レポート28
今更ながらに昼前にこの授業ってどうなんだと思う。事前に昼は用意しないでいいと連絡してほしい……いや、察して用意しなければいいだけの話か。
今日は帰ったら何をするかな。課題は午後の授業ででないならないし……とりあえずはグリプス・サーガ・オンラインをやろう。
それなら――
つまり――
じゃあ――
この席順にどうしてなった。
教室の黒板を前として右後ろに俺なのはいい。それなら右前は北谷にするべきじゃないのか……なんで、音原さんなんだよ。
「次の新聞部の記事はなんの予定だ?」
「それはトップシークレットってやつですよ。北谷さん」
「美味しいわね。失敗しなくてよかった」
とりあえず無言でカレーを食す。食す。食べる。
「美味しい?」
「う、うん。うまいよ……うん」
話を続けろよ、俺。ただでさえさっきの問にも答えてなかったのに。
何か話題を、なにか話題はないか。いや、支離滅裂すぎるだろ!
「よかったわ。料理って普段あんまりしないから」
「そうなんだ。え、えっと」
そうか。ここだ!
「じゃあ、何か普段からやってる趣味とかあるの?」
「うん? まあ、趣味ってなるかはわからないけど。前にも見せた通りギターとかやってて歌うのも好きだから、音楽が趣味かしらね」
「音楽か」
くそっ、アニソンと一部のポップと洋楽(ネットサイトで有名)ぐらいしかしらない。
「日角くんは音楽とか聞く?」
「ま、まあ、それなりには」
ジャンル問わないならだけどな!
ど、どうしよう。
「どんなのきくの」
キラキラした目が恥ずかしさと罪悪感を感じる。
「えっと……あの、カルディア・アークってゲームのサントラを、最近は買ったかな」
マニアックすぎるだろ。これ絶対にダメだよ。グリプス・サーガ・オンラインというVRMMOの知名度と比べたら、隠れた名作というゲームのサントラなんて出しちゃダメだろ。
「へっ!? あなたもカルディア・アークやってるの! すごい、私もやってるけど、初めてみつけたわ」
「お、おう……まあ、一応発売日に買ってやったけど」
予想外の反応が来たぞ。よし、ここから攻めろ俺。頑張れ日角秋!
いいかげんに家庭科の時間でやきもきしてるんじゃないぞ。というかそろそろ片付け時間だし、ここでこれからも話しかけてくれるように持っていけ!
「すごいわね! それにサントラを買うのはセンスがいいわ。あのゲームソフトのBGMを担当している人は、さっきいった《グリプス・サーガ・オンライン》でも多くの曲を担当してたりするのよね」
「そ、そうなのか?」
それはさすがに知らなかった。
「そこのお2人さん、そろそろ片付けましょう」
「そうだぞ。僕が全力で鍋を洗おう」
「あたしが食器を洗いましょう」
「じゃあ私が拭くわ」
「……つまり片付ければいいんだな」
成功か失敗かは分からないがタイムアップとなって、会話は終了した。
うん、帰ったらグリプス・サーガ・オンラインをやってBGMを堪能してみよう。




