大精霊セルシウス
主人公が異世界に呼ばれたまず第1歩の話となりました。
大精霊セルシウスの出会いの話になりますが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
(もしもし……起きてください……もしもし……)
声が聞こえる……今までに聞いた事がないような透き通った声だ……寒い……ここはどこだろう?なんで?寒いんだ?今は真夏だろ?
あまりの寒さで意識が再び途絶えようとしていた。
(もしもし……起きてください……もしもーし)
精霊は痺れを切らしたのか怒鳴りつける様に声を上げた。
「起きなさい!トウヤ!」
一気に周りの体感温度が急激に下がり吹雪がゴーゴー音を立てコウヤを襲う
「は、はい!起きました!なんでございましょう?!」
訳がわからず全身の力を振り絞り立ち上がって力の限り叫んで返事をする。
「よろしい!トウヤ……ようやく会えましたね♪待ってましたよ」
精霊は幸也を見つめ話かける。
(あの……どこのどなたか存じませんが名前間違ってますよ俺の名前は幸也です。)
まさかいきなり下の名前で呼ぶこいつは何なんだ?(間違ってるけど)
あんまり俺、下の名前で呼ばれる事ないからドキドキするぞ・・・
あまりに現実感が無い美しい女性の姿に見惚れるが、洞窟の中でこの体感温度は寒すぎる真冬の関東より寒いかもしれない。
すぐに歯がガチガチ音を鳴らし手先の感覚が無くなっていく。
「あら、もしかして凍えてますか?その恰好とステータスじゃ寒いでしょう・・・円滑に話を進めたいので少し私の力を授けましょう」
精霊の指先から魔法力を込めた力が杉下を包む・・・次第に寒さから温もりすら感じる様になってきた。
「ありがとうどこのどなたか存じませんが助かりましたが、ここは何処なんです?あなたは一体何者です?」
当然の質問を精霊に投げかける当たり前だ・・・現実離れした見たことない美女(明らかに日本人じゃない)
関東地方じゃ珍しい洞窟の中の上の教会っぽい作り、それにさっきまで凍える様な寒さだったのに変な力をもらった瞬間にこの平気さ
おかしいだろ!あれかやっぱり俺は死んだのか!車で崖にダイブしたの思い出したぞ!やっぱりここは天国か?!地獄か?!
(あー!俺の菊一文字は?!)
車の中で抱き上げた菊一文字を思い出し辺りを見回すと俺の車が後ろの片隅で横たわっていた。
運転席に菊一文字がキラリと光る。
「良かったー無事だったか!菊一文字!」
車の扉を開け菊一文字を抱き上げてホっと胸を撫で下ろす。
「そろそろいいかしら?まずはあなたの質問に答えますね。私の名前は大精霊セルシウスここは、あなたの世界ではなく別の宇宙の星です。あなたは、死の間際に私が救い出しました。」
精霊はイマイチ実感実の無い話しを淡々と話し続けた。
「トウヤには私と契約を結びこの世界にいる私の他に6人の大精霊と出会い契約を結んで精霊王の宝玉で私の願いを叶えてほしいのです」
言葉を失っているコウヤにさらに会話を続ける。
「トウヤ・・・私の願いはあなたと同じです」
その言葉でコウヤは我に返った、大精霊と俺が同じ願い?一体何の事だ・・・
「私の願いは、私の存在する理由を知りたいのです……」
「……はい?」
コウヤは意味がわからないとばかりにそう言葉を逃がした。いやだって大精霊だろ?たぶんこの能力からして氷だろ?存在理由なんて大アリだろ。
俺の存在理由と大精霊の存在理由なんてどっちが答えやすいって完全に後者だろ。
氷がないと美味いかき氷食べられないじゃん!
「トウヤ・・・私の存在理由はそんなにスケールが小さいのですか?」
セルシウスはシュンとうなだれると
「火→わかる 水→わかる 雷→わかる 土→わかる 光→わかる 闇→わかる 氷→はっ?ってなりませんか!!」
(いやなんだよその説明は!お前何気に2ちゃんねる好きかい!)
「火は人間に知恵を与えた属性です。明かりにもなりますし野生の動物から身を守る為に必要ですよね。
水は人間にとって生きる為に必要な属性ですよね?人間の体は、70%水です。
雷は、人間にとって脅威な属性ですが、機械文明の為には人間にとって必要ですよね。
土は、地に大地が無いと歩く事すらできません。草や木に必要ですし野菜おいしいですよね。
光は、目に見えるものは全て光から受けとって見えると認識しますよね光がないと視界が真っ暗で人間には必要なものです。
闇は人間に睡眠を与えます。光と闇があるから人間は朝起き夜に眠るというサイクルがあるのです。
氷はどうですか?人間にとってあるならあるで別にいいし無くても死にはしません。」
コウヤは、セルシウスの言葉に反論する。
「いや星規模で考えたら氷がないとめちゃくちゃ暑くなるだろ」
「私は人間を対象にして話をしているのです!
人間生きる事に必要な属性にとって氷とは必ずしも必要なのかって思いませんか?」
「いやかき氷おいしいじゃん俺にとっては必要だよ?」
セルシウスは顔を真っ赤にして手をあげる。
「かき氷から離れてください!他にないんですか?!」
コウヤは腕を組んで考えるが他に浮かばない。人間にとっての氷属性か考えた事すらないたしかに生きる事だけを考えたら氷って別にどうでもいいのか?
でも炎症を起こしたり熱が出たりしたら氷が必要じゃないか?
冷凍保存するのにも便利だし北極のメタンガスも氷が溶けたら大変な事になるぞ。
そこまで卑屈になるほどなのか?
「まあいいじゃないかセルシウス俺にとってお前は必要だよ。
お前がいないと右も左もわからない」
コウヤは笑顔で言いセルシウスをなだめる。
「むぅ・・・そおいう事ならしかたないですねそれで我慢しましょう」
セルシウスはどこか納得してないが上げた拳を下げた。
「セルシウスは俺の世界の事調べたのか?なんか知ってる様な口ぶりだったけどさ」
コウヤは素朴な疑問をセルシウスにぶつけると・・・
「よくぞ聞いてくれましたね!あなたの世界の事、ちゃんといっぱい調べましたよ!」
セルシウスの顔が急に明るくなりコウヤに詰め寄った。
(あーこれ地雷踏んだかな……)
コウヤは心の中で思い。セルシウスの地球の解説会が始まった。




