レポート34
正しく放課後、間違いなく放課後になった。
俺はしぶしぶながらも空き教室にいくと、俺を含めて12人ほどが集まった。リーダーは委員長。
「とはいえ、今日決められることはそこまで多くないから、手っ取り早く決めよう。まずは、演劇のセット準備などだがこれは会場準備のほうにも手伝ってもらいながらになる予定だ。脚本は文で決定……というわけで、役者を確定でやりたいという主役数人と劇中でBGMなどを流す音響を決める必要があると私は考える!」
「ちょっといいかしら?」
そこで音原さんが手を上げて声をかけた。
「何だ? 音原」
「演劇の演目の方向性だけでも決めないと、脚本も演者立候補も進まないと思うのよ」
「……それはたしかにそうだな。なら、まずはそっちを決めるぞ! とはいえ、そこまで長いものは喫茶と一緒ではそぐわないな」
そういって最初の議論が始まった。定番モノもで行くべきだという人もいれば、意表をつくべきだという人ももちろん出てきて、だがそれでは学校や喫茶という場所を考えると不適当じゃないかという意見も出てくる。
「日角。お前はどう思う?」
「お、俺?」
「あぁ、さきほどから意見を言ってないようにみえたからな。何かないか?」
うっ、委員長はよく見ているようだ。
「日角くんは去年もそういえば、やってたクラスだったよね?」
「ま、まあそうだけど」
くっ、今回ばかりは音原さんのその発言は痛いぞ。
「そうだな……やっぱり、12時のプリンセスみたいな定番を元にして喜劇にするとかが盛り上がるし問題にならないんじゃないかなって……」
去年も実際にロミオとジュリエッタっていう、恋愛喜劇の童話を元にした作品だったしな
ちなみに12時のプリンセスは、余命を宣告されていざその最期の日に現れた魔女に12時まで生き残ることのできる魔法がかけられる。しかしその魔法がとければ本来のままに命は終わりを告げてしまうというものだ。その他に王子様となんやかんやあったりした恋愛悲劇が原本だが、日本の童話としては王子様のキスで終わったはずの命が再び動き出すなんて終わりに変えられている。
「そっか。別にアレンジ加えてもいいのよね」
「そうだな……何故か頭から外れていた。私が演目を話し合いのうちに何かに確定した言い方をしていたのが原因だ。申し訳ない」
「委員長は悪くないよ」「うちらもこう、なんか他人任せだったり言われたままだったところあるから」「そうだぜ。委員長は悪くねえ」
「文はどうだ? 脚本は」
「元があってアレンジとかするほうが楽ではあるかな」
「やはりそうか……なら、日角のそのままに12時のプリンセスを元にするのが良いと思うのだが! あれならば、男子も女子も出演ができる」
「問題なし!」「うちも賛成。ヒッキーやるじゃん」「いつも目立たないが影でやるやつだったんだな」
なんか目立ってしまって、目線を下げてしまう。
すごい見られてる。
「それでは、役者として出演したい奴――」
こうしてこの日の相談は終わった。俺はとりあえず、演劇の案内とかパンフレット製作のかかりになることができた。役者にならなくてよかった。
ついでに音原さんがその原本の悲劇のヒロインであるプリンセスの役をやることになった。こっちについてもドレス姿とかまでになったら綺麗だろうな……なんて想像をしてしまう。
少し目立って疲れてしまったが、なんだかんだ楽しんでいる自分に気づきながら俺は家路についた。




