第三話 ふいなさつい
「しにたいなどという気持ちはどこからでも湧いてくるものらしい
2、3日調子が良かったが今日は調子が悪い
妙に仕事が進まない
現場の上司の評価は高いなどと昨日言ってもらったばかりなのに
そりゃ寝るとき以外仕事をしていれば評価も上がろうというものだ
しかし今日は体力が続かなかったようでミスを連発してしまった
今日も職場で1日誰とも話さず帰宅しようとしたところ帰る道がない
なぜいつも私の道がないのだ
何の関係も無いはずの人間がわらわら道をふさいでいる
帰れない。帰れない。帰れない。帰れない
いや落ち着け、通れるはずだがまた人が増える
結局大きく周り道をして職場から帰る
なぜいつも道がないのだ
家につく
ふと思いだす
帰りは電車を乗り過ごし普段より時間がかかったことに
ふと思いだす
イライラでいつもの1人ごとが倍になっていたことに
ふと思いだす
もう少し会社で落ち着いてから帰宅するべきだったのでは?
ふと思いいたる
道を通れなくなった理由に
はっと我にかえる
カミソリを手に取り首にあてた冷たさに」
また日記に文字がわいていた。
コレで終わりらしい。
どうせまた白紙に戻るのであろう。
報告のためにも覚えておかなくては。