第 7話 フリードリヒと未開封の絵姿
話数を第6話から第7話に変更しますm(_ _)m。
話数のみ変更で本文の変更はしない予定でしたが、本文の言い回しなど気になる部分がありましたので追加や修正を行い、本文の改稿をしました。
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気になる言い回しや描写の不足があったので、本文に追加をしました。
言い回しやルビを入れる部分を変更追加修正し、本文の改稿をしました。
大きな変更は……ありません。
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前話(第5話)で次は『第6話 フリードリヒと皇子宣下』と予告しておりましたが……σ( ̄∇ ̄;)。
そういえば、フリードリヒが持ち込まれた絵姿を陛下に渡してどうなったのか抜けてたので、第6話として『フリードリヒと未開封の絵姿』追加しました。
第6話のサブタイトルは変更するかもしれません。
少々、言い回しとルビを入れ、改稿しました。
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せっかく辺境伯令嬢の名前を変えたのに愛称が想定していたものになっていない(T▽T)。
辺境伯令嬢の名前を考え直しているうちに名前の愛称問題が勃発(゜゜;)(。。;)。
どうもこちらの令嬢も本編に絡んでくる兆しが出てきたのですΣ(-∀-;)。
名前の愛称絡みで辺境伯令嬢の名前を再度、変更します(T_T)。
今回の変更は辺境伯令嬢の名前だけです!Σ(×_×;)!
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これからの展開に影響が少ない登場人物の名前を一部変更し、少々設定も追加修正することにしました。
併せて本文の言い回しなども見直し、改稿しました。
大きな変更は、たぶん……ありません。
陛下の執務室。
陛下は私室から執務室に向かう。
部屋に入ると机に未処理の箱に書類が届いていた。上にあった書類を手に取り、おもむろに椅子に座る。持っていた書類に目を通していく。引き出しから羽筆を取り出し、幾つかに名を記す。乾くのを待ち、その間に別の書類に目を通す。その後、机の前に置かれた箱に分類を行う。
陛下は書類の箱を手を伸ばす。箱に書類はなく、いったん執務の手を止めた。少し考えると息抜きをしたくなり、立ち上がる。
窓まで歩くと外の景色を眺めた。
外では数人の園丁が手入れを行っている最中のようだ。
しばらくするとこちらに気づいた園丁が仕事を止め、一礼してくる。
陛下はそれに応えた。手を降り、仕事を続けてくれという合図を送る。
扉を叩く音が部屋に響く。
「入れ」
「失礼します。陛下」
宮内尚書と宮内官の二人だ。書類の入った箱を持って入ってくる。
「あぁ。そこに置いててくれるか」
「畏まりました」
宮内尚書は書類の入った箱を机に置かれた空の箱と入れ換えるように置く。宮内官の持っていた箱に書類を積む。
処理されていた書類の箱を取り、宮内官に預ける。
宮内官は書類を持って部屋を退出していった。
陛下はしばしの休憩を終え、執務机に戻る。
「陛下」
「分かった。急ぎの物があるのだろう」
「申し訳ありません」
陛下は持ち込まれたいくつもの書状に目を通していく。引き出しを開け、筆記具を収めた箱を取り出した。羽筆を持ち、指定の場所に署名していく。
処理された書類が次々と積まれていった。
宮内尚書は書類を受け取り、部屋を退出する。
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再び、扉を叩く音が響く。
陛下は手を止め、書類を置いた。
「失礼いたします」
扉が開き、侍従長が入室する。
「陛下、お忙しいところ申し訳ありません」
陛下は顔を上げ、侍従長を見た。
「あぁ、侍従長。そういえば、フリードリヒが来ているそうだな」
「はい。陛下のお力をお借りしたいそうです」
「分かった。通せ」
陛下は立ち上がり、応接組が置かれた長脚卓と長椅子に向かう。
侍従長は一度退出し、フリードリヒと二人の護衛騎士を通す。
護衛騎士が持っていた絵姿を侍従長に差し出す。
フリードリヒは入り口に立つ。
陛下はフリードリヒに座るように促す。
「フリードリヒ。座りなさい」
「はい」
「相談というのは、絵姿のことだな」
「……はい」
フリードリヒは頷く。促されるように陛下の前にある長椅子に座った。
侍従長は絵姿を陛下に渡す。
「フリードリヒ。この絵姿は誰だ?」
フリードリヒは困惑する。
「父、いえ。……陛下。開封せずに持ち込むようにとの仰せでしたから、どなたのものかは存じません」
「そうだったな」
フリードリヒはしばし、沈黙し続ける。
「あの……、開封したほうが良かったのでしょうか?」
