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師匠

 

「そういえば聞いてなかったな。お前の階級は何なんだ?」


 目の前の金髪で可愛い顔をした美少女に問いかけられたでドヤ顔で言ってやった


「ウィークトゥス」


 興味なさそうだった後ろの無表情イケメンとコルネリア様は絶句。面白い顔をしている


「ど、どういう事だ?」


 同様で声が裏返っているコルネリア様に親戚の事をゲロってやると、なんとも痛ましそうな目で


「安心しろ。事が終われば必ず試験を受けさせてやる」


 っと言われた。


「しかし……お前は強いが殊技に頼り過ぎているな。どうだ? リンドヴァル。少し稽古を付けてやらないか?」

「貴方がそう仰るのなら」


 このリンドヴァルという男は私の事をかなり警戒しているようで、一切目を離さない。何でそこまで警戒してるんだよ


「リンドヴァルさんって強いんですか?」

「リンドヴァルは【六花(ろっか)】だ」

「ふぁ⁉︎」


 六花(ろっか)とは、城に使える兵達の中で最高クラスの兵だ。その名の通り6人のメンバーがいる。兄様では到底到達出来ない究極の武人だ


「階級は【ドクトゥス】」


 ダメだ。絶対に勝てない相手だ。大人しくしよう……


「だから、リンドヴァルに剣の腕を付けてもらえ。これから先、他の六花と対峙する可能性もあるしな」


 え、そんなの聞いてないんですけど……六花と戦うって、この子何をしたの?


「取り敢えず、詳しい事は次の街に付いて宿を取ってからだ」


 私達は暫く無言で歩いた。途中でモンスターに襲われるたりもしたが、ドクトゥスのリンドヴァルさんがいるので全く問題ない


 ふと思った。私に指南してくれるという事は!


「師匠!」

「ぶふっ⁉︎」


 リンドヴァルさんは飲んでいた水を吹き出した。キタねー


「それは……」

「ふふっ。いいではないか。可愛い弟子が出来たなリンドヴァル」


 コルネリア様が味方に付いてくれた為、リンドヴァルさんをこれより師匠と呼ぶ事にした。


「……」


 リンド……師匠は一瞬嫌な顔をしたが直ぐに元の無表情に戻った



 街に付き宿を取る為、私は宿の店主と交渉中。宿では身分証を提出しないといけない為、私の階級がバレて


「帰れ帰れ! ここは売女が来ていい場所じゃない。ここで商売されちゃかなわん」


 シッシッと手を振り追い払おうとする店主。マジで腹立つ!


「私売女じゃないんですけど……」

「そんな訳ないだろう! ウィークトゥスの女が体売らないで、どうやって生活していくんだよ」


 かなりの偏見を持っているらしい。こんな宿コッチから願い下げだが、後ろで待っている師匠とコルネリア様の為に粘る


「あーもう。ちょっと追い出して!」


 とうとう店主は用心棒を出してきた。用心棒ってどこでも居るんだな……どうやら用心棒は2人居るようだ


「ほら、怪我したくないだろう? 早く出て行きな」


 ガタイの良い男が見下して言ってくる。コイツも腹立つな……


「嫌だって言ったら?」

「はぁ。仕方ない」


 男が私の腕を掴む。仕方ない、説得(物理)をしよう。私はその腕を逆に捻り上げ、後ろに回し体を壁に押しつけた。


「このアマ!」


 もう1人の男が殴り掛かってきたので避けて華麗な回し蹴りをお見舞いしてやった。そして決め台詞? を言ってやる


「こんなに簡単に負けるなんて……貴方達こそ、ウィークトゥスなんじゃないの?」


 ドヤ顔で言ってやると驚愕の表情で私を見つめる男達と真っ青になる店主


「分かった。すまない、私が悪かった」


 宿を貸してもらえた。説得って素晴らしい! ドヤ顔で師匠達の所に戻れば


「目立つな!」


 コルネリア様には怒られ、師匠には無言でチョップを食らった。師匠……貴方、怪力なんだから手加減してくれよ……とっても痛いよ……

 そんなに言うなら、自分達で宿取れば良いじゃないか!


 部屋に入り、何かを念入りにチェックする師匠。何してるの?


「盗聴器とかの類がないかだ」


 聞くと答えてくれた。盗聴器って……ホントに何でそんなに警戒しているのだろう?


「……お前は無知だな」


 師匠に呆れられように言われた。酷い……


「仕方ない。1から説明しよう」


 無口な師匠に代わり、コルネリア様が話してくれた。


 かねてより、この国には黒き宝玉と6つの黒い花びらが存在する。それは辺りに負のエネルギーを撒き散らし人々を混乱の渦に叩き込む厄災の宝具だった。

 それを王族は代々管理してきた。6つの黒き宝具は信頼できて、尚且つ負のエネルギーを制御出来る者に。宝玉は王が体内に保持していた。

 しかし、黒き宝玉の力が強すぎて王では制御しきれていなかった。黒いエネルギーが漏れ、この国の人々は王や周りの人達に不信感を持つ様になっていった。


「それは7代続いた」


 黒き宝玉は1つで6つの宝具を賄える負のエネルギーを有していたのだ。

 今まで、御しきれなかった宝玉を今代では2つに割り1つは王に、もう1つは第3王子に、それぞれ託されたのだった

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