけどこんな近くにいるとは………。
せめて100メートルくらい離れた場所かな、とか思ったけど………、1メートルの距離にいるとは………、さすが悠子、だな。
そして悠子の顔の美少女、いや美幼女はゆっくりと目を開き、口を開いた。
「おはよう龍一。7日と17時間、32分53秒ぶりだね」
ハイ……………。
「……□□□………あ、あ~~、久しぶり、7日も経っていたんだな。」
話せるようになったようだ。
「うん。転生するまでにかかった時間は3日だけど、生まれてからは4日もたったよ?
龍一お兄ちゃん(•••••)の自我が戻らなかっただけだよ」
…………ちょっとまて、龍一お兄ちゃん?
「龍一お兄ちゃん?」
「うん、そうだよ。双子の兄の龍一と妹の私。だから龍一お兄ちゃん、なの。」
「龍一お兄ちゃん、はやめてくれ。
それにこの体には龍一じゃなくて違う名前があるだろう?その名前で呼び合おう」
「うん、いいよ。だったら龍一はエドガーで、私はクリスティだね」
……エドガー、別に珍しい名前では無いな……。
「って何で名前分かるんだ?」
「書いてあるから」
「書いてある?」
「うん、ステータスに書いてある」
ステータスってあれか?自分の能力とかかいてあるやつ………。さすが異世界、ゲーム仕様だな。
「どうやったらそのステータスは見れるんだ?」
「心の中でステータスって念じれば出て来るよ」
まじか、さすが異世界。
………ステータス……ステータス。
ーーフォン
半透明な板が空中に現れた。さすが異世界。
[名前:エドガー•アルフォント
種族:?????
身分:特平民
年齢:0歳
レベル:1
HP:5428/5428
MP:0/0
スキル:
固有スキル:[重力制御]
種族スキル:[自己回復][?????][????] ]
………HPは多い。MPは……。種族は………俺って未確認生物なの?固有スキルは俺だけのスキルって意味だろうな……[重力制御]か………。種族スキルは[自己回復]と[????]、[????]か。
ハテナ、おおいね。うん。
[重力制御]の文字をずっと見ていたら、ステータスの板の上に新しい板が現れた。
{説明:[重力制御]
自分にかかる重力と触れている物体にかかる重力を制御する。0~∞倍まで。このスキルは魔力無しで発動可能}
魔力が必要なくて良かった。それにしても自分の重力と触れている物体だけか…。
{説明:[自己回復]
自分の回復速度を上昇させる。魔力は必要無し}
ふ~ん。この能力と[重力制御]のスキルなら物理で最強になれるかも知れない。
「なぁ、ゆ、じゃなかったクリスティ。MPって増えるのか?」
「……物を動かす時って速さが0から1の時は、1から2の時より難しいんだよ?」
…………。
「つまり?」
「多分無理。」
………そうですか。
「ところでさ、ゆ、クリスティのステータス見せてよ」
「ん~、今はダメ」
……………。
………っ!悠子が俺のお願いを断った?嘘だろ………。天変地異が訪れるのか?
……来たばっかりだけど異世界、この世界無くなっちゃうかもしれん…………。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。もう少ししたら見せてあげるから」
さいですか。
次回、一気に時が過ぎます。