第4話 明日もまた同じ
「
もう10時か。そろそろ仕事を切り上げて寝よう。
この仕事は俺に向いているのかもしれない。
テレワークともなると誰とも話さず黙々と仕事をしていられるのだ。
出社したときなど17時にはへとへとで、18時までなんとか仕事をした振りをして凌いでいるほどだ。
出社時にへとへとになるのには訳がある。
他人の声が常に邪魔して聞こえるからだ。
自分への悪口だったり、問題しかないことを当然のように言っている声だ。
そんなわけないだろ? と思うのだが周りもその調子で自分だけが頭がおかしいのではないかという気分になる。
正直うんざりするのだが我慢するほかない。
完全テレワークなど私のスキルでは望むべくもないのだ。
悪口はやむことがない。
ひっきりなしに聞こえるので、今では悪口と会話しながら仕事をできるようになったほどだ。
特に自分が自信がなくなったときや、失敗をしたときはその声は大きくなり、自分のせいでないと証明するまでは聞こえ続ける。
帰りの電車も同様で常に誰かが私の悪口を言っているのだ。本当につかれる。
今日こうやって生産性高く働けているのだから、出社義務などなくなればよいのに。
どうせ今日も寝れはせず、朝は目覚めが悪いのだろう。
一日くらいイジメのない日があっても良いのに......。
ああ、明日も会社に行きたくない。
夜が終わらなけばいい。
」
......ネクラな奴だな。
そんなにイヤならスキルを磨いて転職すればいいのだ。
博士は前回の日記も喜んでいた。
今回のこれも忘れずにメモしておこう。
どうせ時がたてば、この日記もまた消えてしまうのだから。