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私はMになる!

 

 目が醒めると知らない天井だった。酷く痛む体に鞭打って起き上がり辺りを見渡す。そこは、とても豪華なお部屋だった。まるでお姫様にでもなった様な気分になる。しかも私の寝ていたベッドはお姫様ベッドみたいに天蓋付きだ。女の子が一度は夢見るベッドである


 見渡しても本当に知らない場所だったので、私は定番のボケをかましてみる事にする


「此処は誰? 私は何処?」


 ちょっと悲劇のヒロイン風に言ってみる


「バカ言ってないで、状況を把握しろ」

「いでっ!」


 誰かに後ろからチョップを食らった。誰だと思い視線を後ろに向けると……


「あ、ハイドだ。師匠も居る。これ、どういう状況?」


 私のベッドに腰をかける2人。手には手錠が嵌められて居り、動き辛そうだ。そして私にも手錠が付いている。どう言う事? そしてこの手錠、魔法系統が使えなくなる手錠らしい。私の殊技が発動しない。チェッ!


「状況が理解出来ません。何が有りましたっけ?」

「「はぁ……」」


 2人揃って溜息を吐かれた。そして親切にも状況を教えてくれる。


 まず、私が久遠に捕まった後、奴は銃で私の体のどこかを殴り、気絶させたらしい。その後、久遠は私を餌に迷子だった師匠を確保し、次に、広場から逃げ果せたが煙幕の効果で動きの鈍くなっていたハイドを確保。

 そして久遠は私達3人を連れて広場に行くと、ベロニカ以外は消えて居たらしい。そのベロニカは広場に横たわっていたのだとか。ベロニカの周りには夥しい量の血が流れて居り、それはベロニカから流れているものだと一目で確認できた。

 念の為、久遠がベロニカの脈を確認したが、既に脈は無く死亡が確認された。ベロニカが持って居た黒の宝具の行方は分からないそうだ。

 そして久遠はベロニカの亡骸と私達3人を持って王都に帰還したっと言う訳らしい。久遠、優秀かよ……。


「ベロニカが死んだ⁉︎」


 聴き終わり、始めに突っ込んだのはベロニカの事だ。まさか、あの強敵が居なくなるとは……。私の知らない間に一体何が


「恐らくギースだろう。ギースとベロニカには薬に耐性が有る為、あの中で死闘が出来た。その死闘はギースの勝ちに終わり、ベロニカから黒の宝具を奪い取り、その辺りに転がっていた奴らを連れて逃げたのだろう」

「黒をギースが持って居るのならば問題ないだろう」


 敵であった純菜とアキラの行方も分からない事からギースが連れていったのだろう。また、パーティーメンバーの交代かよ……。


「というか、師匠は私を餌に捕まったって……」

「あぁ、お前を人質に取られた」


 それで大人しく捕まってくれるなんて……。師匠は私を見捨てるだろうと踏んでいたが、そうではなかった様だ。ちょっと感動した


「きゃー、素敵! 師匠、結婚してー」


 棒読みで言いながら、私は師匠にタックルをかます。抱きついてやろうと思ったが、手が繋がれていて抱きつけなかったのでタックルをお見舞いした。しかし、師匠にはダメージは行っていない様だ。

 正直、私は内心穏やかではない。自分の所為で師匠が捕まるとは……。どうすれば良いのか。私は師匠に引っ付きながら思案する

 何故、師匠は私を見捨てなかった?

 今、キャンピンには戦える用人はギースただ1人。ハイドは仕方ないとして、あの時、師匠が私を見捨てて逃げていて居てくれれば、キャンピンには充分な戦力が残った筈だ。師匠もそれが分からない筈は無い。なのに何故、私を取った? 優先すべきはコルネリア様だろう?


 私は師匠の背中にグリグリと額を押し付けながら、考える。しかし、次の師匠の言葉で全部吹き飛んだ


「……良いぞ。だが、全て終わってからだ」

「ファッ⁉︎」


 私は思わず顔を上げて師匠の顔を凝視する。何事だ⁉︎ この人、どうした? さては偽物だな? 本物の師匠を返せ! ほら見ろ、横のハイドも目を見開いて凝視しているぞ!


 私が混乱していると、師匠はフッっと笑った。そして無言で頭を撫でて来た。

 何だ、冗談かよ。ビックリしたわ。最近、師匠は冗談を覚えてしまった。心臓に悪いわ。まぁ、これも成長したと思えば……。


 私がムクれて居ると、扉の開く音がしたので扉の方に向くと久遠が入って来た。とうとう来たか。この前の殴ってくれた恨み晴らすべし!


「随分、可愛がっているな、リンドヴァル。弟子は可愛いいか?」


 久遠の手には、いつぞやにも見た注射器があった。これはアレだ。安息(レクイエム)だ。打つ気ね! 打つ気なんだね!


 それを確認した師匠が私を背に庇う。これは何ですか? 私は守られるヒロインですか? そんなの嫌だ! 私はヒーローになりたいんだ! 私は師匠の背から飛び出してベッドの端に跳ねて転がって逃げた。側から見たら遊んでいる様な光景だが、私は至って真面目に行動した。


「おや? 目覚が覚めたんだね」


 久遠の後から王様と例の双子が登場した。ここにギース以外の黒の持ち主集まってしまった!


「さて、準備しようか。ラミル、カミル」


 王様が双子の名前を呼ぶと、2人は心得たと言う様に1つ頷き、師匠とハイドの元に向かう。私はそれをベッドの端で傍観していた。よく見ると師匠とハイドは手錠で繋がれているだけでなく、足枷も付いていた。これでは反撃などままならないだろう。

 2人はこの部屋に有る椅子に座らされ、鎖でグルグルに縛られる。

 前にも言ったがイケメンが縛られているのは、見ていてドキドキする。イケナイ何かが目覚めそうだ


 2人を縛り終えた双子の2人は私の元に。何でコッチに来るの? 来ないで下さい、お願いします


「君の体は、かなり酷い状態だ。だから、君には大人しくしてもらう」


 そう言って王様は安息(レクイエム)をチラつかせて来る。やっぱり打つ気なのね!


「前回は失敗したから、次は失敗しない。同じ轍は踏まない主義なんだ。悪いけどソフィアと同じ手を使わせてもらうよ?」


 そう言うと王様は久遠、カミル、ラミルに私を抑えつける様に言いつける。男3人にベッドに抑えつけられた私。側から見たらヤバイ構図だな


「佳月ッ!」


 私から見えないが師匠から悲痛な声が聞こえて来た。これは、師匠達の前で拷問する気か。そして堕とす気だな。羞恥プレイとはお主なかなかやるな! しかし、私は時と場合によりSにもMにもなれる存在! 立派なMに成りきってみせる!


 王様がユックリと近づいて来て、私の側に立つ。ここで私は現実逃避をする為、目を瞑り兄様を数える


 兄様が1匹、兄様が2匹……。


 これで万事オッケーだ。しかし、いつも同じはキツイし、バリエーションが無いのは辛い。よし、次期当主様も追加してやろう!



 そういえば、最近、次期当主様見てないな。何してるのかな?

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