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悪夢

 

 目を開けると見慣れた天井だった。


 私は体を起こし、いつもの様に準備をし、居間に行く。そこには既に私以外の家族と親戚達が集結しており、朝食を食べていた。私は兄の隣に座り、準備された朝食を取り始める


「今日はどうする?」


 横に居る兄様に今日の予定を問われた。何をしようか考えていなかったので、返答に悩む。う〜ん……。何をしようかなー


「ユックリすれば良いじゃない。明日には帰るんでしょ? 休める時に休んでおかなくちゃ」


 母に言われ、私は頷く。そうだ。明日には()に戻らないといけないのだ。城に居る時は忙しくて休む暇など無いに等しいのだから今のうちに休んでおかねば。

 私は母の提案に頷く。

 朝食を食べ終え、食器類を片付けてから部屋に戻る。戻る途中で兄に呼び止められた。そしてたわいもない話する


「明日な!」


 話終えると、兄様は満面の笑みで明日に会おうと言い、去って行った……。







「何じゃこりゃーー!!」


 私は部屋に戻り、近くに有った物をひっくり返し返して叫んだ。何、この不気味な兄様。何、この不気味な親戚。何、この不気味な一族!


 親戚が私に対して謙って居た! 兄様が私に慈愛の表情を浮かべて居た! 気持ち悪っ!!


「これは夢だ。夢だ」


 夢としか思えない。こんな日常有る筈がない。コレはアレだ。安息(レクイエム)の影響だ!


 やっと状況が読み込めた私。夢を夢と気付くのは可笑しいが、仕方がない。あまりにも不気味すぎる一族に夢も醒めると言うモノ。実際、覚めてないが……。


「夢ってどうやったら醒めるの?」


 もし、本当に安息(レクイエム)の影響ならば、直ぐに現実に戻らねば! 外がどうなって居るのかは分からないが、早く戻らねばソフィア様と同じお人形扱いされる。そうなれば、足手まといだ。それだけは嫌である。早く何とかしないと……

 私は部屋に篭り、夢から醒める方法を考えては実行してみたがダメだった。


 結局、次の日になり、城に行く事に。何でも私は六花らしく、城でもかなり権力を持つ者らしい。一族の皆んなは、そんな私を誇りに思うと褒め称えて居た。気持ち悪っ!

 兄様と城に戻る。現実では次期当主様も城勤めだが、私の夢では次期当主様は家で当主修行してる。

 思ったのだが、何故、現実の次期当主様はお城勤めしているのか。普通に家で踏ん反り返っていたらよくね? っと私は思ってみる


 城に着き、部屋に戻る様に言われた。しかし、自らの部屋が分からない。困った……。


「あ、師匠!」


 そんな時、師匠が通り掛かった。助かった……。師匠に私の部屋の場所を聞いてみると


「俺も探して居る」


 っと返って来た。この人、城で迷子になっているらしい。このままでは共に居る私まで迷子扱いだ。どうするか……


「お前が迷うとは珍しいな」

「いや……。迷ったというか……。まぁいいや。迷いました」


 言い訳を考えるのが面倒なので、迷った事にした。その後、師匠とその辺をブラブラ散歩する。誰か知り合い居ないかなー。

 そこで先程、別れた兄様を発見! 兄様にそれとなく部屋を訪ねてみる。


「はぁ……。リンドヴァル様、また迷子になられたのですか? 良いですよ。案内します」


 気持ち悪いくらい爽やかな笑顔を見せてくれた兄様に、私は若干鳥肌が立った。そして、師匠は迷子の常習犯らしかった。何やってんですか師匠。

 兄様は優しく私達を案内してくれ、目的の部屋に到着。師匠の部屋は私の隣の部屋だったらしく、兄様に案内されやっと自室に戻れた様であった。私も自室に入る。入ると、あら不思議。私には合わない豪華過ぎるお部屋だった。

 一息付いたら、何とか目を覚まそうと頑張ってみるが無理。このままでは、この不気味な夢と一生付き合う事に成りかねない。そんなの嫌だ!


 次の日、私は女王であるコルネリア様のお世話をしている。何でも夢の中の私は、女王のお世話係 兼 六花らしい。そんな大層な肩書きなのだなぁ……。

 他の六花にも会ったり、アキラや純菜、メガ萌、花弦にも会ったりしたし、何をしているのかクレマチスのジィジも居た。中にはイネスとか言う犯罪者も普通に職員として働いて居た。どうなってるんだ、この夢。

 しかし、六花に会ったとは言ってもハイドには会って居ない。今は、遠征に行っているとか何とかで城には居ないのだ。会うのは当分先になりそうだ。


 そして数日が立つ。夢の中で寝るという謎の行為にも、そろそろ慣れて来た頃である。

 最近になって気が付いたのだが、私の失くした左目は健在で、体も健康だった。夢だから、ご都合主義で何でも有りなのだろう。





 ある日、修行中に師匠に問うてみた


「師匠は『コレは夢だなぁ』って思った時、どうやってます?」

「はぁ?」


 首を傾げられたので丁重に説明。夢から醒める方法を聴いてみた


「なんだ? 怖い夢でも見たのか?」

「違うんですが……。いや、怖い夢ですね現在進行形で」


 真顔で言う私の頭を師匠は無言で撫でて来た。優しさが沁みる!


「そもそも、夢だと気付く事があるのか?」

「私は気付きました」


 師匠に問うてみたが進展無し。仕方なく別の人に聞こうと思う。

 私が新たな決意を胸に秘めていると、


「今日、ハイドが返って来るみたいだぞ?」


 っと師匠は教えてくれた。別にハイドが返って来るなんてどうでも良いのだけれど……。特に必要の無い情報だ。


「慰めてもらえ」

「何でですか」


 真顔で恐ろしい事を言う師匠。ハイドに慰めを期待するとか愚の骨頂だ。あいつが人を慰める訳がない。それに、ハイドに慰めて欲しくない! 絶対嫌だ。

 そう師匠に言うと……


「恋人だろ?」

「……」


 まさかの展開に私は倒れた。あんまりだ。



 もう嫌だ、こんな夢……。夢なら覚めてくれ……

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