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偽りの帝国騎士と白雪百合と白雪薔薇の巫女 ―リューティエスランカ帝国建国物語秘話―  作者: 陵 棗
第四章 第一皇子フリードリヒと皇子宣下の儀式(フリードリヒ編)

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第 10話 陛下への謁見願いと拝謁伺い

 一度、見直したはずのなのに……(゜゜;)(。。;)。

 中途半端な怪が残ってた( ノД`)…


 文章の中途半端な部分の追加修正に併せて、本文を若干見直し、言い回しなどを変更して細かな修正を加え改稿しました。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 第9話の後書きで予告した第10話は『ローゼンシュタイン公爵と陛下』でしたが、……その前に……増えましたσ( ̄∇ ̄;)。


 第10話として『陛下への謁見願いと拝謁伺い』を割り込み投稿しました。


ルビ、ルビが……。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 本文に余計な字を見つけたので、それを削除しました。

 併せて本文を見直し、言い回しなどを変更して細かな修正を加え改稿しました。

 本文に大きな変更はありません。

 


 宣下の間エルクレールングザールで行われた全ての式辞が終わった。


 陛下は(きびす)を返し、奥にある扉から廊下に出る。その足で控えの間に移動した。


 置いてある椅子に座り、侍従長(オーバーカマーヘル)を待つ。


 しばらくすると扉が開く。侍従長が幾つかの書状を抱えている。


陛下ザイン・マイェステート

「何だ?」

「遅くなりましたが、ローゼンシュタイン公爵(ヘルツォーク)より正式な謁見願いが届いております。その他に、(ダス・アムト・)デス・カイザーライヒェン(・ハウスハルツ)から宮内尚書オーバーホーフマイスターのヒューレンベルク宮中伯(プファルツグラーフ)。ブランデンフェルト辺境伯(マルクグラーフ)を含め数家の高位貴族より内々の拝謁(はいえつ)伺いが届いており、お会いしますか?」

「理由は分かるか」


 陛下は侍従長が持つ書状に目を止めた。

 侍従長はそれぞれに目を通し、読み上げていく。


「宮内尚書のヒューレンベルク宮中伯はフリードリヒ殿下の皇子妃について、皇子妃託宣の儀式を早急に行いたいと申し出ております」

「あぁ、然るべき時期に行うよう予定を組んでほしい」

「畏まりました」


 侍従長はヒューレンベルク宮中伯(プファルツグラーフ)の拝謁伺いに皇子妃託宣の儀と書き込み、控えていた侍従に渡す。

 次の拝謁伺いを出す。


「次は拝謁伺いの筆頭に名を連ねているブランデンフェルト辺境伯と高位貴族の奏上内容はフリードリヒ殿下の皇子妃についてですね」

「すまないが、ブランデンフェルト辺境伯を含めた貴族たちの拝謁伺いは却下だ」


 陛下は即答した。


「全て却下にございますか?」


 侍従長は正面を向き、確認する。

 陛下はしばしの間、黙した。


「聞かずとも、答えは出ている」

「陛下?」


 再び、沈黙が訪れる。侍従長も静かに待つ。



 陛下はおもむろに話を続けていく。


辺境伯(マルクグラーフ)以下高位貴族たちは自分の娘を皇子妃に()したい――――。と、いうことだろう……」


 陛下はため息を()き、さらに繋げる。


「侍従長。今後、同様のことを考えておる者からの拝謁伺いや謁見願いはすべて却下だ」


 侍従長は驚き、陛下を見た。


「陛下。それはなぜです?」

「侍従長、それはだな……。持ち込まれた絵姿の件だ」


 陛下は一連の騒動を話題に出す。


「この間、宮務官が皇子妃選考の話が始まってもいないうちに息子(フリードリヒ)に強引に持ち込んだことがあっただろうう」


 侍従長は半年ほど前に起きたことを思い出した。


「確かにそういったことがございましたね」

息子(フリードリヒ)は数巻の絵姿を持ち込まれただけで、拒否反応を示していた。おそらくだが、しばらくは素直に受け入れることはないと思う」


 陛下は腕を組み、座り直す。しばらくの間、静かに考え込む。

 侍従長も同じく静観した。



 しばらくすると陛下は深く息を吸い、おもむろに告げる。


「我が国。国内だけではなく、他国との関係も幸いのこと安定している。急ぎ無理をして、皇子妃を決める必要はない」

「陛下。宮内尚書にも補足しておきます」

「そうしてくれ」


 侍従長は持っていた書状にひとまず、却下と書き入れる。

 陛下は侍従長に告げた。


「残っているのは謁見願いの公爵だったな」

「はい。ローゼンシュタイン公爵はフリードリヒ殿下に付いて、少々お耳に入れたいことがあるそうです」

「あぁ、分かった。息子(フリードリヒ)の話というなら、聞こうではないか」


 侍従長は改めて問う。


「陛下。ローゼンシュタイン公爵には問答無用でお会いになるようですが、そちらでよろしいのでしょうか?」

「侍従長。公爵の用件はおそらく皇子妃とは別だと思うぞ……」

「陛下!」


 陛下は侍従長を見据え、告げる。


「侍従長。公爵には息子の皇子妃となりうる孫娘がいる。その二人はまだ幼いという。そのような年齢の者に皇子妃教育や大公妃教育を強いる訳にもいくまい」


 陛下は侍従長を諭していく。


「陛下。左様でございますが、フリードリヒ殿下の皇子妃はいずれはロイヒテンフェルゼン大公妃となるお方です。充分に吟味する必要がございます」

「わかっておる……」


 陛下は再び、沈黙した。


「侍従長。ローゼンシュタイン公爵家から皇子妃について打診すらない理由がそれだよ」

「左様でございますか?」


 陛下は侍従長を見据えたまま、話を続ける。


「公爵家では今後生まれてくる予定の者がいる。公爵から誕生したという報がなければ、どちらであるかはまだ分からない」

「陛下。誕生後に公爵家が動くこともあるわけですか?」


「侍従長! 公爵家が仮に皇子妃を出したいと考えているなら、皇子妃について受け付けるという正式な通達がおりてから正規な手続きを通してくるはずだ」

「確かにそうですね」


 侍従長は納得した。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 陛下は思い出したように告げる。


「あぁ、そうだ。宮内尚書のヒューレンベルク宮中伯には、明後日以降に息子(フリードリヒ)の皇子妃を調整するよう告げてほしい」

「畏まりました」


 侍従長は一礼する。


「それと謁見願いを許可したローゼンシュタイン公爵を謁見の間(アウディエンツザール)ではなく、()()に呼んでほしい」

「そちらも承りました」

「私は先に戻る」

「御意」


 陛下は護衛騎士を連れ、住居区域に向かう。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 侍従長は陛下を見送り、宮内省に移動した。

 先に宮内省に戻っていた宮内尚書ヒューレンベルク宮中伯の尚書室を訪ね、陛下のお言葉を伝える。

 その足でローゼンシュタイン公爵を迎えに行った。


 第11話は『ローゼンシュタイン公爵の謁見願いと陛下の贈り物』として投稿済みです。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 次こそ、第11話は『ローゼンシュタイン公爵と陛下』の予定です。


 ただ、サブタイトルは変更することがあります。

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