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若君との再会!

 

『さて、出来れば君は生かしたいからね……。程々で終わらせ……。あれ?』


 イネスの言葉が終わる前に私の殊技で圧殺した。夥しい量の血が辺りに飛び散る。

 ラッキーな事に今回の個体は魔法系統の無効化は付いて居なかったので簡単だった。

 私は羽を広げ、イネスの居る所まで飛び、ガラスを叩き割る。


「いや……流石、リンドヴァルの弟子。やはり、強いな」


 先程までのテンションは何処へやら、かなり冷や汗をかき出したイネス。隣に居たアキラも若干、冷や汗をかきながらイネスの前に出た


「私に勝つ気ですか? 若様」


 アキラは幼少の頃の私にも勝てなかった。流石に彼女はあの頃よりも強くなって居るだろうが、私の敵では無いだろう。これは花弦最強のギースが言っていたので信用出来る。なので強気で言ってみる事に


「貴女は私に勝てませんよ?」


 たとえ制限時間の有る私でも、勝利は揺るがないとギースが言っていた。ならば恐れる事は何もないだろう


「確かに……。昔は君の方が強かったね佳月。でも、僕も大分、強くなった。超えさせてもらうよ?」


 斬りかかって来たアキラを軽く払い、こちらから攻撃を仕掛ける。普段は肉体の負担を強いる行為をしたくないので接近戦は避けているが、今回は私の強さを認めて欲しかったので接近戦に持ち込んだ。

 私の刀とアキラの刀が交わる。何度も斬り合うが、やはり技術は私の方が遥かに上らしく、どんどん押されて行くアキラ氏。


「くっ!」

「私の勝ち」


 アキラの刀を弾き飛ばし、私の刀を首筋に当てて勝負有り。実に呆気なかった

 私は刀を引き、アキラから距離を取ろうとした瞬間……


「まだだ」


 急にアキラの気配が変わった。そして次の瞬間!


「くっ!」

「眩しい!」


 急に辺りの電気が付いた。今まで暗い中にいた私達の目は突然の光にやられた。眩しい! 目が、目がぁ〜!


「僕の殊技は【光を操る】だ!」


 漸く光に慣れた頃、アキラは光の球体を作り出していた。そしてコチラに放つ。私は慌てて回避の為、影に避難。そして兄様の影から出てくる。


「私と真逆な殊技だね」


 闇を操る殊技を持つ私と、光を操る殊技を持つアキラ。私と真逆の殊技ならば、明るければ無敵に近いだろう。

 今、此処は明るい為、勝てる気がしない。何が問題無く勝てるだ! ギースの嘘つき!


「行くぞ!」


 球体からレーザーよろしく飛んで来る攻撃を影を操り撃ち落として行く。ちまちました攻撃では私を殺れないと悟ったのか、大きな攻撃に変えて来た。

 天井から極太レーザーが降って来るのだ。それも何発もだ。当たればタダでは済まないだろう攻撃の嵐に流石に冷や汗も流れてくる。しかし、負けてはいられない。私も直ぐに応戦する。

 光有る所には闇は有る。有り難い事にアキラの攻撃のお陰で影が大量に出来ているのだ。これは好機だ。

 私が動こうとした瞬間、私の目の前に太い剣が突き刺さった。見覚えの有る剣。それは


六花最強(ベロニカ)……」


 ベロニカの剣であった……。まさかの自体だ。何故、この男が此処に?


 ベロニカの姿を確認するとアキラの猛攻も止んだ。


「アキラ代われ」

「しかし……」

「続ければお前は負けていたぞ? なのに続けたいか?」


 アキラは渋々、下がった。そして私の前にベロニカがやって来る。


「兄様……。何でベロニカ居るの?」


 あまりに予想外の出来事過ぎて兄に聞いてしまった。兄が知っている筈は無いと分かっていたのだが、現実逃避の為には仕方がなかった


「此処が【アドリウス】だからな」

「マジで⁉︎」


 思いもよらない答えが返って来た。

【アドリウス】とは私達の国の名前である。いつの間にか私は故郷の地に帰って来ていたらしい。マジでか……。そりゃ、師匠達も私を眠らせて大人しくさせたがるわな。敵地と言っても良い、故郷でいつもの様に勝手をされて捕まる訳にはいかなかったのだろう。すみません師匠。考えの足りて無い弟子で……。


「すまんが、大人しくしてもらうぞ?」


 ベロニカの剣が宙を舞っている。それは、まるで剣の踊りの様だ! とか言ってみる。


「……全力で逃げたら逃げられるかな?」


 私は及び腰になる。だって六花最強の相手なんて冗談じゃない。勝ち目は万に1つもないのだ。


「やけに弱気だな」


 兄様は屁っ放り腰になりながら言って来た。辛うじて構えている剣はプルプルと震えていて、とても情けない。


「ベロニカの殊技は確か……」


 そんな兄様を尻目にベロニカの殊技を思い出す。確か、殊技と魔法全般を無効にする能力と6本の剣を自在に操る能力だった気がする。

 コチラの殊技と魔法はベロニカの無効化能力により完封され、ベロニカのもう一つの殊技で攻撃を加えて来るというチート級の能力だ。面倒極まりない。

 そして、先程までと違い辺りはライトで明るく照らされ、私の力は殆ど使えない。これは、オワタ


「構えろ」


 ベロニカが言う。私は刀を構え戦闘態勢に入る。勝てない相手だが、逃げに転じれば逃げる事は可能だろう。そうすれば白い宝具の行方は分からなくなり、イネスも取り逃がすが、ここで私が捕まるよりマシな筈だ。

 いや、どうだろう? ハイド辺りはキレて来そうだ


「行くぞ」


 ベロニカの殊技により宙に舞う黄金の6本剣と、ベロニカ自身が持つ2本の剣。合わせて8本の剣を構えたベロニカが私に突っ込んで来た。

 私はもう1本の刀を取り出して二刀流にする。これでも防ぎきれないだろうが、無いよりマシだろう。


「いざ!」


 私も勢いをつけ、ベロニカに突っ込む。




 不本意だが六花最強とのバトルが幕を開けた。

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