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16話 決戦の約束

ここかよ、パーティー会場」


 時間は経ち、夜。

 天翔とアイリスら三人は、フレデリカが指定してきたパーティー会場にやってきていた。

 ──パレ・ロワイヤル。ルーヴル美術館のすぐ北側に存在する建物であり、ルイ13世の頃の建物であり、また革命が始まった場所でもある。歴史的建造物でパーティーとは、フレデリカも中々乙な事をするものである。


「わ、私、こんなところに入ったことない……」

「朱里、大丈夫ですよ。私達は主賓ではなく、ゲストなのですから。ね、アイリス」

「え、う、うん、そうだけど……」


 ライトアップされ、幻想的な風景を醸し出す今宵のパーティー会場に、フィーネを除く二人がたじたじ、あるいは緊張気味である。しかも、アイリスは今回の主賓のようなものだから緊張の度合いが異常だろう。今まで日陰にいたからこそ、このような事には慣れていない。


「アイリス。大丈夫だ、心配するな。今回の主役は……まあ、アイリスよりもあっちだろうしな」

「へ……?」


 天翔の指さす先に居るのは──一人の少女。

 儚げな、今にも手折れてしまいそうな、そんな印象を抱かせる淡い青色のドレスに、物憂げな顔。首に巻くには深紅のネックレスだ。おおよそ、この会場の全ての視線を独り占めして止まないその少女は天翔、否、殆どの人間が知っている魔術師。

 アリア・ノビス・システリア。円卓会議第四席ベディヴィアの席に座るシステリア家の次期当主だ。


「まず、間違いなくあいつが主賓だろうよ。……期待度が、半端ねえからな」


 他にもいるだろう。円卓会議第六席ウィロール家の子息や、フランス側のもう一人の代表も。この中で最も期待されず、また場違いであるのはアイリスだけだ。


「綺麗……ですね」


 そのアイリスは──ただ、見惚れていた。アリアという少女の出す不思議な雰囲気に、呑まれていると言っても過言ではあるまい。もしくは、ただ単純に敗北感を味わっているだけか。


「気にすんな……アイリスも、負けてないさ」


「え……えっ!? そ、それはどういうっ」


「……さあ、なんだろうな。たぶん、意味が違うだろうから何も言わないでおくよ。ほら、さっさと会場行った。こんなとこで立ち止まってても変な印象受けるだけだ。あと、フィーネと朱里はアイリスから離れるな。一応、俺からも離れないでほしいんだが……俺はいるかもしれないやつから逃げなきゃいけないし」


 だが──既に遅かった。そう、天翔はもっと早くに気づくべきだったのである。あの女性の執着に。

 そう、一瞬だった。天翔が気づくよりも早く、天翔の腕に絡みつく何かがあった。


「あら、天翔ちゃんじゃない。久しぶり~、あら? そこの三人は……ああ、囲ってるのね!? もう、流石は私の天翔ちゃん。女を手籠めにするのには慣れてるのね」


「ああもうっ!? ダメだ、俺への風評被害が! やめろ、止めてくださいお願いします何でもしますからぁぁぁぁ──!? 第一人をハーレムしてるクソ野郎だと吹聴するのはやめろッ!? ラミラルさーん!」


「もうっ、天翔ちゃんったら。違うでしょ、お母さんと呼びなさいな」


「怖気が、怖気が止まらねえええ!! いや、止めて! ほんとに! 家族設定で通すならくっつくな、離れろ! こんなスキンシップは家族間ねえ!?」


 それは、おおよそ二十代前半のような若さを持つ女性だった。全身を真っ黒のスーツみたいな服で着飾り、それ以外は何ら化粧も装飾もしていない。にも関わらず、それだけで据えてを魅了してやまない美貌。

