表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/92

ずっと俺のターン!

 

 彼らの会話から察するに、最後に出てきた男が花弦No.5で、金棒の男がNo.9の様だ。


「ほらほら!」


 最後に出て来た男の殊技は【触れた物を鋭利な刃にする】能力らしく、その辺に有った鉄パイプや釘なんかが鋭利な刃になり、こちらに飛ばしたり、それで攻撃して来たりする。

 それを避けたり、受け止めたりしながらNo.9の金棒による猛攻を往なし、グロキシニアの4本の鞭を反射で避け、レティーシャの溶かす能力を殊技を使い回避する


「つらっ……」


 金棒の男の殊技は【怪力】らしく、振り上げるのさえ一苦労な巨大な金棒を軽々と振り回す。この男の攻撃を真っ向から受け止めれば、力で押し負けて飛ばされたので基本は避けるか往なすだけにしている。

 グロキシニア=ベルナールの4本の鞭は鋼鉄製なのか何かは知らないが、鞭が当たった場所が悉く壊れて行っているので当たればタダでは済まなさそうである。

 レティーシャの殊技【見たモノを溶かす】能力だが、観察した所、これは【見たモノを溶かす】のではなく【見た場所一帯に有る物を溶かす】能力だと推測する。でなければ、見られた私は溶けている事になる。


「レティーシャは見てから発動するのにタイムラグが有るから何とか避けれるな……」


 私は階段をひょいひょいと移動しながら相手4人を観察する。既に息の上がった者もおり、こちらが優勢で間違えないだろ。


 私って強い? 凄くない⁉︎


 花弦4人を圧倒出来るなんて! 帰ったら師匠に自慢しよう!


「っあべし!!??」


 ちょっと余裕出てきた! っと思いドヤって居ると、背中にグロキシニアの鞭が炸裂! 奇声が出た。きっと背中は真っ赤になっている事だろう


「オホホホ! どうです! 私の鞭の味は!」


 痛みに喘いでいるとグロキシニアから女王様みたいなセリフが聴こえて来た。


「かなり痛いです……」


 調子に乗ると碌な事が無い。痛感させられました


 戦闘続行! 今度は油断せず、隙を与えず相手4人を追い詰める。近接2人には刀で戦いつつ、遠距離からの2人には銃と魔法、殊技で応戦。


「やはり、久遠様の仰った通り、彼女が宝玉持ちで間違えないかと……」


 突然グロキシニアが動きを止め、No.5の男に向かって言う。それを聞いたNo.5も動きを止め、私から距離を取りグロキシニアの話を聞くつもりらしい


「……女性と言う点と宝玉の気配が無いという点は気になりますが、あの兄が認める程の腕前です。何か隠しているのでしょう」


 グロキシニアが私を見つめながらいう。それに従いNo.5も私を見つめる。

 いつの間にか他の花弦も動きを止め、私を見つめるだけになって居た。


「そんなに見つめられると照れてまうやろ!」


 ちょっと誤魔化そうと思ったが無視された。つらっ……


「確か、君の兄 【ハイド】は強者しか認めない筈だったな」

「えぇ。なので純菜と、愚弟のアスターは兄様は認めて居ない。特に純菜に対しての当たりはキツイと報告が上がって居ますが……この者には普通に接している事から兄が認める存在である事が推測できる」


 初知りだ。ハイドは純菜に当たりがキツかったのか……。2人が話している所を見た事がなかったので、特に何にもないのかと思って居たのだが違った様だ。


「そりゃ、純菜も悩むわな」


 師匠もかなり純菜に対してキツ目だ。ギースはあまり興味無しだった。いや、突入前に純菜を切り捨てる作戦を立てている辺り、ギースもハイド達と同じなのかもしれない


 これ、パーティーとして大丈夫なのだろうか? 纏まり無いぞ?


「生け捕りは無理か? 久遠様は出来れば生け捕りにしろっと言っておられたが……」

「手足を捥げば大丈夫でしょう」

「成る程」


 成る程じゃないよ! 手足を捥ぐって、グロいよ! 嫌だよ!


「チッ!」


 またも動き出した4人。その4人から逃れるように私は高く跳躍する。

 思えば、この4人に構っている暇は無いし、別に戦う理由も無い。私は戦線離脱する事に。


 べ、別に勝てないからじゃないから! 時間が無いだけだから!


 と誰に対してか言い訳をしておく。


 10階まで残り僅かとなった時……


「……っ⁉︎」


 急に視界が真っ暗になった。何も見えない


「ホッホッホ。4人共かなり苦戦していらっしゃる様子。この【グリド】がお助けしましょう」


 近くで声が聞こえて来た。


「佳月殿。何も見えないでしょう? これは私の殊技【相手の視力を奪う】殊技です。お気に召して頂けたでしょうか?」

「お気に召す訳無いよね?」


 視力を奪うって、それは無いよ……。どうやって戦えば良い? まず、動く事も困難だ


「……あべしっ⁉︎」


 またも背中にグロキシニアの鞭がクリンヒット! 同じ奇声が漏れた


 慌ててその場から跳びのき距離を取るが、背後から凄まじい魔力反応! これはレティーシャの殊技だ

 それを避けると空気を裂く音が聴こえて来る。別の攻撃か!


 それも慌てて回避し別の場所に飛び移る。あぶねー


「ちょっと、グリド! 本当に視界奪ったの? 普通に動いてるんだけど」

「奪った筈なのですが……ほら、あの方の目を見て下さい。濁った色になっているでしょう?」


 ここまで避けられるとは自分でも驚きだ。何故だろう。もしかして私って天才?

 しかし、待てよ? そういえば師匠に視界を閉ざして戦うやり方を習った気がする。それか!


「ふっ。私くらいにもなれば、目を瞑って居ようが、視力が無くなろうが戦えるのさ!」


 格好付けて言って見た。


「流石はリンドヴァル殿の弟子ですな。昔、リンドヴァル殿が、まだ花弦だった頃に一度使ってみたのですが、貴女と同じ様に無意味でしたな……」


 ここで納得した。師匠が何故、視界を封じて戦う術を私に教えたかを。師匠はこの男を警戒していたのだろう


「ふふふっ。私を舐めないでほしいな! 視界が暗くなれば『ずっと俺のターン!』だ!」


 そう、前の修行時に発覚したのだが、視界が真っ暗なら私の殊技は、例え辺りが暗くなくても夜と同じ様に使う事が出来るのだ。要は私の認識の問題


「策士策に溺れるとはこういう事よ!」


 なんか違う様な気もするが、どうでもいい! 兎に角、暴れるのだ!


「きゃ!」

「ぐぅ……」

「やれやれ……」


 殊技を連発しまくり暴れまくる私。そして聴こえて来る悲鳴や呻き声の数々。これぞ、『ずっと俺のターン!』


 不意にパリーンと音が消えて来た。すると左目の視力が回復したと同時に私の殊技が消えた。短い無双だったな……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