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グリプス・サーガ・オンライン  作者: 初雪しろ/Yuyu*
第2話 イベントと少年の勇気

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レポート39

 しばらくして、結構な深さの海のフィールドにたどり着いた。小魚などもいなくなって、いるのはプレイヤーか敵かという場所だ。

 よく見ると崖の下にも海の空間があり、空洞がある。別のフィールドかダンジョンもありそうだ。

 けれど、今日の目的はそれじゃない。

「いたわ。あれよ」

 一度海面にあがって、酸素を補給してきたスズネが戻ってきて指をさす。

 そこにはたしかに貝があった。大きさは遠くて小さく見えるが、多分人ひとりくらいの大きさだろう。

 少し近づいてみると《シー・シェル》という名前が出てくる。レベルは38だ。

「行動パターンとかあるか?」

「体から空気だして、体当たりしたりすごい動いてくるわ。宇宙空間でロボットが動くみたいにね」

「たとえがものすごく一部にしか伝わらねえけど、理解した」

 とりあえず、一体に攻撃してみる。すると、海中を貝とは思えぬ速度で動き始めた。もはや魚である。

 あと、ここで俺は気づいた。

 シー・シェルの体当たりを俺は盾で受け止める。だが、足場は海中で、しかも現在は浮いている状態だ。

「踏ん張れねえ!」

 ダメージはないものの体のバランスを崩して、吹き飛んでしまう。

「そりゃ、あたりまえじゃない」

「くそっ、盾なしでやるか」

 回避のほうが絶対にいい気がする。俺は盾を背中に装着してヘビーモールを両手持ちに変更する。

「おらぁ!! ――」


 数分後。

 行動パターンは読みやすくて、何体ものシー・シェルを2人で倒した。

 だが、

「全ッ然、素材落とさねえ! 貝柱じゃなくて真珠がほしいんだよ!」

「現実でも真珠なんかが希少価値つく理由がわかるってくらいに、ドロップ率が悪いわね」

 周りにいるプレイヤーも、悔しそうな顔してるし、ずっとこの辺にいる人が多いのを見ると……でないんだろうな。

「いくつ必要なんだっけか?」

「2つ必要。一個くらいでたかしら?」

「1個はでたな」

「なんでそんなにドロップ率いいのよ!」

 普段と考えたら全くでてねえんだぞ。

 それにしても、真珠が必要じゃないならモンスター防具揃えられそうだな。でも、貝殻装備になるかもしれないと考えると男用はどんなんだろうな。

「《ブレイク》ホームラン!!」

 ちなみに、こんなに話したりしてるが、ずっと戦ってたりする。攻撃パターンは読みきってしまって、思考にも余裕がでて作業ゲーにちかい状態だ。

 この作業はリアル時間で昼になるまで続いた。

「一旦、中断しましょう」

「そうだな……じゃあまた、2時頃でいいか?」

「それでいいわ。何かあったらトゥイッターで言うわね」

「了解した」

 憔悴した顔でログアウトしたわけだ。


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