新たな疑問
「そしたらさー、綾太が見た。あの世界は夢ってこと?」
放課後、歩きながら凛が呟いた。
「あの世界って、僕が見た大人の世界?」
「あれじゃない?予知夢とか…?」
だとしたら嫌な予知夢すぎるな…。と思いながら凛の話の続きを聞くことにしてみた。
「例えば、こんなことはない? 子供から大人へ大人から子供へと折り返してるとか?」
「つまりは僕はこの後死んだら赤子になると?」
「赤子、綾太っ!あははっ!!」
どこにツボがあるんだ、この天然バカは…。
「生まれた時からこんな捻くれた赤子嫌すぎるわ」
と笑いながら普通の人なら傷つくであろう所を突いてくる。
「生まれた時から捻くれてるわけないだろ」
凛はキョトンとした顔になり
「あれ?じゃあ綾太こうなったのは、何が原因なのかい?」
と問いかけてくる。
凛は時々、目を大きく開いて、キラキラと輝かせながら芯を突く質問をしてくる。
現に今も僕をそんな目で見てくる、僕はそんな凛の目が
〈嫌い〉だ。
凛の綺麗な眼差しを見てしまうと流してきた気持ちや本音を思わず漏らしてしまう様な感情で溢れかえってしまうからだ。
あぁ、嫌な記憶が蘇ってくる、あれのせいでこれのせいでと溢れかえってしまう。
「…環境だと思う」
口を漏らしてしまった。
「環境って!君も私もまだ、13年しか生きてないんだよ…?」
と語ると凛は下を俯いてしまった。
「まぁ、夢であれなんであれ、また生きていくしかないでしょ だから凛は気にすんな。」
俯いてしまった凛を気にかけるように呟いた。
凛は天然の馬鹿だけど、こういう暗い話になると他人のことを気にしてしまいがちで、根は本当に正義感に溢れてるような少女だ。
すると
「綾太、真剣に聞いて」
と急に真面目な顔した凛が僕の目の前に立つ
「ど、どうしたんだ」
いつもは見せないような真面目な顔で少し同様してしまった。
「もし、君が大人から子供になったとしようか」
「うん」
「君はこんな出来事が偶然起きてしまった出来事だと捉えてないかい?」
人差し指でこめかみの少し上を「ポリポリ」と掻いた
凛の言ってることがあまりにも図星すぎたからだ。
これが走馬灯じゃないなら、異世界転生やタイムループ系だとしても、確かに僕が主人公であるなんて考えが僕にはないからだ。
「これは、あなたの人生だよ」
凛は僕の心を呼んだのかの様に透かさず語り続ける
「どうせ、綾太の事だから、また適当に生き続ければいいと、思ってるんでしょ」
「…そうだけど」
「偶然だとしても、なんだとしても何も変えようとしないと同じことの繰り返しだよ!」
凛は声を荒らげて僕に怒鳴りつけた。
「綾太のやりたい事やらないと、君が見てる今は誰の人生なのか、馬鹿な君でもわかるでしょ!!」
(あぁ、何言っても伝わらないなら言わないようにしよう。)
そう考えてきたのに、凛の放った一言でその心情が崩れていく。
「綾太は、何がしたいの?」
優しい声で凛は語りかけてくる。
「僕は…【理不尽な世界】を変えたい!」
僕のキャラじゃないような大声が出てしまった。
凛は僕の声を聞いて「フフッ」と笑い
「なら、決まりだね!」
と僕に指を指し
「さぁ!目を覚ましなさい!!」
という凛の声と共に目の前が光り出す。
朝だ。




