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妖精の住処  作者: 速水零
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王子さまのご友人の誘い

あらすじ

柚にも仕事をさせる

 夏休みが終わったのに全く陰りを見せない夏の暑さにうだりつつ、涼は冷えた天国のような我が家へと帰っていく。


 もう二学期が始まって一週間が経ったが、まだ新しい生活に慣れていない。


 原因は夏休みボケという長期休みの弊害、でなはく、新たに木下塾なる学習塾を作ることによって、生活習慣が大きく乱れたからだ。


 涼は金持ちの子で、一人暮らしの生活費はたんまりともらっているのだが、私用に使うお金はほぼ全て自分で稼いだアルバイト代から出している。


 旅行や新しいガジェット品の資金を貯めたい涼にはたくさんのお金が必要だ。稼げるなら遠慮なくボロ儲けに走るべき。


 先週第一回木下塾の授業が開催されたが、結果は上々。また来週も来たいという女の子が多くて大成功と言える。


 やった内容は涼が小学生の頃学んでおいて得だと思った英語や先取りした算数、思考能力向上のパズルや暗号問題など。


 集中力を保たせるため多種多様なジャンルの勉強を一度の授業で変わる変わるやったが、まず準備から大変だった。


 小学一年生がどの程度できるかわからないし、各家庭によって進度も異なる。柚の勉強が少し疎かになってしまったが、テンプレートは作れた。今週分は楽に作れる。


「涼くんお疲れ様。姫もたくさんの友達といろいろ遊んで(本人は勉強だと思ってなかったわ)、とても好評だったわよ。他のお子さん達も良い評価を得ていたし、さすがね。……ところで、この木下塾の話を聞いた他のクラスの女の子が体験したいって言っているみたいなんだけど……」


 第一回は新たに涼と会う子も多かったので挨拶や好感度稼ぎ?にも時間を取られ、次からは素早く授業に入れるぞ、と意気込んでいたところにこんなringが愛からやってきた。


 稼げる時はボロ儲けに走るべき。


(まだ仕事が増えるのか……というか、柚に言われて起業したことをSNSにあげたけど、反響が大きいな。全く知らない意識高い社会人からかなりフォローされるし、投資家からも話がやってくるし……そんな仰々しい会社じゃないんだけどなぁ。ただ税金を払うシステム構築のつもりなのに……)


 涼は愛になんて返信すればいいか長考し、「新入生体験は無料でいいので来たい方は姫達と一緒に来てください」と送っていると、中学の友達、光からringが届いた。


 何かの誘いなのだろうが、珍しく文が長い。


 すぐに返信しなくても大丈夫だと判断した涼は自宅に入り、制服を脱いで部屋着に着替え、ベッドに飛び込む。


「なんだか疲れているわね」


「あー…柚か、ただいま。最近色んなジャンルの人のフォロワーが増えたのはいいんだけど、起業したって話をしたら僕の過去の投稿を調べた人が投資の話を持ってきたり、高校のクラスメイトからいろいろ質問されたりで大変なんだ。加えて姫の隣のクラスの女の子が体験に来たいんだと」


「へー……涼も大変ね。それにしてもよく隣のクラスから入会希望が来たわね」


「基本クラスで交友関係を持つものだけど、遠足や学区の集まりとか色々と交流の機会はあるからな。この辺の幼稚園に通っていた子なんかは元から友達ってケースも多い。今回はそのパターンだな」


「確かにありそう。……そういえば、社会人のフォロワーも増えているけど、女性からのフォロワーもかなり増えてない?」


「まーねー。とにかく疲れる。今日はバイトもないし、残りはのんびり過ごすかな」


 涼は枕に顔を埋めはぁーっと深くため息を漏らす。


 慣れないことを続けると体力がゴッソリ持っていかれるもので、涼はそのまま眠りについた。


 夕食を作り始める頃、自然と目が覚めた。


 柚は涼が寝ている間ずっと教材を作っていたのか、大量のパワーポイントが作成されている。授業はタブレットを用いて行うが、黒板代わりが必要なのでリビングの大きなテレビにパワーポイントを映すことにした。


 どの家庭も子供用のタブレットを持っていたのはさすがである。場合によっては涼がポケットマネーから出して後で経費にしようと思っていたが、手間が省けた。一応5台くらい用意した方がいいと奥様の一人に言われたが。


 涼が通知の確認をするためにスマホを起動させると、光からの通知が多数寄せられていた。


「あー、そういえばすっかり忘れてたな。えーっと……サバゲーの誘いか。長々と夏休みが終わった苦悩を語らなくてもいいっつの」


 中学に入るずっと前からの友達は何人かと中学で知り合った友達数人で涼達はグループを組んでよく遊んでいた。


 最近柚が来てから遊ぶ回数は減ったが、よくringするし、夏休みに何度か会った。


 サバゲーは久しぶりなので涼はテンションが上がっている。


「なになに、サバゲー行くの? そういえば、初めて会った日にうちの近くの裏山登る時サバゲーで使っているライト持ってたわね」


「よく覚えているな。結構久しぶりにサバゲーやってくる。あいつ誘いがほんと突然で今日なんだと。僕が空いていて良かったな」


「ねえ、私も付いて行きたい! なんか面白そう!」


「まあ、いいけど……絶対バレないように、そして、当たると痛いから気を付けろよ」


「わかってるって。私も楽しみだなぁ。最初はあんまし興味なかったけど、あの戦闘アニメ見てからやってみたかったのよ!」


 夏休みにたくさん観たアニメの弊害で、妖精が戦場について行くこととなった。

 

ちょっと初回授業の話が長かったので思ったほど進まなかったです涙。

このサバゲーは初期に考えた構想にも出ているイベントなので書くのが今から楽しみです。


次回

戦場の仲間

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