現役女子高生のSNS講座(偏差値低め)
短め
あらすじ
新しいスマホを買った
「「現役女子高生がお送りする〜SNS講座!!」」
スマホショップから少し歩いたところにある評判のイタリアンレストランにやってきた三人と人形一体。
一流のデザイナーが飾る花の角度にまでこだわり抜いたインテリアに感嘆の声をあげたのが10分前。
すっかり周りのオシャレさに慣れ、ランチメニューを注文した後、双子は少し声を抑えてテンション高めに切り出した。
「それ流行ってるのか?」
「それってなんです?」
「いや、なんでもない」
柚も似たように始めてたなぁと懐かしく思いつつ、二人がどのように展開していくか少し期待した。
「まず、涼さんの目指す方向性を決めましょう。大切なのはこうなりたいという目標と、それに向かうための小さな課題、中くらいの課題、大きな課題を立てていくことです」
「といっても脱オタク!だとか彼女を作ってリア充になるんだ!というような話ではないので気楽にできる範囲でやっていきましょう。涼さんのことですから気分が乗らないとやる気がガクンと落ちますもんね」
「流石講師、僕のことをよくわかっている」
勉強やスポーツ、なんでも目標と課題設定は重要だ。褒美を混ぜたり達成感が出てくるとモチベーションが上がってくるものだ。
「涼さんの大きな目標はSNS上に趣味の合う語り合える仲間をたくさん作ることですよね」
「加えて色んな立場や思考を持った人と交流していきたい、ということですよね」
「その通りだ」
「では質問です」
「それに向かうための大きな課題、達成すれば目標が叶うようなステップはなんでしょう」
双子といえど相談なしにここまで話の分担はできない。涼の講義をするために一生懸命考えてきたくれたことがしっかり伝わる。
自分で考えさせることはとても有効だ。答えを学ぶよりも遥かに理解しやすく、応用力も増していける。高校受験を通して身につけたのだろう。こういうところに勉強をする意味があると思う。
「周りに注目されて万人受けする、とまでは言わないが話を聞いてもらえるようになることだろう。SNSで言うならフォロワーの数をたくさん増やすことかな」
「「正解!」」
期待通りの言葉が涼から出てきたため二人は少し大きめに答え、涼を指さした。
「影響力や知名度があれば色んな人が関わろうとしてくれますからね」
「同年代の子たちも快く話をしてくれますよ」
涼の求めるレベルはそこまで高くはない。それを二人は承知の上で涼に講義している。
柚と空、海の考えが一致していて、提示された課題も同じだからこそ、涼は裏付けが取れたと信用度を上げた。
「そして、その第一歩がこのイタリアンです」
「ナイスチョイスです」
「講座に使うのもいいけど、二人の入学祝いでもあるんだからそれは忘れないでよな」
「はい、もちろんです」
「ご馳走になります!」
ここの会計は涼が支払うことになっている。お祝いをするのに加え、講座を開いてもらうお礼もあるので涼は快く奢る気だ。
運良く待たずに入れたとはいえ店内は混み合っている。料理が届くまで少し時間があるだろう。
実技は後にして、今は知識を詰め込むことにした。
展開は柚の時とあまり変わらず光のような投稿をしていくというものだった。
話が纏まってくると頼んだメインメニューが届く。
途中で届いた前菜の鯛のカルパッチョやマッシュルームのサラダを端に避ける。なかなか美味しく、普段味わえない珍しさがあったが、話に夢中であまり手が進まなかった。
空が頼んだのはオマール海老のトマトクリームソース、海が頼んだのはボンゴレビアンコ、涼が頼んだのはトマトの入っているアマトリチャーナ・ロッサ。あまり馴染みのないパスタを目にして頼んでみた。
食欲をこれでもかと唆らせるパスタたちに涼達のテンションは爆上がりする。
柚の貴族おうちセット付属のカトラリーのように霞のない銀色のカトラリーを涼は手慣れたように取り出した。
「じゃあいただこうか」
「「ストップ!!」」
前菜に手をつける時に入学祝いの言葉は送ってある。涼は止められる理由がわからない。
「どうした?」
「ここで実技の時間です」
「さっきは思わず手をつけてしまいましたが、ここでまず撮影会が始まります」
「つまり、この料理を撮って投稿するということか?」
「その通り。普段の食事ではやりませんが、特別なお店に行った時は写真を撮ってあげるようにしましょう」
面倒だと思ったが、光もたまにそんなことをしていたなと今更ながら思い出す。良い料理食べた自慢をして何がいいんだと思うが、郷に入っては郷に従え、だ。
空と海は早速新しいスマホを構え、角度を気にしながら何枚か写真を撮る。
撮るだけでなく軽い写真加工もその場で済ませた。
「こんなふうにやってみてください」
「ストーリーにしてもいいのですが、涼さんの場合は投稿をたくさんしていけばいいと思います。ストーリーはまた今度覚えましょう」
どんなアプリで加工したかはわからなかったが、似たことは純正カメラアプリでもできると踏んだ涼も料理が美味しく撮れるよう角度を工夫して写真に収めた。加工も二人の写真を参考にしつつ自然に見えるようにする。
「ではいただきましょう」
「ああ、改めて、入学おめでとう」
やっと料理に手をつけられそうだ。
普通の高校生は大変だ、と涼は柚のことを思い浮かべながら心の中で呟いた。
最近忙しくて短い投稿しかできません。
ストックもこの章に入ってなくなりましたし、毎日投稿大変!
いつもならあと5話くらいで章が終わるのですが…どうでしょうね。予想不能です笑。
次回
ツーショット(予定)




