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偽りの帝国騎士と白雪百合と白雪薔薇の巫女 ―リューティエスランカ帝国建国物語秘話―  作者: 陵 棗
第  章 フリードリヒと消えた白雪百合の行方(フリードリヒ編)

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第   話 お披露目の花飾りと収穫祈願祭の巫女舞



 前話『女神の祠と祭壇』の後書きで予告の『女神の祭壇とお披露目の花飾り』ができましたので新規で投稿します。


 投稿に併せてサブタイトルを『女神の祭壇とお披露目の花飾り』から『お披露目の花飾りと収穫祈願祭の巫女舞』に変更しております。


 ヒルデブラント編、ネタバレしているような……していないような……。


 


 女神の祠――。


 壁が動き出す。

 女神の彫像の周りに白い大輪の花が帯状に広がていく。

 浮く一枚の大きな鏡と花の生けられた花瓶。

 女神に捧げられている花から厳選されたものがそこにある。


『おはにゃしゃん!』


 ローミィが花に向かって駆け出していく。

 張り出した祭壇を突き抜け、笑顔で花に挨拶している。


 女神の彫像から姿を現したのは飾布の精霊たちだ。

 大輪の白い花と青い花が浮く。精霊たちが二振りの花飾りを抱えている。

 遅れて精霊たちが小ぶりの花飾りも抱えてきた。


 精霊たちは祭壇に花飾りを置くとふわふわと舞う。


『女神様からの贈り物です』


 辺境伯令嬢のもとにはまた別の精霊たちが集う。


『お披露目の祝賀式典に参加されるのはお二人でしょうか?』

『はい』


 辺境伯令嬢は精霊たちに応える。

 精霊たちは辺境伯令嬢を祭壇まで呼ぶ。


『見習い巫女として出仕なされたお二方に女神様からの贈り物です。お受け取りくださいませ』


 辺境伯令嬢は祭壇に置かれた花飾りに目を移す。

 大輪の白百合、鈴蘭水仙。小輪の勿忘草など白い花をでまとめられている。


『女神様の加護を承わる祝賀の花飾りをいただき、誠にありがたき幸せに存じます』


 辺境伯令嬢は女神の彫像に向かい、流れるような動きで一礼する。


 辺境伯令嬢の侍女は祭壇に駆け寄る。精霊たちから花飾りの置かれた箱を受け取った。

 辺境伯令嬢のそばまで戻った侍女たちだ。

 辺境伯令嬢は感謝を述べる。


『こちらの花飾りは……?』


 侍女は精霊に声をかける。


『そちらはローミィ様のものです。ローミィ様のものは小ぶりのものも加護付きの花飾りにございます』


 ローミィの花飾りは小さな蕾がたくさんついていた。帯状の飾りが花のようにみえている。


『収穫祈願祭のお礼、奉納された舞の褒美とのことです』


 付き添っていた巫女がローミィを呼ぶ。


『ローミィ様』


 ローミィは声に気づき、精霊たちとともに戻ってきた。


『にゃ〜に?』


 巫女が花飾りの褒美について確認しだす。


『収穫祭での巫女舞。舞を奉納されたとのことですが……』


 ローミィはきょとんとした。


『しゅうきゃく……しゃい……?』

『はい』


 ローミィは思いついた言葉を紡ぐ。


『…………おいちにょ、ちゃくしゃん。ありあと』


 ヒルデブラントが言葉にする。


『美味しい。たくさん、ありがとう』

『くるくる〜?』


 ローミィはその場でくるくると回る。


『確かにそうですね。簡単に収穫祭(エルンテフェスト)収穫祈願祭エルンテゲベーツフェスト。帝室行事の新嘗祭エルンテダンクフェストともいいます』

『ちゃくしゃんありあと』


 ローミィはくるくるとまわっていた。

 ローミィ付きの精霊たちもいっしょに舞う。


『おそらくそばにいた精霊たちやお母様と一緒に舞われたのではないでしょうか?』

『あい』


 ローミィは頷く。

 ヒルデブラントは巫女に祭壇に置かれたままの花飾りを持ってくるように指示を出す。


『ローミィ様。こちらが女神様からのご褒美だそうですよ』


 ローミィは覗き込む。


『おはにゃにょかじゃり』

『そうです。ローミィ様のものですよ』


 ローミィは花飾りをじっと見つめる。


『おはにゃしゃん……。ちしゃいちゅぼみ……』

『ローミィ様。ローミィ様のお父様からお花の咲いた髪飾りはローミィ様には早いと教わりませんでしたか?』


 ローミィは頷く。


『とうしゃま、おはにゃしゃんしゃいてるかじゃり。だーめ。いうにょ〜。おうちのにゃか、いい。でもおしょと。だーめ』

『ローミィ様。お父様のおっしゃる通りです』


 ローミィはきょとんとしていた。











次話は『女神の祠とお披露目の祝賀式典』を予定しております。

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