流れ星きた
『GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞』参加作品です。
3名のコントで想定してますが、2名でもできるかなーと思っております。
ボケ→流れ星
ツッコミ→男
それではお楽しみ下さい。
マンション住まいの男は、一人寝ていた。
ベランダの窓から突然、光輝く何かがやって来る。
それは「流れ星」だった。
男「お、お前は!」
流れ星「やあ、僕は流れ星。願い事を一つ言えよ。でないと帰れないんだ。早く言えよ」
男「早くっておま」
流れ星「あ、でも無理なもんは無理だかんね。願い事増やせとか死んだ人を生き返らせてとかタイムスリップとか、犯罪もダメ。無理だから」
男「じゃあ何ができんだよ。どこまでできんだよ」
流れ星「ジロウをタロウにして下さいとかならできるよ」
男「意味ねえし」
携帯の着信音が鳴る。男はそれに出る。
男「ああサブ、お前か。え、何だって? キョウコが火事で全身ヤケド!? 今どこにいるんだよお前、え、病院? 集中治療室で手術中って……そんな!」
パニックな男を流れ星が肩を叩く。僕、僕、と自分を指さす流れ星。勘づいた男が頷く。
男「キョウコを、治してくれ!」
きらきらりーん、とどこからか音が鳴った。
空中を目でさまよいながら、男は電話に戻った。
男「もしもし? え? 奇跡が起きた? キョウコが治ったって? マジかよ!?」
大喜びで男と流れ星はお互いに顔を見合わせてハイタッチ。しばらく舞う。
それから電話に戻る。
男「よかった、え? 治ったからキョウコがこっちに寄って行くって? おいおい、大丈夫なのかよキョウコ!? 愛してるぜ!」
ハイテンションのまま男が電話を切って振り向くと、流れ星はベランダの窓に腰かけていた。
流れ星「じゃあ、僕帰るね。そうそう、ついでだけど、名前変えといたから」
男「は!?」
流れ星「アスカに」
男「何で!? キョウコだからアス、か!?」
流れ星「いや、アスカ時代が好きだから」
男「飛鳥!」
流れ星「とびきりの美女にしといたから」
男「飛鳥美人!」
流れ星「サービス」
男「マジかよ!?」
ピンポーン、とインターホンが鳴る。ドアを開けて入ってきた。
キョウコ改めアスカ登場。見るからに流れ星の女性版。手にはスーパーの袋を持っていた。
男「キョウコ改めアスカ!」
流れ星「美しい……」
男「美人というよりメス!」
頭を抱える男。
アスカ、袋から肉を取り出して見せた。
流れ星「お、これから焼肉か!」
男「焼かれてきたのにか、アスカ!」
アスカ、ケーキとシャンパンも袋から出してきた。
そしてクラッカーを鳴らす。シャンシャン、と鈴の音がした。
男「そっか、今日はクリスマスだっけ。これ買いに? 俺のために?」
頷いて微笑むアスカ。
流れ星「ヒューヒュー。見せつけてくれるねー。じゃ、邪魔者は去るぜ、とう!」
流れ星、窓から飛び降りる。
男「ああー! って、アレ!?」
窓に駆け寄ったが、顔を下から上に向ける男。
男「あいつ飛べるのか星なのに。どうなってんだ……ん!? 危ないっ、よけろ! 何かにぶつか――」
ドカーン、と大きな音がした。
男「落ちたぞあいつら!? 一体何とぶつかったんだ! あれは」
アスカと顔を見合わせる。
男「サンタクロースだ」