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黒くてキモい生き物が⁉︎

 

 歩いても歩いても同じ様な光景が続く。


「はぁ……」


 私の肉体は弱体化しているので、前までの様に何日も休み無しで動く事は出来ない。たった数時間歩くだけで肉体は悲鳴を上げる程であった


「情けない」


 自傷気味に笑う。本当に情けない。こんな姿、兄様には到底晒せないな。


「ヨイショっと」


 私は再度散策と言う名の帰り道探しを始める。いっそのこと、影を通って外に出ようか……なんて考え始めた頃、かなり拓けた場所出た。

 なんと、そこには私達メンバーが探し求めている物、つまり白い宝具が有ったのだ


「嘘っ⁉︎」


 こんな所に有るとは……。確かに此処に有れば、誰にも見つからないだろう。

 私は白い宝具の元に近寄る。それは何か見た事も無い文字で書かれた入れ物に入っていた。何の文字だろうか?


『クックック……。此処に人間が来るなんて久しぶりだぁ』

「……⁉︎」


 後ろからネットリとした女の様な声が聞こえて来た。思わず振り返って後悔する。そこに居たのは先程見た黒くて大きくて気持ち悪い6足歩行の生き物であった。怪物からは異臭がしている。そして、顔に当たる部分にはお面の様な物が付いており、それが更に不気味さを一層させる。


『美味しそうだぁ……。美味しそうだぁ』


 涎を垂らし始める怪物。これはヤバイと思い、白い宝具の入った入れ物を影に仕舞い、逃げる態勢を取る。戦うのはマズイ。私は既に消耗しており、全力では戦えない。


『そうだぁ。食べちゃう前にお話しようよー。そうだぁ、人間って階級っていうのがあるんでしょう? 今まで此処まで来た人間はいつも、自身の階級を自慢してたよ? 「メディウムである私が負ける筈が無いだろう?」とか「プローウォカートルである我には勝てないから引け」だとか言ってたよぉ。君の階級は?』


 階級制度を知っているとは……。取り敢えず素直に言って見る事に


「ウィークトゥスだよ」


 私がそう言うと目の前の怪物は動きを止めた。そして直ぐに大声で笑い始める。


『アハハ! フハハッ! ウィークトゥスって! 1番弱いじゃん! アハハ!』


 正直、怪物にまでバカにされるとは思わなかった。流石に人間に言われるのは慣れて来て居たのだが……この怪物に言われるとかなり腹が立つ。

 転げまわる怪物を見て殺意が湧いてくると同時に、内側から黒いオーラが出てくる。それを見た怪物が動きを止めて首を傾げ出した


『ウィークトゥス? 何故、黒い(フロース)を持ってる?』

「……⁉︎」


 この怪物は黒い宝玉を知っているのか?


「宝玉を知ってるのか?」

『それは、我らが主人の体の一部。心臓の部分』


 初知りだそれ! しかも主人って言ったという事は邪神の手下? マズくないかコレ……。


「邪神の手下?」

『うーん。手下というより、子供かな? 我らはかの神から生まれた存在。それを持つという事は我らの同胞だね? 美味しそうだけど、食べるのは辞めてあげよう。ねぇ、皆んな』


 怪物が言うと同時に、ワラワラと同じ様な姿をした怪物が出てきた。コレはマズイ。マジでマズイ。


 集まって来た怪物は聞いても居ない事をペラペラと話し始めた。

 何でも、此処は古代から有る遺跡の1つらしい。昔、邪神を封じられた際に、白方を二度と復活させない為に怪物達が建てた遺跡なのだとか。他にも全てで6つの遺跡が世界に有ったらしいのだが、此処以外は全て人間に突破されて白い宝具や宝玉を盗まれてしまったらしい。


「その邪神から生まれた君達の所に、どうして白い宝具が有るのかな?」


 私が問うと、先程とは違う怪物が答えた


『守ってるんだよ。あのお方の復活に白は要らないからね』

『かの白から生まれし、か弱き人の子よ……。白い(フロース)は置いておけ。そうすれば我らは其方を害しはしない。何せ我らが同胞なのだから』


 同胞扱いされた。かなり侵害だ。私の見た目はそんなに気持ち悪くないと思うぞ?

 更に話を聞くと、邪神の名前も聞けた。邪神の名は【ウィケッド】、白い方は【シエル】らしい。

 人間はシエルによって生み出され、モンスターはウィケッドによって生み出された存在なのだとか。


 因みに、この会話は録音済みである。後で師匠への説明が面倒なので、これを突き付けるつもりだ。これで怒りが少しでも収まってくれたらいいなぁ……っと淡い期待もしていたりする


『そう、遠くない未来に我らが主は復活する。そして地上を我らの国に!』


 なんだか盛り上がり出した怪物s。どうしようか? 逃げるなら今か?


『ウィークトゥスよ。さぁ、白を!』

「断る!」


 行った途端、怪物が一斉に襲い掛かってきた。めちゃくちゃ気持ち悪い! 慌てて羽を広げ、飛び上がり、怪物の隙間を縫って広場から脱出! その際、一撃貰い、左胸から右脇腹まで引き裂かれた。


「……っ!」


 痛いが我慢しよう。後ろから追ってくる、気持ち悪い怪物達を撒く為、長距離の影移動を行う事に。目的地は師匠の居るキャンピンまでだ。

 私は壁に有った影に潜り、キャンピン付近の影に出た。流石に長距離を移動した所為で魔力をかなり持って行かれた。しかし、怪物から逃れる事には成功したので、オッケーという事で


「あー……」


 影から宝具の入った箱を取り出して、中を確認。良かった……。ちゃんと入っている。中身が無くてもう一度行って来いなんて言われたら……。

 もう一度、あそこに行けと言われても絶対にお断りである。


「疲れたー」


 何時間散歩をしていたのか分からないが、もう東の空が明るくなり始めていた。これは怒られそうだ。

 私は起き上り、伸びをした。さぁ、帰ろう! と勢いよく後ろを振り返ると……。


「し、ししょー……」


 若干、黒いオーラが出ている師匠と、無表情のハイドが立って居た。これはどちらも、お怒りかな?


「あー……師匠、只今戻りました。これ、お土産です。あと、これ。怪物とお喋りしてきました」


 お土産、もとい白い宝具を渡すと。師匠の黒いオーラは止んだ。助かった……。っと思いきや、


「……ヅゲフッ⁉︎」


 師匠が鳩尾に一撃入れて来た。まさか過ぎて避ける事も防ぐ事も出来なかった。しかも、そこは怪物に引き裂かれて怪我を負った場所である。

 余計に血が出てきたー。


 そして、私の視界は暗転。意識を無くした


 酷いぜ師匠……

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