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来ちゃった

 

「ヒマー」


 何も楽しい事が無い。凄い暇だ。

 この世界は何も無い。マジで暇だ。唯一の娯楽である元の世界を見る水鏡は今、師匠達に占拠されているので私は観れない。

 いや、観れるのだが私が観たいモノは見れない。水鏡で何を見るかを師匠達が常に争っているので、正直入り込めないのだ。無用なチャンネル争いが起きている


 チャンネル争いに勝てる気がしないので、私は別の娯楽を探す為、私達が常に居る神殿内を散策。それが終われば未知の闇の世界を散策に出た。

 外には黒く歪な生き物がウヨウヨと居た。あちこちで蠢いており、思わず悲鳴を上げかけた。その黒い歪な生き物を避ける様に散策したが、何度か見つかって声を掛けられたが、攻撃を仕掛けてこなかったので世間話をした


 それが済めば、又も暇になる私。マジで暇ー


「そうだ! 寝床を作ろう!」


 暇過ぎるので、神殿内に私専用の寝床を作る事にした。以前に散策した時に見つけた、とても綺麗な場所に作ろうと決め、そこに移動。

 そこは、この世界で唯一緑の有る特別な場所であり、この闇に満ちた世界の中で唯一の明るく輝いた場所でもあった。何故、室内で緑が育っているのか、何故ここだけ明るいのか疑問だが、深く考えないようにしておく。


 私はそこに闇に仕舞っておいた大きめのテントを取り出し設置。テント内に闇に入っていたベッドやソファー、テーブル等を設置し住みやすい環境を整えた。

 テントを出ると綺麗な水辺も有り、もうココが本当に闇の世界なのか分からなくなる。


 それも済めば、私はまた暇になる。


「あー! あー!」


 声を出さないと言葉を忘れそうだと思い、偶に1人で大声で歌ったり早口言葉を話して遊んでみたが虚しくなるだけだった。ぼっちつらっ……


 それにこの世界、ずっと真っ暗なので日の感覚が無い。いや、そもそも時間と言う概念が無いので日が進む事は無いのだが……。

 時間が進まないので眠気とかも来ないが、あまりにも暇すぎて私は良く寝ている。


 ある日起きると、私のお気に入りのクッションが無くなっていた。慌てて探すとハイドにパクられていた事が判明。人の取るなよ





 ある日 (日の感覚は無い)私は有る事を思い付いた。


「殊技使えば帰れるんじゃね?」


 私の殊技を使えば、こちらからあちらの世界に行けるのでは? っと……。かなり難しいが不可能では無いと思い、何度か試してみたが無理だった。

 それもその筈。私の体には黒の宝玉が有り、この世界から出る事を許されていない身だ。だから、幾ら殊技を使い世界を渡ろうとしても、この世界から出られない。

 それに、黒を保持したまま元の世界に戻る事はマズイだろう。仕方ない、この体は諦めよう


「この体がダメなら、別の体を作ればいいじゃない!」


 ならば別の肉体を作って、精神を移し動かす事が出来れば何とかなるのではないか?

 私は早速実験した。しかし、上手く行かず何度も失敗を繰り返した。まぁ、時間はたっぷり有るし気長に作ろう

 何度も失敗を繰り返す事、数ヶ月 (時間という概念は無いので、あくまで私の感覚)。私は漸く肉体を作る事に成功した。

 この世界の鉱物を媒介に私から魔力を常に送り、肉体を維持出来る様に作るのにかなりの時間を費やした。しかし、出来た肉体は何故か小さい。幼女の姿をしていた。これ以上は今の私では出来ないだろうと踏み、これで我慢する事に。

 その後、その肉体に精神を移す方法を模索する事、数ヶ月 (あくまで私の感覚)。やっと新たな肉体をGETした。

 小さい服は持ってなかったのでマントを羽織り、完成! これならば世界を渡れるのでは?


「師匠ー!」


 完成した新たな肉体を師匠に自慢しに行く。私の姿を見た師匠はかなり驚いた顔をしたが、幼い姿をした私が可愛かったからなのか抱っこしてくれた。ムホッ! 師匠の胸板! この体、結構良いかもしれない


 師匠と別れた後、私は寝床に戻り、いざ! 元の世界へ!





 結果は成功! 私は元の世界の地に降り立つ事が出来た。師匠達、悪いね!


「さてー? ココは何処かなぁ?」


 小さい私は現在地を模索中だ。


「佳月?」


 後ろから声を掛けられた。この姿で直ぐに私と気付くとは! 何奴⁉︎


「あ、兄様じゃん」


 兄様であった。まぁ、納得だ。兄様は幼い頃の私の姿を知っているので一目で私と判断出来ても可笑しくはない。


「な、何でお前が⁉︎ それに何だ、その姿⁉︎」


 驚いた兄様は私を持ち上げる。自然と兄様と同じ目線になった


「いや〜。向こうの世界が退屈で退屈でー。来ちゃった」


 語尾にハートでも尽きそうな言い方をした。


 その後、兄様にココが何処なのか聞いた。ココは黒と白が戦った場所、つまり、最終決戦の地である。






「で、何で帰って来たんだ?」

「暇だったから」


 所変わって三ツ葉の邸宅。私は久し振りに自宅に帰って来たのである。帰るや否や母に泣かれ、申し訳ない気持ちになった。弟には小さくなった私を見て、変な顔をされたが無視した。


 そして兄部屋に入り事の経緯を説明。その後に何故帰って来たかを問われた。


「暇って……」

「暇だよ。何もする事ないし、師匠は構ってくれないし、チャンネル争いは酷いし、黒い歪な生き物はキモいし……」


 私は向こうの世界が如何に酷いかを兄に愚痴った。話を聞いた兄は引き攣った顔をしていた

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