 緑が少しだけ混じった髪に、エメラルドの瞳。そして、強調される豊満な胸。

 ──円卓会議第六席ラミラル・ウィロール。その人であった。


「か、かかか天翔先輩ッ!? そ、その人、だ、だ誰ですか──!」


「あらあら、あなたがアイリス・ネフェタルリアね。今日まで辛かったでしょう? 母の胸に飛び込んできてもいいのですよ?」


「ちょっと黙ってろ、そして放せ! 悪いが、俺は年上趣味はねえんだ! お付き合いするなら輝夜ぐらいには明るく、おしとやかになってください以上!」


「つれないわねえ、久しぶりに可愛がりに来てあげたのに。あ、もしかしてたまって」


「帰れ!!!」


 未だ引き剥がすことができず、離れようとしない妙齢の女性に、最早仕方ないかと格闘術でも使おうかと本気で画策し、アイリスが目を白黒させて慌てふためている中──ふと、ラミラルは我に返ったように天翔の腕を放した。


「くそ……腕が痺れて感覚がねえ。どんだけ強い力なんだ……」


「ごめんなさいね、もう少しかまってあげられたらよかったんだけど……私の息子が呼んでるから」


「あ、あの人……嵐、みたいですね」


「まあ……居ると面倒なことに変わりないし、間違ってはないな。……ほれ、さっさと行こう」


 ──だが、天翔はまだ知らない。この会場にて、とんでもないことをしでかすことを。







「わぁ……人が、たくさん」

「しかも、皆作法がちゃんとしてる。できるかな、私に」

「一通り教えたんだけどなぁ……まあ、大丈夫だよ。私もいるしね」


 ──中は貸し切りだ。だだっ広い空間を利用した大きすぎるパーティー会場。恐らく中にあった店の壁を取っ払い、間に合わせたのだろう。まさしく魔術が為せる業だ。

 人は、無論多い。なにせ、日本とフランスを繋ぐ架け橋だから──否、そんなことではない。ただ単に、フレデリカが企画したから、だ。もしくは、将来有望な魔術師に伝手を作っておきたい連中が招待状を受け取ってこの場に来ているのだ。


「ま、その最有力候補は間違いなくシステリア家の次期当主アリアだろうな」


 同年代の中でも最強を争う魔術師なのだ。いずれ大物になるのは間違いない。

 他にもウィロール家の嫡子がいるだろうが……流石にそこは覆らないだろう。この場で最も視線を集め、かつ皆の期待を背負っているのはアリアだ。むしろ、そのほかはどうでもいい。


「フィーネ、朱里……さっきも言ったけど、アイリスから離れないでくれ。アイリスも、一人にはなるなよ。まだ、フランスではアイリスの異名……悪評か。それがまだ払拭できてない。嫌がらせもあるだろうし、できるだけ三人は俺と一緒に動いてくれ」


「分かりました」


 天翔の言葉に、三人組は深く頷く。彼女らも分かっているのだろう。アイリスと一緒にいることが、どんな評価を受けるのかを。二人はそれを承知でついてきてもらっている。

 ので、警戒しつつ──。


「あの、初めまして」


 その出鼻を折るような声が、天翔の耳に届いた。

 そこに居たのは、少年だ。最近どこかで見た事のあるような緑髪にエメラルドの瞳、あどけない顔立ち、マスクの甘そうな雰囲気──要は、イケメンとか言う人種。

 見覚えのあるその容姿に、天翔の封印した記憶が疼きを上げて。


「ラミラルさんの、息子さん?」


「はい、そうです。フィラリア・ウィロールです。あの、天翔さんですよね!? あの、『銀の魔法使い』の!」


「え、あ、うん……ま、まあ、そうだけども」


「うわー! 握手、握手お願いできませんか!? 自分、天翔さんの大ファンなんです! 

