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ある日、ぼくが公園に行っても、おじいさんは現れなかった。
次の日も、その次の日も、いくら待っても現れなかった。
そのうち、ぼくはなんとなく、もうおじいさんに会えないのだと分かってしまった。
そして、もうひとつ、分かったことがあった。
おじいさんのことを、ぼくはあまりにも知らなかった。
ぼくは、ニンゲンを、世界を、もっと知りたいと思った。
だからぼくは、今日もどこかで、静かに影を揺らしながら、誰かのそばにいる。
誰にも見られなくても、誰かの影に、そっと寄り添って。
くろすけのことを知ってくれて、
ありがとうございます。
ここまで読んで下さったあなたの日常が
ほんの少しでも、やわらかくなりますように。




