導入
石井
高校二年生、地味な男子学生
佐藤
高校二年生、リア充な女子学生
榎本
高校二年生、引きこもりの女子学生
田中
高校二年生、不思議キャラな男子学生
石井は、目覚めたいつもの気だるい朝だ。
二度寝をしたくなったが、行くイミのない学校に遅れるわけにいかないので。
いつもどおり支度をする。
目覚めると顔を洗い
親が作った朝飯を食べ
少しテレビでも見てから歯を磨き
時間割を確認して教科書を詰める
制服にズボンから着ていき
右から靴を履く
この動作を何百回、きっと何千と繰り返してきたのだ、戸惑うはずはない。
ある意味で儀式的なルーティンワーク、虚無的なルーティンワーク
自分があと1年ほどは同じ動作をするのだと、理解していないうちに潜在的な意識として存在している。
扉を開け自転車にまたがり学校に向かう。
途中でくだらない話をして歩いている生徒とすれ違う。
何故だか、無駄なのは自分な気がするので嫌いだ。
ああいう時間を潰すだけの会話は、私には潰すこともできないのだと知らしめられる会話は。
学校に入り駐輪場に止める、駐輪場にといってもクラスごとに駐輪場に位置が違うため、面倒くさがるひとが適当にとめるためあめざらしだ、雨は降ってないけれども。
学校につき所定の席に座る。授業が始まるまでスマホで時間を潰す。
無駄な話を聞かないように、もっと無駄なことをして時間を潰す自分に嫌悪感を感じることもあったが、それももはやルーティンワーク、人間は適応力があるのだ。
その時僕は。
何もかもが変わっているけども何もかもが変わっていない虚無をこれからも背負って行かなければならないと恐怖した。