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兄を脅してみる。

 

 その後、私は慌てる王様と囚われの師匠を放置して、コルネリア様の奪還に向かった。だって今の内に動かないと、動き辛くなりそうだし


 私は影で少し移動して、人の少ない場所に出た。


「うわぁ⁉︎」

「おっ!」


 そこで、まさかの兄様に遭遇。突然現れた私に兄様は悲鳴を上げて驚き、その場に尻餅をついた。見回して辺りを確認したが、ここには兄しか居らず、他の兵は他所の様だ。

 コレは好都合だ。


「兄様、お久! 丁度良い所に!」


 私は体のあちこちが痛くて動くのも大変なのだ。なので下手に動いてバレて動き辛くなるより、兄にお願いした方が効率が良さそう。

 なので、お願いしてみる


「兄様……。私、見ての通りボロボロのズタボロでして……。兄様、ちょっと私の代わりにコルネリア様の所まで言ってくれません? 私、貴方の影に潜んで一緒に運ばれますから」


 私は目の色を変えて、殊技をチラつかせながらお願いする。みるみる青褪める兄に笑いそうになった。

 この敵地が何処なのか分からないが、土地勘の無い私が無闇に動くより、此処で働いて此処を良く知る兄に頼った方が良い。

 兄にはコルネリア様の場所に単体で向かってもらい、私はその兄の影に潜んで行こうと思う。兄だけなら、敵兵に怪しまれずコルネリア様の所に迎えるし、私は楽できるし、まさに一石二鳥だ。


「誰がお前の言う事など聞くか! それに僕を脅したって無駄だ! お前が僕を攻撃出来ない事なんて知ってる!」


 なのでお願いしたのだが、当然聞き入れてくれる筈も無く、喚かれた。まぁ、当然だわな


「何、言ってるんです? 私が貴方を攻撃出来ない?」


 私は笑顔を浮かべて兄に近づいて行く。怯えて徐々に後退する兄だったが、意を決したのか私に向かって攻撃して来たので返り討ちにした。このボロボロの状態で楽々勝てるなんて……。

 此処は、もう少し脅してみるか


「兄様? 貴方は私に何をして来たかお忘れで? 私、貴方にどれだけ不快な思いをして来たか……。恨んで居りますし、憎んでも居ます。なので、貴方を串刺しにするのに、何の戸惑いも無いのです」


 別に恨んで無いし、憎んでも無い。ただただ、興味が無いだけだ。


「……っ⁉︎」


 私が告げると同時に兄の影を操り、兄を拘束。銃を取り出して兄に向けた。するとプルプルと震え出す兄。なんだか小動物みたいだ。


「オイ! 三ツ葉? そこに居るのか?」


 近くから男の声が聞こえて来た。それを聞いた兄はあからさまにホッとした表情を見せた。もしかして助かると思って居るのか?


「では、兄様。コルネリア様の所まで宜しくお願いしますね? あ、ちょっとでも可笑しな行動を取れば、貴方の影は貴方に牙を剥くでしょう」


 そう言って兄の影に入る。先程の表情とは打って変わって、絶望した表情を浮かべる兄。そこに先程、兄様を呼んで居たであろう男が寄ってきた。男は呆然とする兄を訝しんだ後、この場を後にした。何しに来たんだろうか?


『さて、兄様。それではお願いしますね? 大丈夫ですよ。私は貴方の影に潜んで居りますので、いつでも見守ってますよ』


 私が影の中から兄に声を掛けると、更に怯えた表情に。別に脅してる訳ではないのに……。ただ、お願いしてるだけなのに




 兄にお願い (脅)し、私はコルネリア様救出に向かう。私は兄の影に潜み、兄は私に怯えながらコルネリア様の居る場所まで行ってもらう


「……。お前、目はどうしたんだ?」


 今まで黙りだった兄が問うて来た。珍しい。今まで私の事を気にした事が無かったのに、どう言う風の吹き回しだろうか?


『抉られたんだよ。拷問で』

「……」


 私が素直に答えると兄からは何も帰って来なかった。ただ痛ましげな顔をしているだけ。


『珍しいね。私の事、心配してくれてるの? それとも、同情?』

「……」


 やはり兄は何も言わない。


「着いたぞ。そこを行けばコルネリア様のお部屋だ。此処からはお前1人で行け」


 コルネリア様の居る部屋の前には兵が数名立って居た。お礼を良い、兄の影から出て兄に別れを告げようとした時、フッと思った。此処で別れれば、後で他の兵に報告されても面倒だし、このまま連れて行った方がいいんじゃね? っと。本当ならば、始末した方が良いのだが (師匠の教え)、 兄様は出来れば生かしておきたいし……。

 別に兄弟の絆だとか、愛情とかでは無い。ただ単に此処で殺してしまっては、私の方が優れていると認めさせられないからだ。

 家族の情で殺せなくなる程、私は優しい人間では無い。この辺りは師匠の教えの所為の気もするが……。


「兄様も一緒に来てもらわないと困ります。じゃないと、私は此処で貴方を始末しないといけなくなる」

「……お前、かなり物騒になったな」


 兄がジト目で見てきたが無視し、兄の背中に銃を突きつけて歩く様に促す。そして扉の前の兵の元に


「なっ⁉︎ お前は! まさか裏切ったのか!」

「違う⁉︎ 俺は脅されているだけだ! 助けてくれ!」

「やはり、妹に手を貸したな!」

「だから違うって! 背中の銃が見えないのか⁉︎」


 まさかの展開。兄様が裏切り者扱いされた。プギャヒャッヒャヒャヒャッヒャー!


 裏切り者の兄を始末しようと、兵達がこちらに仕掛けて来る前に、全員、床に貼り倒した。地面で伸びている兵を他所に私達は部屋の中に入った

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