「いや、これからも開封しないようにしなさい」
「はい」
フリードリヒは頷いた。
陛下はフリードリヒに告げ、侍従長を呼ぶ。
「侍従長。この絵姿が誰のものか、分かるか?」
「陛下、そちらの絵姿をお借りします」
侍従長は絵姿の家紋と添付されていた釣書を出す。
「陛下。絵姿と釣書にある家紋はグランツフェルト辺境伯家のものです」
陛下は釣書と絵姿に同封されていた家紋に目を向ける。
「確かにグランツフェルト辺境伯家のものだな」
侍従長は続けた。
「同封されていた釣書にはグランツフェルト辺境伯の第一子で長女、イルミーナ・ヴァレンティーネ嬢とあります。辺境伯令嬢は母君であるグランツフェルト辺境伯夫人ゾフィー・ツェツィーリアの類いまれなる容姿を受け継いでいると評判です」
陛下は釣書を受け取り、告げる。
「グランツフェルト辺境伯夫人と云えば、今も社交界を賑わせ続けているあの……”麗しのツェツィーリア”だな」
「左様にございます。陛下」
陛下は釣書に記された名に目を止める。
「それにグランツフェルト辺境伯令嬢は来年のお披露目の招待客、お一人です」
陛下は釣書を眺める。
「お披露目ということは、八十歳以上な訳だな」
「左様にございます」
陛下はしばらく考え込む。
「侍従長。辺境伯令嬢はノルデンフェルト辺境伯の第一子で長男のアルブレヒト・ウルリヒと婚約しているはずではなかったか?」
「ノルデンフェルト辺境伯の爵位を継承する従属称号″ノルデンブルク伯爵″の所持者で、黒鷲騎士団所属の帝国騎士ですね」
「そうだ。縁談が持ち上がり、両家が合意したことで婚約が整ったと届け出を受理した記憶があるのだが……、気のせいだったかね」
「確かに。至急、婚約証書を確認して参ります」
侍従長は退出していった。
陛下は腕を組み、深く息を吐く。
「フリードリヒ」
「なんでしょう」
「今回持ち込まれた絵姿の令嬢には、すでに婚約者がいる。二人の婚約に異議は無かろう」
「はい、それは勿論です。異議を唱えることも、二人の邪魔をするつもりもありません」
フリードリヒは即答する。
「陛下。何かの手違いでこちらに送られて来たのでしょうから、そちらの絵姿は辺境伯家に差し戻してください」
「フリードリヒ。それで良いのか?」
「はい。辺境伯家の令息殿から、決闘を申し込まれても困ります。私にはまだ対応する術がありません」
「……そうだな」
陛下とフリードリヒの二人は沈黙している。
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侍従長は婚約証書の控えを持ち、戻って来ると告げた。
「陛下。確かに二人の名が記された書類が受理されておりました」
侍従長は婚約証書の控えを陛下に渡す。
陛下は絵姿と釣書を侍従長に戻す。
「とりあえずだ。フリードリヒに送られて来たグランツフェルト辺境伯令嬢の絵姿のことをノルデンフェルト辺境伯へ伝える必要はないだろう。余計な波風を立てることもなかろう」
「御意」
「ただ、それとなく……両家に婚約を白紙にしたいのか、継続する方向で考えているのかの確認を取って今後の対応とるように頼む」
「御意」
侍従長は下がろうとした。
「あぁ、侍従長。グランツフェルト辺境伯に絵姿の件が送り違いではないと言うなら、伝言だ。第一皇子であるフリードリヒの齢はまだ五十歳。周囲よりもだいぶ見た目が幼く、皇子宣下も終えていない」
フリードリヒは陛下の言葉に目を見開いた。
「最低でも五十年だ。この期間は長くなることはあっても、短くなることはない――。と告げてほしい」
「畏まりました」
侍従長は宮内省で貴族の結婚や相続などを管理する総秩寮の長、総秩寮長を呼ぶ。
突然呼び出され執務室に通された総秩寮長は驚きつつ、侍従長に声をかける。
「侍従長。何か粗相でもございましたか?」
侍従長は一礼する。
「貴殿を読んだのは侍従長ではなく、朕だ」
「へ、陛下?」
総秩寮長は驚きを隠せない。
「忙しいところすまないが、確認したいことがある」
「どのようなことでございますか?」
総秩寮長に一巻の絵姿を出す。
「グランツフェルト辺境伯令嬢とノルデンフェルト辺境伯令息の婚約後、何か騒動となるような噂を聞いていないか?」
「グランツフェルト辺境伯令嬢とノルデンフェルト辺境伯令息にございますか……」
総秩寮長は聞こえてきた幾つかの案件を思い浮かべた。
「そちらの方々に関しまして、婚約を継続しがたい問題となるような騒動やそういった噂話などは上がってきておりません」
「そうか。……やはり手違いだったか」
陛下はため息を吐く。
「何か問題でもございましたか?」
「グランツフェルト辺境伯家から辺境伯令嬢の絵姿が第一皇子に送られて来た。婚約者がいるにも関わらずにな」
「確かにそちらは問題ですね。絵姿と釣書はこちらで回収いたしましょう」
「頼む」
陛下は絵姿と釣書を侍従長に渡す。
侍従長は総秩寮長に預けた。
