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師匠の手当てが雑い

 

 暫く歩くと、グッタリとしている師匠とハイドを発見。2人ともかなり酷い状態であった。下手したら私より酷いかもしれない。

 体のあちこちには切り傷と打ち傷、火傷の跡や抉られた跡まで有った。それに指の爪も所々無い。相当酷い扱いだったらしい。

 絶対、かなり痛い。私への拷問が、どれだけ可愛い物か身に染みて分かった


「師匠、大丈夫ですか? 回復魔法(クーラー)使いますか?」

「……佳月か。無事だったのだな。回復魔法(クーラー)は要らない。先ずは脱出が先だ」


 私を確認した師匠は珍しく微笑んでくれた。ビューティフォー!


「この先にキャンピンが来ている。そこまで行けばコチラの勝ちじゃ」


 この水路には海に通じる道があり、そこから秘密理に城内に侵入できるらしい。因みにココは我らが王の居城だ。気が付かぬ内に、私は故郷に帰って来ていたらしい


「ただ問題が、そこに行くまでに巨大なモンスターが住み着いて居る事じゃな。来る時、スルーして来たから今も健在なので倒さねばな」


 倒してから来いよ。そうすれば、楽に逃げられたのに。

 うだうだと此処で時間を潰す訳にはいかないので、此処から離れてキャンピンに向かう事に。かなり辛そうな師匠に肩を貸して進む。ハイドは知らん。自力でどうにかしてくれ。

 私が見捨てたハイドは兄が肩を貸していた。ハイドは初めコイツ誰だ? みたいな顔をしたが、何も聞かず肩を借りていた。兄様の事、誰も何も聞かないんだね


「コイツじゃ! このモンスターを倒せばキャンピンは直ぐじゃ! 良し、戦える者は前に出よ!」


 誰も居ねーよ。100歩譲って兄様くらいだよ。私も師匠もハイドもボロボロなんだよ。


「ギース……。俺は無理だ」


 ハイドが珍しく根を上げる。


「俺もキツイ」


 そして師匠も……。なので私も!


「すみません、ギース。目が痛くて、それどころじゃありません」


 嘘は言って無い!


「なんじゃ……。仕方ないの」

「そこに兄様が居ります。一応【メディウム】なので、それなりには戦えるかと」

「佳月⁉︎ お前!」


 メディウムでは話にならないという事で結局はギース1人で戦う事に。

 その間、私達は簡易的な手当てをする事に


「イデデデデ! 痛いです、師匠! マジで痛い! 拷問された時より痛い! イタッ! うわぁああああっ!」

「手当てしてるだけだ。大人しくしろ」

「抉られた目を手当てしてるだけなのに、何でもう一度抉ったんですか⁉︎ 見てくださいよ! 止まりかけてた血が更に出てきたじゃないですか! イタッ! もう、ストップ! ストッププリーズ!」


 私の目を手当てを師匠が引き受けてくれたのだが、いかんせん雑い。血を拭くのに力を入れて目を抑えてくれたり、何故か空洞になってる所に指を突っ込んでみたり、手当てと呼べない手当てが続く。滅茶苦茶、痛い。


「五月蝿い。リンドヴァル代われ」


 ハイドにバトンタッチ。コイツに手当てされるの、師匠より怖いんだが大丈夫なのか?


「思ったより上手い」

「当たり前だ。不器用なリンドヴァルと一緒にするな」


 流石、医者を弟に持つハイドだ。手当ての仕方を弟から聞いていたのか、手早く完璧にして見せた。弟同様、手先は器用らしい。

 後は私が2人の手当てをしている内にギースは巨大なモンスターを倒し終えていた。流石ギース。


「行くぞ」


 ギースの言葉を合図に私達は進む。


 暫く歩くと一際広い場所に出た。


「おぉ! 無事じゃったのか!」

「お帰りなさいませ!」


 クレマチスのジィジの殊技【光化学迷彩】が解けて、キャンピンの姿が現れた。そして、ジィジとアスターが出て来た。かなり久しぶりな感じがする。

 私達は急いでキャンピンに乗り込み、この場を離れた。



 初めにコルネリア様を医務室に連れて行き、アスターに診てもらっている。私達はその後だ。


「佳月、安息(レクイエム)を打たれたそうだが、大丈夫なのか?」


 師匠が問うて来た。

 順番待ちをしている間、私達はリビングで寛いでいる。因みに成り行きでキャンピンに乗った兄は気まずいのかソファの端っこで、借りて来た猫みたいに大人しくしている。面白い


「あれって、幸せな夢を見るから起きられなくなるんですよね? 私、悪夢見ちゃったんで、飛び起きました」


 兄さんが、兄さんで、兄さんの地上絵描いてたら、そりゃ起きるわなぁ


「悪夢……。そうか」


 師匠はいつもと同じ様に私の頭を撫でてくれた。師匠に頭を撫でてもらうのは嬉しいのだが少し複雑だ。最近、子供扱いが加速している気がする


「しかし、良く脱出できたのぉ。正直、無理だと思っておったから、リンドヴァルに逃げたと聞いた時は大層驚いたわい」

「俺もだ。お前が拷問に耐えられる筈は無いと踏んでいたのでな。宝玉は諦めた」

「誰も助けてくれる気無かったんだね」


 分かって居たけど酷いな。下手こいたら見捨てる気満々じゃないか。気をつけないと……。

 このパーティー、戦力は凄いが、チームワークは無いな。


「それより、()()はどうする」


 アレとは兄さんの事だ。呼ばれた兄さんはビクっと肩を揺らし、怯えた表情をしていた。そんなに怖がらなくても


「巻き込んじゃってさぁ。どうすれば良い?」

「捨てて来い」

「戦力にはならなさそうじゃしな」

「捨て駒にもならないだろう」


 皆んな酷い! 酷い言い草だ。流石の兄さんも涙目だ


「ま、まぁまぁ。これでも一応は兄弟なんだよ。愛着? はあるんだよ。まぁ切り捨てろと言われれば簡単に切り捨てるけど」

「酷い妹だな!」


 兄様抜きであーだこーだ言い合いしていたが、結局決まらず仕舞いだったのでコルネリア様の指示を仰ぐ事に。

 話終えた辺りでアスターがリビングにやって来た。コルネリア様の健診が済み、他の者達を呼びに来たのだろう


「次は誰を診る?」


 アスターが問う。その問いに答えるべく、私はリビングをグルリと一周見渡す。ギースはタイツが多少破けているものの無傷、師匠とハイドは大怪我、私も大怪我、正直に言うと優先順位とか付けられないくらいに (ギース以外)皆んな酷い。


「私は後でいいです。メガ萌に言いたい事と、聴きたい事が有るので長くなる。後、兄様にも聞きたい事が有る」


 師匠は私を先にと渋ったが、兄様と先に話すと言うと引いてくれた。結局、順番はハイド、師匠、私の順番に決まった。何でもハイドは、妹のグロキシニアに、こっ酷く拷問を食らったらしい。途中で吐血までしていた様だ。妹コエー。


 良かったな、兄様! こんなに優しい妹で!

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