2回目の旅行(思い出)
今、僕たちの目の前にいるのは、数日経った上で野生の本能により、5歳児くらいの身体になった僕たちより、かなり小さいが腹周りはでっぷりとし、四肢だけはムキムキで頭はツルツルのドワーフだった。
問題は、ウザいだけか・・・・。
「おい!チャン!その釣竿どうしたんだ?」
「なんや?誰や?喋り方的に中田氏かぁ?」
「そうだぞ!こっちの世界じゃセイヤだけどな・・・・。」
「なんで源氏名になっとんねん!ウケるわ~」ケラケラ
「うるせぇ!好きで源氏名、名乗ってねぇよ!」ゴンッ
そしてあいつは、中田氏の鉄拳により埋葬された・・・・よし!帰るか!
「よし!墓でもたてて帰るか!」
「生きとるわボケ!埋葬すな!てか自分、がまもんやろ?てか、2人ともなんで向こうのときよりイケメンやねん、異世界ハーレムでもする気か?腹立つわ~」
そういえば、こいつだけ僕のことをがまもんって呼んでたな・・・・。
そっくりそのまま返したい、腹立つわ~
「てか、チャンこっちでの名前は何なの?」
「チャンやけど?めんどいし」
「なるほど~てか、自分で決めれたの?」
「いや、決めれへんよ!親父に名乗ったら認められただけや!」
「そんなことは、どうでも良いんだよ!チャン!釣りしようぜ!釣竿は持ってんだろ?」
「まてまて、竿とリールと針は親父が作れたねん・・・・糸だけが無理やねん!」
「じゃあ、糸やるから行こうぜ!目指せ大物!」
「なんであるんや?エルフは糸作れるんか?」
「いや、コルが持ってんだよ!まあ、今なら俺も作れるがな!」
「なんや、がまもんこっちでは、コルって名乗っとるんか?」
「まあね、今は王国を作ってるから、コル・コルドレンって名乗ってるけどね・・・・。」
「がまもんが王さまやって!?じゃあ、後ろの美女達は、がまもんの嫁やとでも言うんか?」
「えっと・・・・」
「一人だけ俺の嫁だが、後は全員コルの嫁だぜ!」
「なんでや!異世界で、イケメンになってハーレムとか主人公かい!中田氏も中田氏で、純愛系の生産チートって、完璧やんか!なんで、ワイにはエエこと起こらんねん・・・・」
なんかそう言われたら、かわいそうに思えてきたな・・・・と言うか、そろそろこいつとの思い出も回想しとくか・・・・
#無理矢理な回想
こいつとの出会いは、初めは保育園だけど、この時も他の園児の誰よりも、先生に目をつけられている問題児だった・・・・この頃からけっこうウザかったな・・・・。
とりあえず、話は飛ぶけど・・・・バスで再会したあの日から、中田氏とチャンは自分の店までバスで行くようになった。まあ、他の人もけっこうな人数自分の店まで行くようになったんだけどね・・・・そういえば、他の人もあの日乗ってたなぁ・・・・飲み会メンバーはたぶんみんな転生してるだろうなぁ
話はそれたけど、チャンはとりあえず大阪の料理屋で、中華料理の修行をしていたけど、自分の指を飛ばすと言うミスをして、何とか繋がったけど余りにも大惨事だったために、店を辞めてこちらに帰って来たらしい。
らしいと言うのは、僕がまだその時は、帰って無かったから人から聞いた話なので分からないからだ。
そして、ちょうどその時に商店街では、不景気が続いていて、商店街を盛り上げようと中田氏や井上さん(飲み屋の店主)が、人のいない店を買い取りテナント店として色々な店を入れようとしている時期だったらしい、そこにやってきたのがチャンだった・・・・
こいつは、すこし不真面目だけど、中華の腕は一人前だったので、嬉々として中華料理屋を開いたらしいが、初めは売りの料理が普通すぎて、後から来たチェーン店などに客を取られ大変だったと聞いた・・・・僕が帰って来たときは、魚が釣れたときだけ開く、豪快な魚料理の隠れた名店になってたけどね・・・・。
釣りについては、中田氏からやろうと言われてやったらしいが、今では一番の釣り好きはこいつだと言えるほどだった・・・・店の稼ぎは釣りに行くしね・・・・。
そんな訳で、僕は昼休みの間こいつの店の魚を釣らされる事になったんだけど・・・・まあ、店に行ったらただで料理を出してくれる契約は結んだし、ある意味Win-Winなんだけどね。
と言う訳で、釣り仲間であり、飲み仲間はたまた、ゲーム仲間でもあるちょっとウザいやつがチャンだな!
そういえば、良いとこもあるなぁ、ただ飯を出してくれる上に、チャンの店では僕らの祝い事を盛大に店を貸しきりにしてやらせてくれる事が多かった・・・・井上さんの店も交代交代だったけど、こいつの店の時は、中華なので一皿の半端じゃない魚料理が出される。
そういえば、ジウちゃんの誕生日買いは、ファンも集め(ファンだけ有料)、盛大に祝う事で有名な店だったなぁ
そんなこんなで、祭り好きではあるので意外とセコくは無いから意外と人が集まるやつではある、そんなやつだな!終わり!
とか、無理矢理思い出していたら、あいつらは釣りに出掛けていた。
はぁ、まあ良いか・・・・好きにさせとこう。
そう思っていると、僕に渋い声のドワーフが、話しかけてきた・・・・
「おう!坊主、倅の知り合いか?」
とりあえず、このおじさんがチャンの親父さんらしい・・・・鍛冶の事とかは親父さんに聞いてみるか!
そう思い、僕は親父さんと話し始めるのだった。
かみんぐすーん




