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歌姫の全力の愛が僕を襲う!  作者: 長谷川瑛人
芸能界デビュー編
31/316

しりしり

 ケータイ見てもいい? そう聞かれて渡した。


「王子様をみんなで遠くから愛でる会だって、笑」

「楽しんでます?」


 人参しりしりしりしりがやたらと美味しい。


「すごーい、盛り上がってるぢゃん。なんかいいなあ、高校生に戻ってやり直したい」

「ボイトレ頑張ってたんでしたっけ?」


 人参しり、しりしりしり、ただの人参の千切りのはずなんだけど……。


「そう。その分葉山くんには高校生活を楽しんでほしいんだ。あはは、神だって」

「愛内さんしり何回でしたっけ?」

「2回」

「人参しりしり」


 きゅうりしりしりとか白菜しりしりとかあるのかな? しりしり、なんか口に出していいたくなる。


「信用できる人って何人いる?」

「ううん、4人」

「ちょっとグループ作るね」

「よく分かんないのでご自由に」

「じゃあその4人の名前教えて」


 いつもの4人の名前を伝えると、愛内さんは何か操作し始めた。招待とか聞こえるし5人のグループを作ってるみたいだ。


「よし、来た来た。早、ソッコー出来た。ほら!」


《王子様を全力で崇める会》


 崇めるって、もうこの際いろいろとツッコむのは疲れたしなんでもいい。


「これでわたしのスマホと、ふふ、エィッ! あは、反応ヤバ!」


 なんかぶつぶつ言ってるけど、隣りのなんとかって料理のオイスターソースのオイスターが柿だって聞いて味見してる。こんな味なんだ、柿って果物? 野菜?


「前々から思ってたんだけど、葉山くんピアノ以外ポンコツだよね」

「は? なんでですか?」

「考えてることことだいたい分かるから」

「そういう愛内さんだって……」

「わたしがなんなのかな?」


 なんて言いながら左手で肩はだけてブラの線ニヤニヤ見せて来た。黒だった。


「いえ、なんでも。で、どうなんですか?」


 愛内さんの話す内容にいいんですか? と確認する。


「任せて! フフフ」

「分かりました! フフフ。作戦しりしりってやつですね」

「葉山くん言ってることが分からない」

「さっき分かるって……」

「限度があるでしょ!」


 食べ終えた食器を戻し、僕が洗って愛内さんが食器を拭く。練習前にリビングに戻って少しくつろぐ。


「さて葉山くん、作戦会議を始めるわよ!」

「え、さっき終わりましたよね」

「今までのは雑談、ここからが本番、デートよデート!」

「ああそっちですか? それなら変装でもして千波湖辺りをぷらぷらと……」

「千波湖ってそこの? 本気でデートする気あるのかな?」


 その後もなんか熱く語ってたけどエスコートっていうか女性をリード、前にクラスの女の子が言ってたのを練習してみたいだけなので……。


「わたし的には別に泊まりでもいいんだけど、あは」

「毎日うちに泊まってるじゃないですか」

「それとこれとは別でしょ!」

「まあ別になんでも……」

「言っとくけど、しょうがないから付き合ってあげるんだからね!」

「あ、それツンデレってやつですね、マンガの……」

「葉山くん、正座しよっか」


 練習は順調そのもの。あと2週間ちょい、このまま行けば特に問題もなさそう。

 作戦、どっちの作戦? いやデートは作戦じゃないし、明日の放課後、実行に移す--。

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