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陛下は椅子に座りつつ、腕を組む。
「……第一皇子付きの宮務官が皇子妃について、どうも独断暴走を続けているようだな」
陛下は沈黙し、話を続けた。
「侍従長、宮内尚書、総秩寮長。第一皇子の皇子妃についてだ」
「陛下。第一皇子の皇子妃についてですが、陛下の勅命とあらば……、それなりの対応をせねばなりません」
声を発したのは総秩寮長だ。
「第一皇子の皇子妃について……、絵姿を受け付けるのも選考を始めるのも、皇子がもう少し成長してからだ」
「へ、陛下? なぜです」
「フリードリヒがいろいろと経験を積みたいと申すのでな……」
「経験ですか?」
「あぁ。皇子妃を迎えるに辺り、フリードリヒ自身が力不足と感じているようだ」
陛下は話を続ける。
「今後、第一皇子フリードリヒ宛に届く絵姿で婚約者が決まっている令嬢のものは受け付けず、そのまま各家に差し戻して欲しい」
「婚約者のいる者は皇子妃について話を進めず、各位家に差し戻すということでしょうか?」
「そうだ。すでに婚約者のいる令嬢を第一皇子の皇子妃候補者にさせる訳にもいかぬだろう。こちらの都合で問題を作るな」
「……左様にございますね」
総秩寮長と宮内尚書は頷く。
「婚約者など相手が決まっていない令嬢の絵姿は持ってきた第一皇子付きの宮務官や婚期を迎えた貴族の令息に絵姿を薦めるよう手配しておいてくれ」
「御意」
「併せて、絵姿を持ち込んだ宮務官は次の人事で移動だ。もう一度、通達を出すように」
侍従長と宮内尚書と総秩寮長の三人は陛下の指示を受け、実行した。
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その日を境にフリードリヒに絵姿を持ち込む宮務官は急激に少なくなった。
それでも果敢に数人の宮務官が第一皇子に絵姿を持ち込む。
今だ持ち込まれる絵姿にうんざりしたフリードリヒは宮務官が絵姿を開封するよう仕向け、その場面にヒルデブラントとシュライエルマイヤーといった数人の護衛騎士を立ち合わせる。
数日後には陛下と上層部が動く。
捕縛されていた宮務官は薄暗い懲罰坊から、陛下の謁見の間に引き出された。
謁見の間には先客がいる。
絵姿を持ち込むよう依頼した貴族がその場で崩れ落ちたまま、呆然としていた。
宮務官の父親は呆然としている。
問題の宮務官が揃ったところで、総秩寮長から改めて絵姿の令嬢と宮務官の縁談を陛下の勅命が下りる。
それはある意味、拒否権のない命令だった。
勅命で断れない縁談を勧められることを知った他の宮務官は騒然とする。
数日後に行われた人事異動で、絵姿を持ち込んだ宮務官が他部署に移動となった。
貴族の依頼を受けて、第一皇子に絵姿を薦めようとしていた多くの宮務官は絵姿を持ち込むことを断っていく。
次は第2章(章タイトル未定)となる予定です。
第8話【追加】
『グランツフェルト辺境伯家と皇子妃選考の絵姿釣書』
(新規追加予定/第7話で登場した辺境伯家の事情)
第9話【追加】
『グランツフェルト辺境伯家と取り下げた絵姿釣書』
(新規追加予定/取り違えた絵姿釣書の行方)
なお、第7話として投稿していた話は、新たに第3章に振り分け、第15話となる予定です。
第3章 フリードリヒと皇子宣下 (章タイトルは暫定)
第7話 → 第15話
『フリードリヒが公爵に贈った誕生祝いと花言葉が持つ意味』
(話数変更のみ/本文に変更なし)
第8話 → 第16話
『ローゼンシュタイン公爵と家紋の花、女神の意向』
(話数変更のみ/本文に変更なし)
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第7話、第8話ともサブタイトルを変更して投稿済みです。
なお、第7話のサブタイトルは『フリードリヒが公爵に贈った誕生祝いと花言葉が持つ意味』。
第8話は『ローゼンシュタイン公爵と家紋の花、女神の意向』ですm(_ _)m。
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※第7話、第8話とも投稿済みです。
改稿にあたり……。
そういえば、『フロイライン』という言葉を入れたかったことを唐突に思い出したのです(>_<)。
現実世界では……(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)
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た、たぶん……次こそ
『第 7話 フリードリヒと皇子宣下』
『第 8話 フリードリヒとローゼンシュタイン公爵』
(二つとも作成中)となる予定です。
ただ、あくまでも予定で……
話数とサブタイトルは変更になるかもしれません。