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殺意病  作者: 神無月 梓
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プロローグA

プロローグA 日記

 いつからかな。

 ある時から自分が自分でなくなったような「違和感」を抱いた。もう、それは、いつかは分からない。その「違和感」が次第に膨れ上がった。

自分の中に今迄では抱かなかったであろう強い「欲」が生まれた。

それはそう、何かしらの病的な何かのせいではないかと思う程に突発的で異常なものだった。

 最初に自分の中に生まれた病的な何かに気づいた時、自分がおかしいことを嘆いた。自分自身に存在するものが他の人間には無い、汚らわしく邪悪なものと自覚していたからだ。

 まだ、「侵食」が進んでない頃は我慢ができたと思う。けれど、時間が経つにつれて、それが強まっていった。我慢が、苦痛だった。耐え難いものだ。けれど、それに対抗する術は存在しなかった。存在しないというのは合法的な行為では対抗できないという意味だ。

 初めは猫とかだった。コンビニで買ったナイフで―

 深夜、家を抜け出し、k公園で捕まえておいたのを殺った。腹から吹き出し、飛び散り、流れ出す鮮血が素晴らしく、美しいとさえ思った。腹以外にも、四肢を切断したりした。

 目の前の『死』への感動の他、自分で生き物を殺めたことへの満足感で興奮がおさまらなかった。

 自身の狂気的な美学が自分を変えた。

我慢することで生じた苦痛は、我慢を止める、つまり、新たに生まれた欲に従うことで晴れた。3、4回欲望の赴くままに、怺えることで耐えられなくなった苦痛に対する処置を繰り返すうちに、ニュースで猫の死体がk公園で見つかったという報道がされた。美しい情景を見ることのできない亡骸は草むらの奥の方に投げたのだけれど。やはり、臭いのせいだろうか。発見される早さが以外で驚いたが、一番驚いたのは、報道されたこと自体に不安や焦りなどを抱かず、冷静でいた事だった。自分が堕ちていることを実感した瞬間であった。

 それからk公園は封鎖された―


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