経験の差
「貴様ら、付け焼き刃の徒党が束になった所で私には敵わんよ」
経験の違いだとベロニカは言う。確かにベロニカはギースと年齢が同じくらいなので、人生経験は豊富だろう。そして戦闘経験も。私達若者には負けないと言う事だろう
「生きたまま連れて行くのは宝玉の持ち主だけ。後は宝具と首でも持って帰れば良かろう」
何度目かの万事休す! 大変だ! 師匠とハイドが殺されてしまうよ! 早く何とかしないと!
そんな時は……
テレレレッテレー!煙幕ー!
私は影から煙幕の出るヤツ (名前知らない)を投げて辺りをモクモクにし、ベロニカから私達を見えない様にする。その隙に師匠を連れて……
「ギャース⁉︎」
なんか剣が飛んで来た! 正確にコチラに飛んで来た!
「これしきで逃げられると思うな」
「ですよねー」
流石、最強。煙幕も何のその。見えていなくても私の位置が分かるらしい。流石だ!
「関心してる場合じゃねーわ」
また投げられたら怖いので師匠とハイドを回収して影にダイブ。忘れかけたが兄様も、しっかり回収。間違えてアキラの方も回収してしまった。
影を通り出た先は謎の迷路であった。何だコレ? 迷路の中にはジェノサイドがワラワラと居り、大変気持ちが悪かった。
「ここにイネスは逃げたのかな?」
私はちゃっかりアキラを縛りながら師匠達に問うが返事はなかった。有ったのは近くから聞こえる轟音。何事?
「わーお」
真後ろの壁が破壊され、ベロニカ登場。壁破壊出来るとか迷路の意味がないな。だって真っ直ぐに破って行けばゴールに着くではないか
まぁ、影を通り壁をすり抜ける私が言うなという感じだが
「何で私達の居場所分かるんですかね?」
「黒の宝具だ」
「あー」
黒い宝具の所為で私達の居場所がベロニカにモロバレだ。ならば師匠達置いて逃げた方が良い? それとも自身の限界超えて皆んなで逃げるのが良い?
「全く……世話がやけるの……」
私がジワジワと後退しながらベロニカから距離を取っていると、ベロニカの背後からギースの声が聞こえて来た。
「遅いので様子を見に来て見ればコレだ。全く若いモンは……」
「同感だな」
ギースの言葉にベロニカが応じた。何が「若いモンは……」なのか分からないが、取り敢えず喧嘩を売られた事は分かった。宜しい、ならば戦争だ!
「ほれ、リンドヴァル、ハイド。お前さんらはイネスを追え。ベロニカは儂が殺る。なーに、ちょっと昔の様にじゃれ合うだけじゃ」
じゃれ合うとか言いながらキッチリ殺ると言っているギース。
実はこの2人、結構因縁の有る2人なのだ。元六花のギースと現六花のベロニカは同期らしく互いに切磋琢磨し合って励んで来たらしい。2人はライバル関係で実力は互角だそう (師匠談)。
そりゃ、互角のギースと、それ以下だが六花のハイドと師匠が合わされば、幾ら最強と言われるベロニカも逃げに徹するだろう。そのギースの代わりを私が務めても勝てる訳なかったわな
「所で師匠」
私は気になった事を師匠に聞いてみる
「何だ佳月」
「……今のキャンピンに戦力誰も居ませんけど大丈夫ですか?」
コチラの話が終わるまで、やっぱり待ってくれるベロニカ。だから親切かっ!
「キャンピンは大丈夫じゃ。……多分」
っとギースが言う。最後の多分はかなり小声だった。本当に大丈夫なのか⁉︎
「兎に角、ベロニカは任せよ! この狭い空間では儂の方が有利じゃ!」
っと言う訳でベロニカはギースに任せて師匠達とイネス探しに出かける。兄様は戦力にならないのでギースの側で捕まえたアキラの監視係だ。
「レッツゴー!」
私は元気良く駆け出す。だって早く離れないと巻き込まれそうだし……。ん? 置いて行った兄様? それは、きっと大丈夫だよ。何とかなる
迷路で固まって移動するのもなんなので、私達は手分けして探す。本当にイネスが居るのか分からないし、ギースがベロニカに1人で勝てるのか分からないが、何も考えず只管突き進むのみとする。
只管歩き続けると、迷路が面倒になったので壁を抜けて行く事に。すると直ぐに出口に付いた。迷っていた時間は何だったのだろう。
取り敢えず、出口から出ると通路が有った。出口ではなかったのだなぁ……。通路を抜けると、研究室の様な、エンヴィーが出た広い場所に行くまでに通った道に出た。迷路を通らなくても広場から出れたじゃないか……。
「迷って居ても仕方ない!」
私は進む。この時、私は忘れて居たのだった。数十分前に師匠が「2つ黒い気配がした」っと言っていた事を……。
てへっ!