いやぁー会えてすごくうれしいなーっ」


「お、おう……」


 フィラリア・ウィロールと名乗る少年は、しかし天翔が身構えるほど悪意を持った男でもなかった。第一、アイリスに近づいてくる奴など、アイリスを卑下する者が大半を占めている。彼もまたそうなのだろうと勝手に思っていたのだが、なんか気が抜けた。

 子供のように目を輝かせる彼に、天翔は何も言えず手を差し出してしまう。


「実はですね、お母さんが何度も天翔さんの逸話を語り聞かせてくれるうちに、いつか会いたいと思っていまして! いや、交流戦なんて本当は出ないつもりだったんですが、天翔さんに会えると聞いて、飛んできましたよ!」


「う、うん……それは、よかったね」


「しかも、天翔さん今は魔術師に教えてるんですよね!? いやー羨ましいなー! 自分もそうだったらどれだけ嬉しい事か! アイリスさんには嫉妬しかありませんねー!! あっはっははー!!」


(何この子……怖い)


 最早てめえの話なんぞ聞かねえ! と言わんばかりの弾幕に、さしもの天翔も戸惑いを隠せない。というか、これがウィロールの血筋か。ラミラルの影響を色濃く受け継いでしまっている。


「そ、それで……他に用はあるのかな……? ないようだったら、俺達もう行くけど……」


「そうですね、特にないと言ったら嘘になりますね! 確かに自分如きが天翔さんの時間を取らせていただくことが恐縮と言うか! じゃあ、一言だけいいですかね! ──アイリスさん」


「は、はい……っ」


 先ほどまでの印象と打って変わって、落ち着いた声を出す彼に、アイリスが背筋を伸ばし緊張状態に入る。それも仕方のない事だろう。先ほどまでの、天翔と喋っている間の彼が一魔術師であるならば。今アイリスの前に立っているのは、当主としての器を覗かせるフィラリアだ。


「今回の交流戦。僕は楽しみにしています。無論、天翔さんが師事しているから……というのがありますが、それよりも、僕はあなたの魂の輝きに興味があるのです」


「魂の、輝き……?」


「ええ。確かに、あなたは弱いでしょう。それは誰だって分かる。けれど、今重要なのはそこじゃない。真に見るべきは実力ではなく、輝きだ。その者の魂が光っていなければ、僕はそれを強いとは言わない。……いつだって、ジャイアントキリングを起こすのに必要なのは気持ちです。忘れないでください、アイリスさん。僕は、あなたを卑下することはない。決して、そんな馬鹿げたことはしない。むしろ、対等であると、そう思っています」


「あ……」


 アイリスの目に映るのは、何か。あまりにも荘厳で、慈愛を見せるその男に、二の句を告げない。


「……このパリにいる間、あなたをいわれのない中傷が襲うかもしれない。けれど、気にする必要はありません。下を向く必要も、ありません。それはただ、強さだけを追い求め、輝きを見ようとしない者たちの言葉でしかない。そこに重みはなく、ただただ虚無が宿っているだけ。──見せてやりましょうよ、あなたのその強さを。今もなお、信じない者に、あなたのすばらしさを。──では、健闘を祈っています。ま、自分も負ける気はないですがね!」


 最後に茶目っ気のようなものを見せて──フィラリアは颯爽とどこかへ行ってしまう。残されたのは気圧されたアイリス含め三人組と、嵐の出現に疲れた天翔だけ。


「す、すごい……ですね、あの人」

「なんか威光が見えた」「噂通りの人ですね……」

「ああ、間違いなく傑物だろうよ。あいつがいるだけで雰囲気が変わる。喋れば、それ以上だ。ある意味で慕われる感じだろうな」


 過ぎ去っていった嵐に嘆息しつつ、天翔達は目立たないように行動して。


「相変わらずうるさいわね、『銀の魔法使い』さん?」


 ──炎を顕現したかのような、そんな女性が目の前に立っていた。全身をアリアと正反対の赤のドレスで纏い、燃えるような赤の髪にその瞳。整えられた顔立ちに似合わぬ鋭利な目つき、肩付近で纏めている髪。

