表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/92

生贄にされそう

 

 そしてキャンピンは進むよ、どこまでも!


 今日も今日とて走るキャンピン。純菜の離脱や、不穏因子の兄様のパーティー加入など、色々有ったが目的の為、立ち止まる訳にはいかず進み続ける我等。

 正直、コルネリア様にはもう少し休憩が必要なのではないかっと思ったのだが、責任ある立場がそれを許さない。一刻も早く白を集めなければならないのだ。


 純菜が抜けた穴は大きく、とても大変だ。数少ない女性枠が居なくなったので、コルネリア様の護衛とお世話を一手に引き受けなければならなくなった。

 見張りも【ギース&ハイド】ペア、【師匠&私】ペアに別れてする事に。兄様は他3名により戦力外通告がなされた為、見張りから外された。


「お前、何を隠している?」

「な、何も!」


 最近、ハイドやギースも私を疑いに掛かっている。本当に纏まりないな、このパーティー。後ろの方でアスターがそわそわしている。止めて! 何か有ると言っている様な物だ!


 自身の肉体の事はさておき、やはり気になるのは【一ツ葉】の若君の事。違った一ツ葉の姫君の事だ。

 初めて性別の話を聞いた時に驚きのあまり、何故「イネスの所に家紋が有ったのか」っという疑問が抜け落ちていた

 気になるのだが、調べる方法を私は持たない為、やきもきする毎日。


 そんな毎日を過ごす事、数日が経過。私達は白の宝具が有るとされる国【エスタス】に到着。そのまま一息に王都まで向かう。

 エスタスの王都は、王都なのに何故か活気がない。皆、家に閉じこもり、窓もドアも硬く閉ざしている。開いている店も無く、街全体が静まりかえっている。本当に王都なのか怪しい


「何か有ったのか?」

「分かりません。一度、聞いて回ってみますか?」


 コルネリア様もその様子を怪訝そうに言う。


「そうだな。聞き込みでもしてくるか」


 という事で、私と兄様が聞き込み調査に。他のメンバーはキャンピンにて作戦会議という名のお留守番。面倒ごとを押し付けられた……。

 そして、何故、私と兄様なのか。


「じゃ、私は向こうに行って来ますね。兄様はあっちに」

「何故、俺がお前に指図されないといけないんだ! 俺は思ったまま動く」


 兄様は私に吐き捨てる様に行って、何処かに行ってしまった。久しぶりに見た兄様の私を見下す目。若干の懐かしさを感じる

 最近、普通の兄弟らしくなれたと思っていたのだが、私の勘違いだったらしい。兄様は兄様だった


 気を取り直して、私は街の調査に向かう。暫く歩いて居ると人混みを発見。私はそこに向かう事に


「あの〜、すみません。話を……」

「この子で良い! よし、これで丁度100人だ」


 兵隊に声を掛けると、何故か引きずられてトラックのコンテナの中に積み込まれた。何事?

 トラックのコンテナの中には、うら若き乙女が何にも居た。人混みの中、堂々と人攫いでもして居るのか? それなら随分と肝の座った誘拐犯である


「よし! 時間が無い。出発しろ」


 兵の人が声を上げると、トラックは発車した。


「イヤー!! 私の娘を返して!」

「私にはあの子だけなの!」

「俺の娘を連れて行くな!」


 後ろから色々な人の悲痛な叫び声が聞こえて来る。マジで人攫いなのか?

 コンテナ内に居る娘達は皆、俯き啜り泣いていた。


「皆んな、悲観しないで。私達は選ばれたのよ」


 1人、身なりの良いお姫様みたいな人物が、ここに居る娘達を元気付けようと声を掛けていた。それを聞いた娘達は皆一様に首を横に振り、「死にたくない」と繰り返し言っていた。

 空気読めない系女子の私は思い切って身なりの良いお姫様みたいな人物に声を掛けてみた。


「すみません、コレは何事ですか? 今日、というか、さっきこの街に来たばかりで、状況を理解してないんですけど……」


 勇気を出して、一生懸命に女の子達を励ましているお姫様 (仮)に問うてみた。すると、かなり驚いた顔でコチラを見るお姫様 (仮)


「貴方、越して来たの?」

「いいえ、ただの旅人です」

「まぁ⁉︎」


 お姫様 (仮)は驚いた声を上げ、目を見開き、指をコチラに向けて来た。コラ、指を人に差したらダメって教わらなかったのかい?


「なんて事⁉︎ 直ぐに戻らないと……。でも、もう時間がないし」

「取り敢えず、お話聞いても良いです?」

「そうね」


 お姫様 (仮)は丁寧に教えてくれた。

 このコンテナに積まれた女の子達は、この国を騒がす龍への生け贄らしい。10年に1度、100人の生け贄を捧げて、悪しき龍の怒りから逃れて来たのだと言う。

 今が丁度、10年目なので、コレより邪龍に供物として生け贄を捧げに行く所なのだ。

 その悪しき龍は頭を3つ持ち、巨大な体躯、恐ろしく鋭利な牙を持つ、最強の龍なのだとか。その龍はとても強く何度も討伐しようとしたらしいが、ドクトゥスの階級の者達が束になってかかっても勝てない相手だとか


「申し遅れました。私はこの国の王女【ルアンナ】と申します」

「ご丁寧にどうも……。私は【三ツ葉 佳月】です」


 王女様だった! お姫様 (仮)じゃなくて、本物のお姫様だった!

 私、何気に王族との遭遇率高いなぁ


 この王女様は第三王女らしく、生け贄筆頭らしい。王女なのに生け贄にされるんだね


「申し訳ありません。コチラの手違いで、貴方を巻き込んでしまって……。でも、もう引き返せないのです」


 という事で、関係ない私も生け贄に任命された訳である。まぁ、喰われてやる気は無いので逃げても良いのだが……。まぁ、成り行きに任せるとしよう。

 こうして、生け贄 (仮)として私は森にコンテナで運ばれるのであった


 あ、師匠に「生け贄にされました」って連絡しとこっと!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