「洞昭、頼通の速記の才を相すること」速記談6053
洞昭が、御堂関白藤原道長公の御前に召し出された。そこへ頼通公がいらっしゃって、母上とお話しになっていた。洞昭は、頼通公は、もとより尊い方でいらっしゃいますが、間もなく、さらに尊い方におなりあそばします、と申し上げると、道長公は大変驚かれ、摂関の地位を頼通に譲ろうと考えていたところだ、と仰せになった。洞昭は、頼通公の速記の才も相していたのだが、道長公が余りに驚いた御様子であったので、そちらのほうは申し上げずに退出した。
教訓:人相見の見たことを聞いてみたい気もするが、聞くのが怖い気もする。特に速記の才については。