バレた!
キャンピンに到着。中に入り床に突っ伏す。キャンピン内に人の気配が無いから誰も居ないのだろう。床に寝そべりながら冷静にそう判断する。
「あー……。シンド〜」
私は起き上がりシャワー室に向かう。顔や体に付いた血や泥を落とす為だ。別に潔癖とかでは無いが、泥まみれのままベットに入るのに抵抗があるだけだ。
そして髪を乾かさずベットにダイブ! 髪が傷むとか気にしない。そんな事を気にする余裕は今の私には無いのだ。
所で皆んな何処に行ったのだろうか? また、置いてけぼりか? 最近、このパターン多いなぁ……。端末を開き中を確認。するとハイドからメールが来ていたので内容を確認する。
《暫く留守にする。暇なら邪龍と遊んでおけ》
……。遊んで来たよ! 但し生死を賭けた遊びだがな!
ハイドのメールにイラッとした。というか、何故ハイドからのメールなのか。私は師匠に連絡入れたのに……。まぁ、師匠は機械音痴なので代わりにハイドに頼んだのかもしれないが……。いい加減、メールの打ち方くらい覚えれば良いのに
私は心の中で師匠にブーイングを入れながら目を閉じる。そして夢の中へ……。おやすみー
目を開け時計を見ると1時間程しか経っていなかった。よく寝たと思ったのだが、あまり寝ていなかったらしい。
体を起こそうと力を入れると、体中に痛みが走っる。そして出て来る酷い咳
「ゲホッゲホ……うぇー」
咳、つらぃ……。
少し無理をし過ぎたのか、全身に痛みを感じる。それに加え、体中の関節がギシギシ鳴る感覚。もう、無理をするのは辞めようと心に誓った。
何とか起き上がり座る事に成功した。
キャンピンが動いているので、皆んな帰って来ているのだろう。リビングに向かい挨拶がてら何か食べようと部屋を出る。
リビングにはハイドとアスターが優雅にティータイムをしていた。動いている車の中で優雅にティータイムとは……。
「ヤッホー! 私も、ゲホッ! ティータイムに混ぜ……。ゲホッゲホ。やっぱり、普通の水にするわ」
私はリビングの冷蔵庫を開け水の入ったペットボトルを取り出し、ソファーに座る。水を飲み、一息付いた何処で視線をアスターに向けると、アスターは私を有り得ないモノを見る目で見て来た
「メガ萌? 何その目。ていうか、顔。変な顔してるよ」
私が言うと
「随分、早い回復だな」
未だ放心中のアスターに代わりハイドが声を掛けて来た。
「後、2日は寝てると思っていたが」
「そんなに寝れないよ」
人間は、そんなに睡眠を取れる生き物じゃないよ
「3日寝ていたわりに元気だな」
「え? 3日?」
ハイドによれば私は3日寝ていたらしい。通りで体の節々がバキバキと音を立てると思った。3日か……。
「え? 何でそんなに寝てるの?」
思い出せ私! 眠る前、私は何をしていた? そうだ、邪龍を倒し、シャワーを浴びて、ハイドのメールにイラッとして寝たんだった。……何処に3日も眠る要素有った?
「神聖なる織天使を撃って、これだけ元気なら大したものだな」
「あぁ、アレか……」
あの魔法の所為で寝てたのか。
「あの魔法は人間では撃てないと言われていたのに……。どういう構造してるんだよ。全く」
衝撃から復活したアスターに言われた。
「というか、どうして私が神聖なる織天使を使った事、知ってるの?」
私の問いに兄弟2人は呆れた顔をした。腹の立つ事に呆れた顔はそっくりだ
彼ら曰く、私が生け贄に捧げられた時に、私を除いたメンバー全員で白の保持者に逢いに行っていたらしい(この辺りでハイドは私にメールを送って居た)。
そこで白の保持者、第1王女と話したが、同盟を組んで欲しいならば妹を助けてくれと言われたらしい。それが生け贄にされた第3王女だった。
既にかなりの時間が経っていた為、行った所でもう遅いと思い、諦めようとしたその時! 師匠が私からのメールに気付き、私が森に居る事を理解。皆んなは私が王女を助けてくれるのに賭けたらしい。
その事を王女に言うと王女が遠見の魔法を使い、私と邪龍の戦いを見せてくれたらしい。そして私が神聖なる織天使を使い勝利した為、第3王女を救ったとして同盟を組む事に成功したらしい。
やはり、あの時、戦って正解だった様だ。
しかし、王女の遠見の魔法で私が邪龍と戦っている所をバッチリと見ていた様なので、
「お前の体が壊れかけだとはな……」
黒の宝玉により肉体に深刻なダメージが出ているのを知られてしまったらしい。というか、アスターがチクった
「黒の宝玉を使ったにしては元気だな。体はボロボロだが、精神は元気という事か? 血反吐を吐き出し、死ぬ程辛い状態だっただろうに……。お前には呆れを通り越して感心させられる」
ハイドに貶されているのか、褒め言葉なのか分からないお言葉をもらった。
「まぁ、お前のお陰で王女と同盟結べたから良かったけど……。これからは……」
「ギースとリンドヴァルと話して、お前は戦力から外す事にした。これからは大人しくしているんだな」
「なん……だと……」
ハイドから無情なお言葉を頂戴した。
「私、まだ戦えるよ。そんなにヤワじゃない」
何という事でしょう! 私が1番恐れていた事態が起きた。戦力外通告をされるのが嫌で皆んなに黙って居たのに!
「無理だ」
バッサリと切られた。心に突き刺さる……
「大丈夫だって! お前は整備の腕とか、他に出来る事有るし! 役には立ってるからさ!」
アスターが必死で慰めてくれているが、私にはもう聴こえて来ない。というか、物理的に聴こえて来なくなった。何故なら……
「お、おい⁉︎ 大丈夫か⁉︎」
「やれやれ……」
ソファーから転がり落ち、床にキスしたからだ。まだ、万全の状態では無かった為か、急に眠気が襲って来て起きて居られなくなった。なので、危ない感じに意識が遠くなり、床に伸びた。
「世話の焼ける奴だ」
ハイドの声を最後に私の意識は闇の中に。
ハイドめ……