 ──魔法使い。世界に十二人しかいない、魔術協会から認知されているそのうちの一人。東雲有紗。魔術協会から『赤』を賜った魔法使いだ。


「……俺を、アイリスから引き離したな」


「流石ね。勘は衰えていないようで」


「何が目的だ?」


 有紗が話しかけてくると同時、三人組が離れていくのを悟った。恐らくは暗示魔術だろう。白魔術の一種で、相手の脳に一瞬だけ介入し、現実を誤魔化す魔術だ。

 それを一瞬でアイリスたちにだけかけ、天翔と彼女らを引き剥がした。


「別に? 私はただ、教え子の気持ちを反映してあげただけ。それ以外は特に何もないわよ?」


「教え子……?」


 有紗の口から語られた単語に天翔は眉を顰め、傍観の構えを取っている有紗に倣い、天翔もまたアイリスの方を見やる。ここで無理やり割って入ってもいいが、どうせ有紗に邪魔をされる。


「奇遇ね、アイリス」


「──アリア」


 アリア・ノビス・システリア。青いドレスを優雅に着こなした、システリア家の次期当主候補がアイリスに話しかけ、アイリスは少しだけ気圧されたかのような声音で応じる。

 同時に、天翔は悟る。これが、真の狙いだ。アリアとアイリスを巡り合わせることが、有紗の目的。そして、有紗の言っていた教え子は、アリアだ。

 だが──何を狙っている。あの二人を合わせ、たきつけて、何を──。



「驚きね、あなたみたいな人間がここに居るなんて。ここは、優れた魔術師が来る所よ?」


「それは──」


 アリアの指摘は、まず間違っていないだろう。アイリス本人だって、そう思っている。何の偶然が重なり、こんなところまで来てしまったが、第一ここに立てるほど実力が伴っているとも思えない。

 だから、何も言えない。何も言えず、アリアの言うことに耐えるだけ。

 瞬間、フィーネと朱里がアイリスの手を握って、エールを送ってくれるが、ここで歯向かったところで何の意味もないのだ。


「……一応、言っておくわ。エヴァ―ガーデンの試験、合格おめでとう。でも、正直思ってなかったの。あなたみたいな、三流……いいえ、それ以下の魔術師と呼ぶのすらおこがましい人間が、合格するなんて」


「──っ」


「この二か月で、充分強くなったでしょうね。なにせ、『銀の魔法使い』に教えられているのですもの。でも……はっきり言って、あなたにあの御方は釣り合わないわ。誰だって、そう思ってるはず」


「そ、そんなことっ」


「ないと、本当に思ってるの?」


 天翔との師弟の関係を馬鹿にされたような気がして、アイリスは否定しようと声を荒げるが──アリアの冷徹な目に、竦んでしまう。


 ──分かっているとも。釣り合わない事ぐらい、最初から理解できていること。片や魔術協会から魔法使いとして認定されているほどの魔術師に。片や、魔術協会からも認められていない魔術師以下の人間。釣り合うはずがないのだ。本来なら、巡り合うはずのない組み合わせなのだ。

 でも、それでも──。


「──強く、なろうと決めたの」


「──」


 今もなお冷ややかな視線を送ってくるアリアに、アイリスは吠える。


「必ず、あの人に釣りあう魔術師になってみせるって、決めたの」


 確固たる決意に、アリアは苛立たしそうに口元を歪めて──。


「──ふざけないで」


「──え?」


「ふざけないでって言ってるの! 馬鹿なの!? ありえないでしょ、そんなこと! あなたごときが……そんな、魔術師になれっこない!!」


 ──ただ猛る。今までのイメージを吹き飛ばし、その場にいる全ての人間の視線を集めようとも、アリアは止まらない。


「考えなさいよ! あなたみたいな将来性のない人間がここに居るのも! いい加減諦めればいいでしょう!? こっちに向いてないのよ! 魔術師になるよりも、表の世界に居る方がよっぽど楽できるわ! 分かるでしょう!? 人には向き不向きがあって、あなたには魔術師が合わなかっただけ! なら、諦めなさいよ、諦めて、別の道に行きなさいよ! そっちのほうが、楽で合理的でしょう!? それとも、まだ昔みたいな甘い幻想抱いてるの!?」


