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バレた……

 

「これは、これは。久しぶりだな佳月。逢いたかったぞ」

「やぁ! お久! 私は逢いたくなかったな!」


 ピーンチ! かなりピンチだ。久遠が登場してしまった


「それ引っかかるなんて、かなり間抜けだな」

「ほっとけ! 只今、絶不調なの! 大怪我負ってるの!」

「ほぉう」


 トラバサミをガシャガシャしている私の前までやって来た久遠は、私の体を眺める


「確かに大怪我だな」


 私の背後に回り手を縛り上げ、動きを封じた。そしてトラバサミを解除して私を純菜の居る部屋に放り投げる。


「いたぁっ⁉︎ もっと丁重に扱えよ! か弱い乙女だぞ!」

「お前がか弱いなら、世の中の人間はみんなか弱くなるな」


 あ、ツッコミ入れてくれた。この前、これを師匠に言ってみたがスルーされてとても悲しかった思い出がある。ちゃんと久遠は拾ってくれる辺り、いい奴なんだな


「乱暴する気ね! エロ同人誌みたいに! エロ同人誌みたいに!」

「さて……お前に聞きたい事が有る、素直に話す事をお勧めする」

「あ、無視ですか」


 こっちは無視なのね……。悲し


「何でも聞いて! スリーサイズ? 好きなタイプ? 今の王様どう思うか? それとも……いでっ⁉︎ 痛い痛いって! 傷口抑えるの反則!」


 相手に話す隙を与えない様に喋り倒してやろうと思っていたが、私に伸し掛かり、肩に有る銃痕を右手で押され、右脇腹の傷口を膝で押してきたので悲鳴を上げた。酷いぜ……


「少し黙れ」


 久遠は私の服に手をかけ始めた。服を脱がす気ね! やっぱり、乱暴する気なのね!


 どうしようか、悩んでいると視線を感じたので、其方を向いてみると純菜が居た。純菜は前と同じく下着姿で縛られていた。あちこち怪我を負っており、相当辛そうだ


「ねぇ、久遠よ。君は服を脱がすの好きなのかい? 前も純菜は下着姿だった気がするけど……痛い! 痛いって! ごめんなさい!」


 次は傷口を指で抉られた。酷い……


 取り敢えず、脱出の機会を待つか。1人でアレば直ぐにでも脱出可能だが、純菜が居る以上は機会を伺わなければ無理。こうなった以上、死なば諸共。純菜も連れて逃げねば


「やはりな。お前が宝玉持ちか」

「あー……。それの確認に脱がしたのね」


 胸元を見て頷く久遠。近くに居る純菜が目を見開いている。そういえば純菜は私が宝玉持ちだと知らなかったんだった


「これだけ近くでも、宝玉の気配が感じられない」


 久遠は私の胸元にある刺青を触りながら、呟いている。これセクハラじゃね? しかも私の上に乗ってるし……。本当にセクハラじゃね?


 直ぐにでも逃げたい何処だが、今は我慢だ。


「何故だ?」

「さぁ? 何故でしょ……あででで! 痛い! 痛い! 居たい! あ、間違えた。痛い!」


 容赦なく傷口を抉り出す久遠。マジで鬼畜だ。


 こうなったら、師匠の教えを思い出すのだ! 師匠は拷問を受けた時どうすれば良いと言っていただろうか?


『拷問は相手のプライドをへし折ればいい』

『皮を剥ぐときは、この角度から入れると剥けやすい』

『拷問をする時は……』

『拷問をする時は……』


「やり方しか教わってない⁉︎ 」


 まさかのパターン。やり方は教わっていたが、やられた時の事は教わってない!


「余裕だな……」

「痛いって! 意識飛ぶわ!」


 もう、このまま眠ってしまおうかなー。


「痛っ⁉︎ 何か刺された」


 首にブスっと注射器で何かを注入された。


「何、入れた?」

「気付け剤の一種だ。気絶は困難になる。他の効果は痛み増強と麻酔。お前は暫く自由に動けないぞ?」

「マジで?」

「お前は馬鹿だな。俺の殊技を忘れたか? お前が動く余力が有る事なんてお見通だ」

「……」


 まだ大丈夫だと侮ってたー! まだ、逃げられるし、暫くドMになっておこうと思っていたら、体の自由を薬で奪われた。これでは逃げる所か立ち上がる事も出来ない。詰んだ……。

 余裕こいてないで逃げれば良かった。何がドMになろうだ! 私はMじゃない!

 いや、久遠の言う通り奴の殊技で、私が逃げようとしたのがバレてたのか……。それでは逃げられなかったわけか。

 なら、トラバサミに挟まった時点で逃げとけばよかったわ


「あっ……」


 体が痺れて来て、力が入らなくてなった。完全に力の抜けた私を確認した久遠は……


「いだっ⁉︎ ちょっ⁉︎ マジで! いでででで⁉︎」


 あろう事か、肩に噛み付いて来た。「ブツ」っと言う音がしたので皮膚は裂かれている事だろう。コイツ何? 噛み癖有るの?


「いたい……」

「良いなぁ、その顔。普段、気丈な女が目に涙を浮かべる様は」

「……」


 コイツ、ハイドと同じタイプだ。ハイドも女を泣かせるの好きだもの。何? 六花って同じ様な性格の人多いの? もう、帰って良いかな?


「さて、時間はたっぷり有る。楽しもうか」


 そう言うと久遠は1度、私の血で汚れた唇を私の唇に重ねてから起き上がり、何かを取りに私から少し離れた。

 今のファーストだったんだけど……。しかも血の味だったし……。ファーストキスって甘酸っぱいんじゃないの?


 現実逃避したかったが、久遠が私に背を向けて何かをしている今がチャーンス!


 そして丁度タイミング良く端末が震えた。ワンコールだ。これは誰かがコルネリア様奪還に成功したという合図だ


 私は行動すべく、後ろに縛られた手を殊技で外し、懐に仕舞っておいた銃を取り出す。そして部屋にある唯一の照明めがけて何発か発砲。辺りが真っ暗になる。

 この暗さなら久遠は直ぐには動けないだろう。その隙に純菜を闇に引き摺り込み、私も闇にダイブ!

 そして影の中を通り、師匠達と約束した集合場所まで一気に移動した。


「ぷはぁ!」


 影から這い出た私と純菜。流石にかなりの距離を影で移動した為、魔力は空だ。

 近くの岩場に寝そべり目を瞑る。本当は純菜の手当とかしないといけないんだけど……すまん、疲れた。寝かしてくれ


「寝れない」

「当たり前だろう。薬を使われているのだ。眠れる訳が無い」


 純菜は私の横に座っている。その顔はとても険しい


「何故、助けた」


 純菜は目を伏せて、私に問うてくる。


「何故か……。私は純菜の事、好きだよ。だからだ」


 私は師匠達の様に純菜にキツく当たったりしない。私は純菜が好きだから。あ、別に恋愛的な意味合いでは無いよ?

 まぁ、1回、見捨てようとしたのは内緒だ。

 しかし、何度も逃げる機会が有った筈なのに逃げなかったのは、仲間を捨てきれない私の甘さかな? 私てば善人だからね。いや、偽善者かな?


「……」


 それ以上、純菜は何も言わなかった

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