前へ目次 5/5 1-2 しばらくして、 空が少しだけ明るくなるころ、 すうすうと小さな寝息が聞こえてきた。 (ねむったみたい。) さっきより少しだけ 部屋があったかくなった気がした。 ぼくは、静かに部屋を出ることにした。 入ってきた窓のすきまから、 そっと外に出る。 冷たい空気が、なぜだか心地よかった。 ぼくは振り返って、小さくつぶやく。 「いいゆめが、見られますように。」 ニンゲンは、まだ眠っている。 だから、きっと聞こえていない。 それでいい。 今日もぼくは、 どこかの、だれかの影にいる。