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兄様と一緒

 

 ジェノサイドに付いて行く事、数分。不気味な雰囲気の廃墟に到着した。

 中に入って行くジェノサイドを追いかける私と、嫌々付いて来る兄様。


「先生にどやされる……。リンドヴァル様に殺される……」


 後ろでブツブツと何かを行っているが無視する事にする。


 ピピッ


 首のチョッカーから何か聞こえて来たが、コチラもスルーしよう。何んだか嫌な予感がするけども。


 中に入ったジェノサイドは入って直ぐの地下室への入り口を開けて中に入って行く。それに私も続く。


「暗っ」


 暗いのでいつもの様に暗視の魔法を使い、見える様にする。しかし兄様は暗視の魔法が使えないらしく、困っている様なので、優しい妹である私が懐中電灯を貸してあげた。


「まぁ、無いよりマシ……。ギャー!!!!」


 ライトを付けた途端、騒ぎ出した兄様。やれやれだ。

 兄様の視線の先には、ジェノサイドの群れが居た。確か前もこんな感じだったな。


「騒ぎ過ぎだよ兄様。五月蝿い」

「騒ぐに決まっているだろ! これを見ろ! うわー!! 襲って来たーー!!!!」


 一目散に走り出す兄様。私はパパッと殊技でジェノサイドを倒し、兄様を追いかける。隅でプルプルと震えている兄様に思わず吹き出してしまう。


「あはははっ」


 何だか可愛らしい。


「先行くよ(あに)様」

「ま、待て!」


 私の後ろをビクビク震えながら付いてくる兄様に、場違いだがスカッとしてしまう。普段、どんなに私を下に見ようが、私の方が遥かに兄より優れているのだと兄に現実を突き付けるこの瞬間が楽しいのかも知れない。酷い性格になったものだと、自分でも自覚はある。しかし、大半は師匠による教えと黒い宝玉の所為だっと責任転換しておく。


『ブラボー!! お久しぶりだな、佳月君!』

「ひっ⁉︎」


 いつぞやの様にスピーカーから聞こえてくるテンションの高い声。その声に兄がピクリと反応して縮こまった。兄様よ、本当に男か?


「私の名前、ご存知なのですね」

『勿論だとも! 君の名前は王から聞こえてるよ。王は君を生かしてお持ち帰りしたいらしいから、ここでは適度に相手する事にしよう! いや、まさか君が黒い宝玉の持ち主だとわねー』


 相変わらずテンションの高いマットサイエンティストのイネスに気になって居る事を聞いてみた。それは……


「【一ツ葉】の家紋」


 そう、一ツ葉の家紋の謎だ。私が思うに一ツ葉の若君が出て行った時に若君を拾ったのが、イネスだったのでは? っと推測している。でなければ、イネスの研究施設に一ツ葉の家紋が書かれていた理由が他に無い。


『アキラの事だね……。そうそう、アキラも君達に会いたがっているよ?』


 それだけ言うとイネスはスピーカーを切った。スピーカーからは何も聞こえてこなくなり、辺りには静寂が訪れた。


「ビンゴだね」


 やはり、一ツ葉の若君 (姫君)はイネスの元に居るのか。ならばする事は1つ!


「帰るか兄様!」


 そう、キャンピンに帰る事だ。


「えぇ⁉︎」


 私の言葉に兄様は目を見開き、驚きの声を上げる。だって別に今更、会いたいないんて思わないし……。ただ、何で家紋が書かれていたのか気になっただけで謎は解けたのだから、もう満足だ。

 さぁ、帰ろう。そして、師匠に謝って、永久睡眠の刑を取り消してもらおう。


「いや、俺は家を代表して問いたださねばならない!」

「あ、そう? じゃ、頑張って」

「まてーい!」


 兄様と軽いコントをして居るとスピーカーから声がした


『君は案外ドライだね。誰に似たんだい?』


 通信切ったんじゃなかったのかよ


「さぁ? 強いて言うなら師匠?」


 師匠に責任を擦りつけておいた。すまん師匠。


「ほら、行くぞ!」

「えー……」


 渋々、付いて行く私。その後は、先程と同じで私が戦い兄様が悲鳴を上げて後退を繰り返す。正直、飽きてきたので帰りたい。


 やっとの思いで地下3階へ。地下3階には前と同じ様にチェーンソーを持ったジェノサイドが居たが、それも難なく突破。そして……


『ようこそ! 三ツ葉の諸君!!』


 広い場所に出た。その広場の上の方にガラスが貼られた場所が有り、そこにはイネスと、昔の面影を残したままの若君が居た。

 若君は一見すると男に見えなくもないが、女だと言われると女にしか見えなくなる。不思議だ。


「アキラ! 話が有る!」


 兄様は上を向き、若君に声をかける。


『何かな、ハル』


 ハルとは【晴間】、私の兄様のニックネームだ。


「何故、指名手配犯などと……」

『恩人だからね。それに、彼の思想には思う所が有る。だから協力してるんだ』


 若君、もといアキラの声はまんま女だった。これでは男装はバレてしまう。


『やぁ、佳月。大きくなったね』


 突然、話掛けられた。


「でしょ?」


 他に言う事が見つからない。今更、何て話したらいいのか?


『感動の再会はもういいかね? そろそろ、テストがしたいのだが……』


 何を聞こうか、何を話そうか迷っていると、イネスが割り込んで来た。


「テスト?」

『そう、コイツの実験じゃ!』


 イネスが言うと、奥の扉が開き、何かが出てきた。それは……


「【エンヴィー】か」


 以前の様に塊魂と化したジェノサイドの真ん中にエンヴィーが居た。以前と違う所は全体がドス黒い所だろうか? それ以外は前回戦った個体と同じに思える

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