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歌姫の全力の愛が僕を襲う!  作者: 長谷川瑛人
芸能界デビュー編
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告白と同意

「おはよー」

「おはようございます」


 僕は愛内さんに好意を持っている。それはもう否定しない。関係が発展することを望んでるしそんな未来を想像する。


「今日、早めに帰っていっぱい練習しようか」

「そうですね、昨日できませんでしたから」

「でも楽しかった!」

「お金使いすぎですよ」


 愛内さんもそう、だれに聞かれてもそうだって言い切れる。愛内さんも発展を望んでいるだろうし僕を受け入れてくれる。


「崇める方に遊園地の写真送ったら盛り上がってました」

「わたしの写真?」

「僕と愛内さん、2人の写真です」


 周囲の人たちも概ねそうだと思う。いつかはそうなるだろうと思ってくれてるだろうしそれに応えたいと思う。


「お昼過ぎちゃうな。途中で買おうか」

「そうですね、スピード出さないでくださいね」

「葉山くんあんまり食べれなかったからさ」

「大丈夫です、帰ったらいっぱい食べれますから」


 けれど僕は17歳、愛内さんは21歳、前提として付き合えない。将来はそうだとしても今は、世間は許してくれない。


「ただいまーって感じ。ああ疲れた」

「運転お疲れ様でした」

「ちょっと休憩」

「マッサージでもしましょうか」


 どこまで発展させていいかって考えるときっと全部だめで、一緒に住んでることすら本当はいけないことなんだろう。


「ライジンの演奏カッコよかったね」

「あ、ありがとうございます。レンさんと涼さんからご飯誘われました」

「あは、いいんじゃない?」


 じゃあ内緒で付き合っちゃおうかなんて、そんな器用なことを僕と愛内さんの2人では出来ないと思う。


「さあ発声練習からよろしく」

「はい。少し時間多めに取りますね」


 ならいつからならいいんだろうか、18歳? 高校卒業後? 大学入学後? 20歳? 大学卒業後?


「ラスサビもう少しトーン上げてみる?」

「試してみましょうか」


 法律で許される年齢があったとしても、愛内さんは歌姫と呼ばれる芸能人、僕たち2人が決めることじゃなく周囲の大人たちが決めるんだろう。


「はあちょっと休憩……」

「じゃあ僕も少しマンガ読んでますね」


 交際を世間に公表しないといけないだろうし、もし公表したらそういう認識とファンからの人気、イメージ、事務所の会社としての売り上げにも関わる。


「普段の僕からのおれのギャップかなりね」

「なるほど学校でもやって……」

「それは絶対だめ!」


 まずは僕と愛内さんの同意が必要で、それを大人の人たちに伝えてその指示通りにする、優しいし信頼できる人たちだから大丈夫だと思う。


「食材っていつも愛内さんがスーパーで買い物?」

「信用できる人雇ってお願いして待ち合わせ」

「なるほど」

「いつか紹介するね」


 それでいいんだろうし、そうするしかないと思う。精神が不安定、お医者さんがそう言ってたって、それはそうなんだろうけど、だからって別に……。


「やっぱり葉山くんの食欲」

「ところで愛内さん、僕あなたのこと好きなんですけど」

「え? あ?」

「昨日言えなかったので」

「あ……」

「まあ年齢とか今すぐどうとかはあれですけど、覚えといてもらえます?」

「……もう、聞いてるし」

「僕言いました?」

「うん」

「じゃあ言わなくても……」

「だめ! もう1回言って!」

「好きです、一緒にいたいです」

「はう……」


 別に不安定と安定の違いなんて分からないし、どうにか出来ることじゃないだろうし……。


「それで返事、聞いていいですか?」

「あ、あの……」

「ずっとおれの隣りにいてくれ」

「はい!」


 愛内さんがいてくれればきっと大丈夫だろうし……。


「今日、一緒に、寝る?」

「寝たいんですか? いいですよ」

「いいの?」

「はい、毎日でも。でもあれはどうなんでしょう」

「いやそれは、その……」

「僕はいつでもいいんですけどね、もしもの心配とかないし。でも、くっついて寝ましょうか」

「……うん」


 きっと大丈夫だろうし……。

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