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女……だと……

 

「で、話とは何だ妹よ」


 兄様を部屋に呼び、お話をする。内容は勿論……


「一ツ葉の若君について」


 だ。兄様なら何か知ってるかもしれないと思い、問うてみたのだ


「……。一ツ葉の若君か。確かお前が小さい頃に居なくなったな。それがどうした?」


 何だか変な感じだ。兄様とこうして話すなんて。家に居た頃には考えも沸かなかった。

 それに、いつの間にか兄様は私を見下す感じではなくなっていた。何時もなら鼻につく感じに言って来るのだが、今日は大人しい感じだ。何か心境の変化が有ったのだろうか?

 まるで普通の兄弟の様で変な感じなのである。


「実はさぁ」


 私はイネスに会った時に発見した【一ツ葉】の家紋について兄に話してみた。すると……


「なんだ、聞いてないのか?」


 兄が何時もの様に下に見る様に言って来た。さっきまで普通の兄弟みたいで良い感じだったのに、いきなり何さ


「俺も最近知ったんだが、【一ツ葉 アキラ】は花弦のNo.2だ。何でも一族に愛想つかして家出した所を、とある人に拾われたんだとか」


 なん……だと……。


 という事は、一ツ葉の若君は誘拐や失踪では無く、自主的に行方をくらましたという事か! しかも花弦かよ


「し、ししょー!」


 私は得意げな表情で語り続ける兄を放置し、師匠の居るであろうリビングに突撃する。こんな事なら、最初から師匠に聞いとけば良かった!


「リンドヴァルなら居ないぞ。アスターの所だ」


 リビングに突撃すると、そこには治療を終えたハイドの姿があった。そのハイドが親切にも師匠の居場所を教えてくれる。


「どうも!」


 私は急いでアスターの自室 兼 医務室にノックもせず突撃。


「お前! 今、治療中だ! リンドヴァルは服着てないんだから、出て行け!」


 私が慌てて室内に入ると、半裸の師匠と、片手に変な機材を持ったアスターが居た。


「失礼しました」


 まだ治療中だったらしく、私はすごすごと部屋から退出した。師匠の半裸見ちゃったぜ! いや、拷問時見たけどね。明るい所で改めて見ると、なんとも……。ハッ! 危うく変態になる所だった。危ない、危ない


 師匠がダメだったので仕方なくリビングに居たハイドに尋ねてみる事に


「と、いう事でハイド! 聞きたい事がある! ゲホッ、ゲホッ」


 勢いつけすぎて噎せた……。


「何だ、藪から棒に」

「【一ツ葉 アキラ】って知ってる?」


 私は直球に聞いてみた。因みに【一ツ葉 アキラ】とは一ツ葉の若君の事である


「あぁ、花弦No.3か」

「あれ? さっき、兄様は花弦No.2って言ってた」


 あれれ、おかし〜ぞ? 兄様と言ってる事が違うじゃないか


「あの女がどうした?」

「……。えっ? 女?」


 とんでもない爆弾を投下して来た。嘘だ! 私の知ってる若君は男の筈だ! だって若君だもん! 姫君じゃなかったもん! それに完全に男だった!


「男装している様だが、見る人が見れば分かる。アレは女だ」


 何という事でしょう! 衝撃の事実だ。到底受け入れられない。


「ありがとう……」


 それだけ言うと私は部屋に戻った。部屋には御立腹の兄様が居たが、到底話す気になれない。


「若君が女だったなんて! そんなの嘘だ!」

「……。お前、知らなかったんだな」


 兄は知って居たらしい。教えてくれよ!




「佳月……。俺は終わった。話があったのだろう? 聞こう」

「もう良いです。解決しました」


 ベットに伏せて居る私の元に治療を終えた師匠がやって来た。


「……。そうか、ならば医務室に行け。アスターが待ってる」

「はーい」


 のっそりとベッドから降り、アスターの部屋に向かう。因みに兄様は今後の身の振り方を決める為、リビングでハイドとギースとお話中だ。流石に六花の2人に囲まれた兄様は、とても狼狽えて怯えていた。頑張れ兄様。強く生きろ!


「頼もー」

「普通に入って来い」


 アスターに傷の手当てをしてもらう。1番気がかりだった左目は、眼球の復元は可能だったものの視力の回復までは無理だった。なので、今度は左目に眼帯を着ける事となった。


「お前……」


 そして、次は体の事。私の弱りきった体を医者である彼が見落としてくれる訳がなく、速攻でバレた。なので、黒い宝玉の影響が出た事を告げる。


「良いか? お前のこの体では長時間の戦闘は無理だ。精々、10分が限界。それ以上は絶対にダメだ」


 戦闘時間、10分はキツイ。師匠レベルの相手が出てきたら10分では到底無理だ。

 そんなの無理だとゴネていると、体を動かす戦い方では10分まで、魔法や殊技を使う遠距離での攻撃、つまりあまり体を動かさない戦いならば良いっと許可を頂いた。


「良いか? 約束は守れよ?」

「大丈夫、大丈夫!」


 私は師匠と違って魔法系統は得意な分類に入る。しかし、師匠に殊技殺しを使われれば何も出来なくなる。


「皆んなに言っておけよ」

「……。ダメだ! 戦力外通告されたら、どうするの! 絶対に誰にも言わない! 特にハイドには!」

「いや、命に関わるから言えよ。お前が言わないなら僕が言う」


 今後の事を考えていると、アスターが無情にも制限時間の事を言えっと言って来た。弱みを見せるなんて、できない!

 このパーティーは強者が多く居るが、その分、纏まりが無い。そして冷たい奴が多い。誰とは言わないが、特にトップIII辺り。

 戦えなくなれば直ぐに切り捨てられても可笑しくはないのだ。

 私が必死に伝えると分かってくれたのか


「まぁ、分かるけどさぁ……。あー、もう分かったよ。言わないでおくよ」

「ありがとうー!」


 メガ萌ことアスターは渋々、了承してくれた。良かった……。


「でも、ヤバくなったら言うからな!」

「おう! バレない様にやるよ!」

「そこじゃない!」


 私はアスターの話も聞かず、ルンルン気分で部屋を飛び出し、自室に滑り込む。そして就寝……。

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