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グリプス・サーガ・オンライン  作者: ゆっき/Yuyu*
第1話 グリプス・サーガ・オンライン購入と少女との出逢い
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レポート02

「うおおおおおお!!」

 ゲーム世界に入り、最初の町に降り立って俺は思わず叫んでしまった。

 洋風のよくあるファンタジー世界の町並みに、そこかしこを歩いている人間やエルフにケモミミの人々。この多くがプレイヤーか。

 今更になるが、このゲームのプレイヤーキャラは種族もいくつか選ぶことができる。俺はどんなゲームでも人間プレイしているから、人間だけどな。

「おほほぉ!! すげぇ!」

 俺は勢いのまま、気持ちのままに走ったり跳ねたり転がったりしてみる。それだけで30分過ごすというアホなことをした。

「…………俺、何してんだ」

 すごい、悲壮感とか羞恥心を今更感じながら、歩き出す。

 とりあえず、この町にいるNPCに話しかけてみる。

『ようこそ《始まりの町》へ』

「すげ、口も動いてる。生きてるみたいだな……AIとか進化したらもうプレイヤーと見分けつかなくなりそうだよな」

 ただしNPCにしっかりとした会話昨日はなく、話しかけると空中にウィンドウが開かれて、できることが表示されるようだ。

「えっと、チュートリアルクエストを受注っと」

『この町の外にいる《クズスライム》を3体倒してきてください。終了したら、次のクエストに進みます』

 その他に場所や装備の仕方を教わってから、町を出た。


 町の外には草原が広がっていた。

「たしか、武器を振ったりすればシステムアシストがかかるんだっけか……全部じゃねえけど」

 草原でぴょこぴょこ跳ねてるスライムを見ながら、斧を腰から抜く。

「てやっ!!」

 そして斧をスライム目掛けて振り下ろした――地面に会心の一撃だ!

「ってなんでだ!!」

 見事にスカッた。

 ――ブンッ。

 ――ブンッ。

 ――ブンッ。

 とにかく当たらない。

「だぁぁぁああ!!」

 ゲームだけど、ゲームなのだけどイライラしてきた。

 イライラしてきた人間はわりとものに当たるというが、俺は盾をブーメランのようにクズスライムに向けた投げつけた。

「……はっ!?」

 その盾は見事にクズスライムの体に命中して、体の形を崩した。そして経験値が手に入った。恐る恐るクエストを確認してみると、1体倒した表示になっている。

「…………今のシステムアシストでもなんでもねえぞ!?」

 そんなツッコミをしながら、盾を拾い直して、もう一回投げつけてみる!

 再度命中、クズスライムは倒れた。

 テレレレテッテッテー――

「じゃねえよだから!!」

 片手斧さん涙目じゃねえか。

 地団駄踏んで、明らかにアホなことをしていた俺。だが、ゲーム世界とはわからないもので、そんな俺に話しかけてくる人がいた。もしかして運営様だったりするんじゃ。

「あ、あの、すみません」

「は、はい」

 話しかけてきたのは、イケメンな青年だった。

 やばい、チャットならともかく、これ普通に話してる感じになるから、リアルみたいにキョドりそうに一瞬なった。

「あのさっきから見てると、斧を使ってないように見えるのですが」

「そ、そうだが?」

 そうだがってなんだよ!

「あのもし良ければなんですが……武器を交換してくださりませんか」

「えっ?」

「メイスを選んだのはいいのですが、その……後で後悔し始めたタイプで、斬撃系の武器が……ですが、ほら、最初の町ですし、お金もありませんし。でもキャラメイクかし直すのもあれじゃないですか」

 まあ気持ちはわかる。キャラメイクとかして、チュートリアル終えて少ししてから「やっぱりあっちのクラスにすればよかった!!」とかよくやっちゃうしな。

「まあ、別に構わないんだが」

 だから、何キャラなんだよ俺。

 なんかキョドってはいないけどテンパッてすごい謎のキャラが出来上がってきてるんだが――また、だがっていっちゃったよ。

「あ、ありがとうございます!」

「だが、俺は革新的な初心者だからトレード方法がわからない」

「えっと、メニューを開いて、視界認識というのをタッチしてください。するとプレイヤーの名前を幾つかのメニューがでるので、そこにトレードがあります」

 やってみる。視界認識というのをタッチして、青年を見ると名前がでて《ステータス》《友達申請》《トレード》《ナイショ話》という4つが出てくる。

 俺はトレードというものにタッチして、でてきたウィンドウにアイテムインベントリウィンドウから斧をスワイプして入れて、成立ボタンを押す。

「ありがとうございます!」

「例には及ばない。お互い様という便利な言葉があるしな」

 だんだん、泣きたくなってきた。


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