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パワーアップし
青い世界から一転、漆黒の世界が俺の視界へと広がる。
ここはどこだ? 俺はもうこの世にはいないはずだ。
さっき、命をおとし彼女の笑顔を墓場にもっていったではないか。
しかし、何故だか体が呼吸をしている。
ちゃんとした命を感じられている。
いったい、どういうことだ?
「おお、生まれたのか!」
変なおっさんの声が聞こえてきた。生まれたんじゃなくて、たった今死んだんだよボケ。
「おぎゃー!」
そう言ってやろうとしたが、全く声がでなかった。というか、日本語じゃねえ。
「元気な産声ね!あなた 」
女の声が聞こえてきた。なんだ?こいつら?人が死んだのに生まれただの、元気ねだの。煽ってんの?
かつて戦士だったおれは、ほんのいたずら心でかつて持っていた魔法を放とうとする。
勿論全力じゃない。
威圧するだけの、小さい魔法だ。
しかし、なぜだから建物がふっとんでしまった。
「え…この子、今魔法を??」
おっさんの驚くような声が聞こえてきた。
いや、俺が一番驚いてるよ。
ほんの少しだけ魔力を解放しただけなのに、この威力。
どうやら、俺の力はパワーアップしていたようだ。