レポート12
昼飯を食った後の話だ。
再びログインする。実は結構ドロップ品でイベント素材的なものは集まっていたりする。
「ただ、あんまり取引されてないことを見るとくず鉄みたいなものなのかもしれないな……」
露店という自分で売ることができたり、チャットとか掲示板で取引してるのを確認した――結果、今俺が集めているのは低レベルからでてくるいわば数がなければ意味を成さないものらしい。
だから取引にしても数百単位になってて、そこまでの数は持ってない。
モンスターのレベルが上がるといいのがドロップしやすくなるらしいのであって、オレのレベル体でもレアな素材は出るには出るらしいが……どうするかな。
ちなみに最終的に昼までには18レベルまで上がった。夏休みだからこそできる、こもりプレイである。
さらに偶然あった心優しい先輩情報では、レベルが上がりにくいと感じ始めるレベルの基準は40の上位職になってからというアドバイスを頂いたりした。
「でもな……くず鉄でも今よりは多分マシだよな」
そんなふうにグダグダ悩んでいた。そしたら後ろから肩を叩かれて振り向く。
「こんにちは。あの、今おひとりですか?」
「まあ、そうだが?」
もうこのキャラでいいや。
「ちょっと、クエストクリアしたいんですけど。1回でいいのでパーティー組みませんか?」
「……なんのクエストかを言うべき」
実は俺は《ソルジャー》になってからクエストらしいクエストを受けてないというか、見つけられていない。
「《アーチャー》のクエストなんですが。この近くにあるサボテンの森で、あるモンスターを倒して来いってクエストなんですよ。それで、その……見ての通りのパーティーで」
男――わかりやすくするために俺に話しかけてきた男をメガネの剣士男とする。その他に金髪の男射手とローブで顔が見えない性別不詳魔法つかい。
「前衛が足りないというわけか」
「そうなんですよ……もしよければ1時間ほど、ご一緒していただけませんかね?」
「構わないんだが。俺がメイン盾となってやろう」
初期装備だけどな。
テレレッテー、ヒカクは新たなパーティーに一時的に加入した!!
サボテンの森までの道中自己紹介をしてもらった。
「僕は《ソルジャー》の《コウタキ》といいます。レベルは17です」
「迷惑かけるな。オレは《アーチャー》の《ガガ》だ」
「フヒヒッ、わ、私は《ソーサラー》の《ジュジュ》……よ、よろしくね」
どうやら女だったようだ。
「俺は《ヒカク》。見ての通りメイスと盾を使う《ソルジャー》をやっている。短い間だが、よろしく」
しかしなんだ――回復手段は心もとないパーティーだな。