「なら、はっきり言ってあげるわ。あなたでは、届かない。どれだけ修練をつんで、どれだけ優秀な魔術師に師事しようとも、そこに届くはずがない。認めなさいよ、あなたは弱い。弱いまま。何も変わってない。──なのに、雑魚風情がどうして!」


「ちょっと、アリアさん。流石にそれは言い過ぎでしょ。そんなの、誰だって分かんないじゃん。そんなの、やってみなくちゃわかんないじゃん」

「前の……試験だってそうだった。誰も信じてなかったのに、アイリスは合格した。だから、可能性は否定しないで」


 アリアの止まらぬ弾幕に、否負の感情の爆発に返したのはアイリスではなく、後ろに居た二人。

 互いに譲れぬ思いをぶつけあって、折れるのはどちらか。


「私は……あなたを認めない。絶対に、認めなどしない。──正してあげるわ、あなたのそんな勘違いを。淡い期待など、なくしてあげる。二度と立てないように、徹底的に潰して、この世界に足を踏み入れることに臆してあげるように。

 ──アイリス・ネフェタルリア。勝負なさい。此度の、交流戦で。私と、真っ向から」


「……ごめんね、アリア。私は……そうならないよ。何があっても、この道を諦めることなんて、ない。でも……勝負しろって言うなら、受けて立つよ。例え勝ち目のない戦いでも、私は諦めない。私は、必ず追いついて見せる。例えその道がどれだけ地獄でも。もう決めたから。……前に進むって!

 ──アリア・ノビス・システリア。受けて立つわ! 交流戦で、私は必ずあなたに勝ってみせる!」


 ここに、決闘成立せり。アイリスとアリア。魔術に恵まれた者と、恵まれなかった者。正反対に居る二人の決戦。思わぬ結末に、大いに会場が湧く。そこにあるのは興奮だ。ただし、正しい意味のではないが。




「意外と、穏便に済ませたわね、二人とも」


「そうだな。魔術を用いて攻撃しようものなら、流石に止めなきゃならなかった」


 火花を散らす二人を見守る天翔と有紗。だが、そんな二人にも明らかに声音に含むものがあって。


「──いい機会よ。私と貴方。どちらが上か、勝負しない?」


「……アイリスと、アリアの戦いで?」


「ええ。私はアリアを、貴方はアイリスを。互いに高めさせ、勝負させ、決着を付ける。私達が勝負するより、よっぽど懸命じゃないかしら。無論、ハンデは着けるわよ? 所詮、今のアイリス如きでは、アリアに勝てないでしょうからね」


 嗤う有紗に、天翔は溜息をついて、


「──正直、受ける道理はない。けど、アイリスを馬鹿にされたまま、引き下がるのも癪に障る。いいぜ、受けてやるよ、有紗」


 ここにも決戦の火花が舞う。互いの愛弟子の、名誉をかけて。



「いいねえ! 盛り上がってるじゃないか!? はっはっははは! いいぞ、我は盛り上がっているのが好きだ! 戦闘が死闘になるのであれば、歓迎しよう!」


 同時、パーティー会場の全ての照明が落ち、正面誰もが視線を集める場所にて。笑い声と勝負を称賛する声が響く。

 フレデリカ。フランス頂点の魔術師にして、フランスを治める魔術師が立っていた。


「さて! 此度の交流戦、そのルールが知りたいだろうから言ってやる! ──チーム戦というのは分かっているだろう! だから、その先だ! 今回の四チームには宝玉を渡し、かつ陣地を与える! 勝利条件は宝玉を壊すだけだ! 詳しくはこの後ルールブック渡すから適当に読むがいい!!」



「死力を尽くせ! 己を賭けろ! 死闘を演じよ! 血で血を洗う、決戦を我は望む! では、一週間後──決戦の地は、ベスティアドーム! 己を磨き、研鑽を積み、素晴らしき戦いを期待しているぞ! 以上!!」


 そして、パーティーは終わりを迎え、戦いの幕は上がるのだった。


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